三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ フロム京都

三児 レイ アスカ シンジを育てながら、スキマ時間でカルチャー情報を発信。働き方改革時代の心豊かな生活をお届けします。

《ムービーウォッチメン予習編》オリエント急行殺人事件

愛聴しているライムスター宇多丸さんのウィークエンドシャッフルの看板コーナー「ムービーウォッチメン」の予習記事です。

 

今回ムービーウォッチメンであたった映画は「オリエント急行殺人事件」です。

オリエンタル急行殺人事件は、言わずと知れたアガサクリスティーの名作ミステリーの映画化です。1974年に一度映画化されているので、今回はリメイクとも言えるかもしれません。

日本でもわりと最近に三谷幸喜が監督、野村萬斎が主人公のポアロ役でテレビドラマ化されていますね。

 

本作の原作小説がミステリーの普及の名作となっているのは、読者の予想を裏切る「犯人」にあります。

これまで形を変えて何度も映像化されていることもあり、多くの方がその「犯人」を知っている状態で鑑賞することとなります。

 

はて、謎解きが肝のミステリーで「犯人」を知っていながらにして楽しめることが出来るのか。それが本作を評価する上で最大のポイントとなりそうです。

 

以下結末に触れますのでネタバレ注意!

 

やっぱり楽しめなかった謎解き

結論からいうとやっぱり謎解きを知っている状態では楽しめませんでした。

というかミステリーなのだから、これはある程度仕方がないとも言えます。

とすれば、これは「原作」を知らない人向けの作品だったのでしょうか。私はそうでもないとも思っています。というのも「原作」を知っている人に向けても、色々と工夫している部分も見受けられました。ただその工夫点が面白いといえるかが重要です。

ここでは1974年の映画版との比較しながら、謎解き以外の要素についてみていきたいと思います。1974版を便宜的にオリジナル版と呼びます。

 

① 掴みの部分

ここはオリジナル版と大きく変えられていました。

いきなりポアロが、小さな盗難事件を華麗に推理で解決するところから始まります。

探偵モノでもよくある構成ではありますが、テンポ感もあって、引き込まれました。オリジナルでは、冒頭にアームストロング家の悲劇が紹介され、ポアロの物語としては、いきなり船に乗り込むシーンから始まります。

 

② 分かりやすいエンターテインメント演出

改めての映画化ということで、エンタメ要素がオリジナル版から大幅に増えています。

確かにオリジナル版は、オリエント急行内の殺人ということで、ほぼ全編オリエント急行内の密室劇として描かれていました。現代で鑑賞するにはやや単調に感じられるかもしれません。ましてやオチを知っていればなおさらです。

本作では、オリエント急行が停車の原因が、雪崩になっていたり、アクションシーンが追加されていたり、列車の外でのシーンがあったり、娯楽映画としての見せ場を要所に入れています。そういう意味ではオリジナルより見やすくなっていると思います。

しかしながら、本作の魅力を大きく向上させる要素となっているかというと、そこは正直疑問です。銃撃のシーンなんかはむしろ、そこまでするか、とノイズにすら感じました。本作最大のオチである「許し」に結びつかないのではないかと。そこまでしたら許されないだろう。

また、どうしても「犯人」を知っているだけに、登場人物の見せ場が少し茶番に感じてしまいました。ハバード夫人の刺傷シーンとか。

 

③ 人間ドラマを強化した謎解き

 

元々の設定からして、アームストロング家にまつわる人間模様の要素は確かにあるのですが、本作ではさらに強化している感じがあります。

しかしながら12人の登場人物という多さと関係性の複雑さから、物語の中盤はインタビューを進めなければならないという物語上の必要性もあって、人間ドラマとしてはオリジナル版とそう変わりません。

しかしながら、終盤の謎解きシーンで急に感傷的なシーンが増えます。

善と悪のバランスというものをより強調した作りへと意図があるのかもしれませんが、正直ピンとこない部分ではあります。

 

完全犯罪を成立させるために「私(ポアロ)を殺せ!」とポアロ自身が言うのもちょっと納得が得難いと感じました。

 

