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Whistle Life

食と農の話題を中心に、日々の雑感をつづります。

植物工場の将来性

素材メーカーに新たな収入源 農業関連事業強化を加速 植物工場をめぐる動きが活発です。記事では、三菱樹脂日清紡などの素材メーカーが、植物工場を新たなビジネスチャンスとみて、積極的に取り組んでいるのを紹介しています。 本エントリでは、記事内での真鍋氏の言葉「異常気象や食糧危機に対応でき、将来性も有望」とする部分について少し考えたいと思います。 まず、異常気象に対応できる、という点で植物工場は非常に有望であると考えてよいでしょう。今年も日本では二つの大きな地震や秋口の冷え込みにより、レタスなどの葉物野菜が高騰していたのは記憶に新しいところです。その点植物工場は基本、完全閉鎖系で行うので安定的に生産することが可能になり、農家を一番悩ませる気候の問題をクリアできます。 しかし、気になるのはそのお値段です。安定的に生産できても、基本的に消費者は安価なものを求めます。その点、植物工場冷暖房や照明に多大なコストをかけます。そのため、現在のところは、やはり高い価格帯になりがちです。しかし、記事内でトマトが通常の2.5倍量の生産を目指すとあり、将来的に労働生産性が植物工場の導入により飛躍的に増加すれば、安価での提供が可能であると考えています。実際レタスなどは結構な安値で販売されているようです。 一方で食糧危機に対応、とありますが、この発言についてはやや疑問が残ります。というのは、植物工場で紹介されるのはほとんどが葉物野菜ですが、これらをどれだけ食べてもお腹は満たされません。紹介されているトマトやイチゴだってそうです。それならばイネや小麦などの穀物を育てたら植物工場で育てればよいのではないか?と思いますが、現時点でそれはなかなか難しいようです。それは、イネなどの穀物はさまざまな生育ステージを経て収穫にいたるため、温度管理や照明管理が難しかったり、人工照明では太陽光に比べ明るさが足りなかったり、冷暖房の風向きに配慮する必要があったり、とレタスなどに比べ相当なコストがかかるからです。仮にそのようなコストをかけて穀物を作ったとしても、そこには多大なエネルギーを投入しており、持続不可能な食糧生産であると言えるでしょう。 以上のようにみていくと、現時点では植物工場というのは、ビジネスチャンスではあれど、食糧