④ かっこよくなったポアロ

ポアロの人物像も結構変わっています。

オリジナル版では、天才だけどかなりの奇人変人として描かれていました。

本作では天才で、奇人変人と言うよりは、完璧主義者として描かれています。

完璧主義が善と悪の間でゆれる、と言う物語のテーマ性を強化したかったのだと思いますが、現代映画としては見やすくはなっているとは思うものの、③の指摘同様終盤唐突にその件の演出が強化されるので違和感はありました。

オリジナル版の奇人変人vs乗客のちょっと噛み合わない感じやぶしつけな感じが好きだったので、ちょっと残念。

 

 

総評すると、殺人が起きるまでの掴みの部分はエンタメ映画らしく期待させるものがありましたが、結末を知っているとやっぱり中盤は退屈に感じますし、終盤の感傷的なシーンは蛇足に感じました。

この作品において人間ドラマを強化するのであれば、やはりもう少し時間と演出に手間をかける必要があるのでしょうか。

とはいえ、「犯人」を知らずに作品を鑑賞する人にとっては楽しめる作品になっているのではないでしょうか。

 

 

オリエント急行殺人事件 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

オリエント急行殺人事件 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

 

 

 

《映画にみる食と農》情熱に圧倒。築地ワンダーランド

ワンダーランドな築地映画

今回紹介するのは、築地市場とそこで働く人々に焦点を当てたドキュメンタリー「築地ワンダーランド」です。開設後80年以上にもなり、日本の魚食文化の拠点とも言える築地市場を、1年以上に渡り密着取材した1作です。

 

以前にこのブログでレビューした「二郎は鮨の夢をみる」でも登場した築地市場。そのセリのシーンはとてつもなく印象的でした。

《映画にみる食と農》二郎の存在感が凄い 二郎は鮨の夢を見る。 - Whistle Life

 

また、先日記事にもした中央卸売市場が民間でも開設可能になるという規制改革や豊洲への移転問題についてもニュースになっていたので、その築地市場にスポットを当てた本作品を鑑賞しました。

 《農政ウォッチ》政府が卸売市場の民営化を提言。公設市場の役割とは? - Whistle Life

 

映画タイトルは築地ワンダーランド。

タイトルは観て納得です。築地がいかに「非日常」と「驚き」に満ちている世界だと気付かされます。

そして築地で働く人たちの人間模様。彼らの情熱や仕事哲学に触れたとき、シンプルにカッコいいと感じる。それだけで観た甲斐があったと思わせる良作でした。

 

「二郎は鮨の夢をみる」の影響は否めない

実は最初の30分の印象は決してよくありません。それは、「二郎は鮨の夢をみる」を影響をかなり受けていると感じたからです。

スローモーションや映像美に訴える演出。すきやばし二郎。料理評論家の山本益博氏。

その全てに同作からの既視感を感じてしまいました。

また、築地は世界に誇るという思いもあったんでしょう。英語ナレーションにも、違和感でした。日本人監督なのにという思いはあります。

 

特にアーティスティックな映像表現においては、「二郎は鮨の夢をみる」がやはり優っていたように思います。同作のお寿司はやっぱり美味しそうだし、セリシーンの迫力たるや、同じような演出なのになぜこんなにも違うのだろうと思わされます。

 

関係者の熱量に圧倒

しかしながら、視聴を続けていると、築地ワンダーランドにおいては築地に溢れる情熱の量に圧倒されます。

「二郎は鮨の夢をみる」が、小野一家の様子をじっくり、ゆっくり見せて行くのに対し、本作は、築地に関わるたくさんのインタビューをテンポよくどんどん見せていく形をとっています。多数のインタビューの物量は、そのまま築地の活気や情熱を表現しているとも言えます。

築地市場に関わる人たちは、卸、仲卸等場内関係者、築地に買い付けにくる飲食店等毎日1万人を超えるとい言います。

このドキュメンタリーでは特に主人公は設定されていません。いかに築地、ひいては日本の食文化がたくさんの「プロ」たちの仕事で成り立っているのかよくわかります。だれか特定の人物ではないのです。

 

市場の朝は夜中から始まり、敷地内にところ狭しと仲卸の店が並び、たくさんの注文をさばく。

築地市場で取り扱われているのは主に魚です。魚というのは、保存が効かないので短い期間で取引を成立させないといけない。

毎日が勝負。映像を観ながらそんな風なワードが思い浮かびました。

 

 

見直される仲卸「目利き」の役割

様々な関係者が紹介されますが、特に目立っていたのはやはり「仲卸」です。

「仲卸」は、全国から集まる魚を仕入れ、飲食店や小売店に販売します。

それだけ聞くと何かただの仲介役という印象を持つかもしれませんが、実際はそう単純ではありません。

お客様の為に、確かな品質なものを正当な評価で仕入れる。また買った魚をお客様の需要にあわせて、それぞれにあった好みのものを用意したり、買ってもらいやすいように小分けにしたりする。

単に仲介するだけでなく、「目利き」を行うことにこそ重要な役割があるのです。

 

「魚」というのは、また、品質を見た目で判断することが難しいです。

工業製品と違って、品質が一定ではありません。なのでこういった「目利き」機能が重要になってくるのです。

仲卸でのインタビューでも、ある程度のところまでは良し悪しは努力すれば分かる。そのもう一歩先の世界がある、と。これぞプロの世界だと感じました。

 

作中でも、築地で取引されているのは「物理的なもの」だけでない、むしろ情報こそが重要だと紹介されています。仲卸が持つ産地や今日の漁獲量、品質などの情報。そういった情報にこそ価値を求めてたくさんの有名飲食店が築地に集うのです。

 

こういった仲卸たちの姿にどんどんと引き込まれていきます。

最後年末でしょうか。一本締めで一年の仕事を終える仲卸たちの姿を見る頃には、祭りの終わりにも似た寂しさを感じました。

 

未来はあまり語られない

 

同じく寿司屋さんのインタビュで「市場から産直に流れて、今また市場に戻ろうとしている。」という受け答えがありました。

今、市場への規制改革、豊洲への移転問題があるからこそ、今観るべき映画であると思います。逆に作中ではこのあたりの市場の未来の話はあまり触れられませんでした。

そこに少しもの物足りなさを感じましたが、「今現時点」の市場を記録し、見せるという意味では意義深い一作だと言えます。

 

 

TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド) [Blu-ray]

TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド) [Blu-ray]

 

 

 

 

 

《漫画における食と農》美味しんぼ二巻の感想

漫画における食や農を表現するこのコーナー

今回は食漫画の代表格美味しんぼ第2巻の感想です。

 

食べ比べ表現が分かりやすくしています。

第2巻は、第1巻に比べて物語に引き込む新たな展開というのはほとんどなく、食うんちく全開になっています。

 

しかしながら、一巻に引き続き、漫画らしく料理をめぐる「対決」の中にうんちくが表現されているので退屈することなく読みやすいのは変わりません。

対決でも、特に食べ比べの表現が面白いです。

今回でも魚の刺身のエピソードがあります。

生きた魚をその場でさばいて食べさせるのですが、あまり美味しくありません。

その美味しくなさを表現するのに、撮った魚をその場で内臓をとって殺した魚と比較するのです。

なかなか美味しさを漫画で表現するのは実は難しいです。

食というのは、基本的には味覚・嗅覚で感じるものですが、漫画では視覚的にしか表現できません。なので漫画で味について絶対的な評価を行い、読者を納得させるのは結構難しいことだと思っています。

それをこの漫画では、食材や調理法の違いを比較し、論理的に説明することで分かりやすくそれを伝えていると思います。

 

2巻で気になったエピソード

手間の価値

中華料理。山岡自らが豚バラ煮込みを調理し、食通を唸らせます。なんでこの人新聞記者なんてやってるんでしょう?

 

活きた魚

日本を代表する会社のゲストハウスで、社長をギャフンと言わせます。権威に対する批判も盛り込まれています。活きた魚をその場でさばく。収穫後時間が経ったものは、いくら活きていても、水槽で飼育されているとその間で痩せ細ってしまう。新鮮な生きた魚が美味しいとは限らないとは興味深いです。

 

そばつゆの深味

そばつゆを作るのにもこんな手間暇がかけられているのかと関心します。

特にだしをとるのに鰹節を90分間煮詰めるのは普通と違って驚きでした。

 

日本の素材

フレンチでも日本の食材を使ったものにこそ価値がある。食とは創造ですね。

 

包丁の基本

同じ刺身でも捌き方で随分と味が変わります。

細胞の表現は特に面白かったです。

 

思い出のメニュー

珍しく人情系のエピソードです。

 

幻の魚

久しぶりの海原雄山登場。どれだけ偉いのだこの人は。終わり方が印象的です。

 

中華そばの命

兄弟喧嘩別れのラーメン店。それぞれの技術が合わさって初めて真に美味しいラーメンが出来る。

 

 

美味しんぼ (2) (ビッグコミックス)

美味しんぼ (2) (ビッグコミックス)

 

 

 

 

 

《漫画にみる食と農》物語に引き付ける魅力に満ちた食漫画の代表「美味しんぼ」

食漫画の代表格「美味しんぼ

 

食がテーマの漫画と聞いて、「美味しんぼ」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。

アマゾンでも、「食」ブームを巻き起こした大人気作!!と紹介されています。

かなりの御長寿漫画でもありまして、現在発行巻数111巻にも及びます。

そんな食漫画の代表とも言える「美味しんぼ」ですが、実は今まで読んだこともなかったので、読み始めることにしました。

早速、1巻を読んでみての感想ですが、美味しんぼは、単なるグルメうんちくとは違った物語を引き付ける要素に満ちた、なるほど傑作と称される漫画だと感じました。

 

しかしながら、100巻超えてくると何か途方もないものを感じますね。

100巻を超える漫画って最近はちょこちょこあるようですね。ONE PIECEもいずれ辿り着くでしょうし。

こち亀が100巻なったときは、お祭り騒ぎだったのを覚えています。

 

 

美味しんぼは、作 雁屋哲、画 花咲アキラグルメ漫画

一巻のあらすじは、

東西新聞文化部記者の主人公山岡と新入社員の栗田さんらが、その鋭敏な味覚を買われ、社長肝いりの「究極のメニュー」プロジェクトに指名されます。しかしながら、「究極のメニュー」づくりにあまり関わりたがらない山岡、何か訳がありそうです。

 

さて、まず早速一巻を読んだ感想ですが、なるほど確かに100巻続く漫画だけあって、面白かったです。最序盤ということもあり、読者を引き込む展開が多かったという印象です。

1巻を読んで物語を引き付ける三つの要素について感想を述べます。

① 「対決」「問題解決」を中心とした話の構成

毎回の食に関する雑学はためになりますが、そのうんちくの語られ方が、特定の人物や設定での「対決」、「問題解決」の中で描かれているので、分かりやすく、読みやすいです。対決というのが実に漫画らしく、漫画でしか出来ない設定であると言えます。

例えば、寿司職人の話では、寿司職人同士で食べ比べし、そして最後には「CTスキャン」で寿司の「握られ具合」を比べます。

漫画として「どちらが優っているか」は物語に引き付ける需要な要素なので、ただただ雑学を述べられるよりも興味が持続されます。

 

② 権威に対する痛快な批評性

 ①では対決を中心に構成されているとお伝えしましたが、その対決な相手はグルメ家であったり、デパートのプロデューサーであったり、料理人であったりその道のプロと呼ばれる人たちです。ネームブランドだけで、偉そうにしているその道のプロに対して、

歯に衣着せぬ物言いで、懲らしめていきます。

例えば第2話で語られるフォアグラの話。フォアグラというだけで賛美している批評家に対して、全く逆のアプローチで生産されているアンコウの肝で対抗して、グウの言葉も出ないという爽快感のある話です。

こうした権威に対して、ネームバリューに踊らされることなく食に対する豊富な知識と技術で対抗していく様が庶民視線かたいくかなり痛快です。

 

③ 1話完結だが全体を通して山場が設けられている。

基本的にこの漫画は1話完結で語られますが、物語全体を通したストーリーもあって、続きが気になる作りになっています。まず、「究極のメニュー」を作るというストーリー上の大目標が設定されています。そのことで、1話完結であっても、目標がぶれることなく話が続けられています。

さらには、山岡の生い立ちと海原雄山の存在です。

克服すべき親の存在の登場で一気にキャラクター性の深堀りと物語の展開が広がったと思います。

特に山岡の出自が明らかになるまでは、小出しに思わせぶりなセリフを偲ばせてあったので、より物語に引き付けるのに効果的でした。

 

以上、美味しんぼ1巻で感じた魅力をお伝えしました。

これらの要素はある意味、長く続く漫画に必要な要素かもしれません。

1巻はまだまだネタ振りの段階と思うので今後も注目していきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

《ドラマにみる食と農》ちょっぴりだけ特別感のある最終回孤独のグルメレポート

孤独グルメ、season1の最終話レポートです。

いつものように仕事の打ち合わせで中目黒に訪れますが、今回は昼間から食べ始めるシーンから始まります。

 

打ち合わせの前に、割とボリュームのある揚げ物の定食を頬張りますが、

時間がないためか、まさに口にかきこみます。

 

打ち合わせの前で、時間に余裕がなくても、きちんとした定食屋でご飯を食べる。

ということが、食に対する優先度を表していて、実に井之頭さんらしいと思います。

 

そして本日の営業先での打ち合わせシーン。

今日訪れたのは古着屋さんです。「オーナーはどこにいらっしゃいますか?」

とアルバイト風の若い女性に声をかけますが、実はその女性こそがここのオーナーでした。

いきなりやらかしてしまいますが、オーナー自身も分かっているのか、笑顔で対応です。

名前が、井之頭と青山で通りの名前になっている。下の名前も奈々と五郎で数字で一緒ですね。なんてたわいもない話題で盛り上がりながら、最後には「オーナーって呼び方やめてください」と急速に距離が近くなります。

 

そして、簡単な打ち合わせの後、調度品を次回までに探す約束をして、店を去ります。

それに対してオーナーは、「私は井之頭さんの古着を探しておきますね。」

 ここでも、モテがちな井之頭さん。あの佇まいが良いのだろうか。

いつものことですが、おそらくドラマでは「次」は描かれません。その辺の潔い1話完結が魅力なのかな。また、そういうことに縛られない井之頭さんの生き様を表しているようにも思えます。

 

 

店を出てしばらく歩いていると、いつものごとく唐突に空腹に襲われる井之頭さんです。この時出た「お腹ペコちゃん」っていう表現はこれまでのエピソードでも登場しました。井之頭さんの創作セリフシリーズを集めたらちょっと面白いかもしれないですね。

 

さて、今日は何腹だ(何を食べたいかの気分を表す際の表現です笑)。たくさんの飲食店をまえに目移りしますが、今回は沖縄料理のお店に。

店に入ると 、The沖縄、というよりは中目黒アレンジの沖縄料理店という佇まいです。

 

メニューでおすすめのアグー豚の天然塩焼きを頼みますが、他のお客さんがチャンプルーやラフティーを食べているのをみて、王道にすべきだったかと若干の後悔をします。

よく見ると、カウンターでラフティー丼を食べているのは、原作者の久住昌之さんです。最終回ですし、ちょっぴり特別出演ですね。

 

今まであまり触れてきませんでしたが、孤独のグルメには、本編終了後、「ふらっとQUSUMI」というミニコーナーがあります。

毎回舞台となった飲食店に原作者である久住昌之氏が実際に訪れて食レポをするという

ものです。何かこう、本編の答え合わせのようなミニコーナーで結構楽しめます。

久住さんが、お店のPOPとかにいちいち愛すべきツッコミを入れる、素朴な料理を愛でるその様子は、井之頭さんの様子とかなりハマります。

なるほど原作者のマインドが、きちんと作品に反映されていることがよく分かります。

 

さらに最終回ということで、特別な演出は、いつものBGMが沖縄風にアレンジされているところでしょうか笑

細かいですが、こういうところは大好きです。

 

食事の方は一通り食べた後、ソーキそば、に締めのブルーシールアイスまで平らげて、店員さんを驚かせます。でもそれもいつも通りといったところでしょうか?

店を出ると、明日は何を食べようかといって、エンドロールです。

うん、原作者が出ているのとBGMが沖縄風以外は、最終回だからといって特別な演出はありません。

でも、孤独のグルメでよく出るセリフで表現するなら、

「そういうのがいいんだよなぁ」

 

 

 

 

 

《ドラマにみる食と農》優しさに溢れた 孤独のグルメ11話レポート

孤独のグルメ 11話レポートです。

今回の舞台は文京区根津。

どうやら、知り合いが開店したお店を訪ねにきたようです。

途中、饅頭屋さんに寄って手土産を買います。別のエピソードにもお土産買うシーンがありましたが、井之頭さんは案外こういうところで律儀です。

饅頭屋さんでお茶をよばれ、もてなしに心温まります。

 

お店に着くと熱烈歓迎を受け、お茶をしながら話します。

井之頭さんは商売柄知り合いが多いのかな。旧友に会うエピソードは多いです。

何にも縛られることなく、孤独に自由に生きているんだけど、たくさんの人と繋がっている。たいした会話もないけど、無性に井之頭さんのことを羨ましくなってしまいました。

 

さて、店を出ると、今度はいつもの如く空腹に襲われ、店探し。

かと思いきや、なんとここで尿意をもよおしてしまいます。

まさかここで、饅頭屋のお茶と、旧友のお店のコーヒーが伏線になってくるとは笑

 

急いで通りがかった居酒屋に駆け込み、事なきを得ますが、帰り際、「飲んでいかないの?」と飲食店の客に引き止められます。

一度は「飲めないので」と断ったものの、確かにそのまま帰るのは失礼かと思い悩みます。

 

女将さんは、「気にしないで」と言いますが、結局鳥の煮込みを頼みます。

ここで「鳥の煮込み」を頼むところが渋いですが、一気に食べ終わります。

こうなると、スイッチが入ったのか、次の注文へ。

女将さんが何でも好きなものを、と言われると、居酒屋で、あろうことかサンドイッチを頼みます。

 

でも、女将さんもサンドイッチ?出来るよ、と神対応します。

なんだか、キムタク主演ドラマ「HERO」を思い出しました。

サンドイッチを頼んだ理由もちゃんと伏線があって、旧友が食べてたのが美味しそうだったからです。

ここもまた、井之頭さんらしいですね。

 

サンドイッチの後のリクエストは、カレー。

なんでも注文を聞いてくれる女将さん。この感じはまるで、おばあちゃんの家に来た時のようだと評します。その昔懐かしさから、カレーを頼むのです。

しかしかながら、鳥の煮込みに、サンドイッチにカレーって、流れでみるとどういうチョイスかと思っちゃいます。

 

カレーも満足げに食べていると、ここで新展開です。酔っ払い客が入ってきて、「シケた店だ」とつっかかります。

今時こんなつっかかり方するかと、心の中でツッコミましたが、いやいやこれはドラマです。

 

井之頭さんは「私のことはいい。カレーやお店のことは言うな」とカッコいい対応。

そのまま、外に出て行きます。

襲いかかる酔っ払いも見事にいなして、解決。

やたらかっこいい井之頭さんですが、「やりすぎた」と後悔します。井之頭さんは何か武道の経験があるのでしょうか。そんなことを思わせる身のこなしでした。

 

お店に戻ると、カレーを温めなおし、量も調整してくれる女将さんの神対応に再び心温まります。

 

今回は、わりと優しみに溢れたエピソードでした。

 

 

 

《農政ウォッチ》政府が卸売市場の民営化を提言。公設市場の役割とは?

 

規制改革の的となった公設卸売市場

政府の規制改革会議が卸売市場法に関する様々な規制を撤廃することを提言しました。

www.nikkei.com


現在、大きな卸売市場の開設主体は都道府県や自治体に限られていますが,そこを 民営可能な形で開設することができるようにしたらどうかということです。


これに対して,農業団体等は市場の規制である「受託拒否の禁止」(市場に出荷された生鮮物は受け取りを拒否できない。農家からしたらとりあえずお金に変えられる。)の撤廃がなされれば,産地にとって打撃になるほか,市場の価格形成機能の低下などが心配されています。

私などは物心ついた頃から,小泉構造改革やハコモノ行政への批判などをずっとメディアを通じて観てきたので,流通の要である公設市場が民営化されるのは自然な流れというか,逆に今でもあんな大規模な卸売市場を,行政が運営していることの方が違和感なくらいです。

しかしながら,規制改革それ自体が目的化するのは良くないと思うので、規制それ自体には、卸売市場開設当時にはそれなりの理由があったと思いますので、卸売市場が出来てきた背景を探っていきたいと思います。

 

卸売市場が公設である理由

まずは,卸売市場の基本的な役割を確認する必要があります。
卸売市場の役割は大きく分けて3つあります。
① 集荷・分配 各地から生鮮品を集め,また各販売先へと分配する
② 価格形成機能 公正で公平な価格形成
③ 代金決済   取引は、速やかに決済される。

こういった機能は民間では任せられないのでしょうか?
市場が取り扱っている品目が生鮮食料品であることにその理由があります。

生鮮食品は,あまり日持ちしないため, 生産者は早く売りさばきたい。
こういった食品の性質から,価格形成において,生産者(売り手)が弱い立場に なりやすいのです。また,生産者は形も食品によってさまざまなので工業製品と違った一律で大規模 な流通に向いていません。品質も安定しないので、チェック機能が働かなければ、消費者にとって不利益なマーケットが形成される恐れもあります。(同じりんごでも粗悪品を高い値段で売りつけられる。)


こういった意味で、役所が運営することで全国から集められた食品に対して,公正な取引きを行う上で重要な役割を果たしているといえます。
実際に戦後食品の供給が少ない頃には,闇市などがはびこっていたことを考慮に いれると一定の役割を果たしているといえます。

また代金決済も,明確なルールの下に決済されるので,とかく立場が弱くなりが ちな一次生産者にとっても安心な制度となっております。

流通構造の変化が訪れた

しかしながら,市場を取り巻く状況が変わりつつあります。

まずは,消費者側の変化。少子高齢化や共働き世帯の増加により,食品消費に占 める中食や外食の割合が増えています。冷凍食品の消費も増えておりますし,冷 蔵・冷凍技術の向上で,昔は生鮮で流通していたような野菜が冷凍食品となって いることもしばしばあります。

また,供給側(生産者)にも変化があります。
市場は確かに公平で適正な価格形成がされるかもしれません。
しかしながらその分,生産者に価格交渉力を持たないのです。自分自身で値段をつ けたいという意識が生産側に出てきています。

また,規格外の流通。市場では規格がある程度決められてしまいます。その分、地域に伝わる在来野菜などが市場流通の規格に合わず生産が減少して行ったという状況もあります。


またこういった需給の変化に伴って流通自体が多様化し,いまや生鮮の取引は, 昭和50年代で市場経由率80%を越えていたのが,平成20年代になると60% まで落ちます。現在では,市場に限らず,契約栽培,直売所,インターネット取 引等多様を極めています。

こうなってくると確かに公設で運営されている市場の意義が問われるのも最もです。

市場法が出来た当初から需給や流通構造が変化し,その変化に現代の仕組みが実情に合わなくなってきたといえるでしょう。

 

市場流通の役割の変化に期待

流通構造の変化の背景にあるものは何でしょう?
それは一次生産そのものの役割が,食料の安定供給という役割から食料産業へと変わってきたことだと考えています。食料産業となる以上求められるのは,高付加価値です。最近の言葉でいうと攻めの農林水産業でしょうか。産業としての成長を考える場 合,市場の存在というのは規制でしかないのかもしれません。

 一方で、市場外流通が増えているという話をしましたが,それはそれで 面白い動きもあります。当の市場自身も、そこで取引きしている,集荷者である卸業者や分荷者である仲卸業者などが市場外に子会社をつくるなどして,市外流通にも推進しているのです。

個人的には,市場で出入りする先日の「次郎は鮨の夢を見るか」でも触れられて いましたが,市場の「目利き」機能には特筆すべきものがあると感じています。
彼らは生鮮品を見抜くプロでありますから,そういった目利き機能が現代の流通 構造の中で活かしていけるのであれば,全国から多種多様な農産物が集まる市場 は魅力的な食の拠点といえると思います。

市場を廃止するかどうかではなく。どう役割を変えていくかということに焦点が あたると面白いですね。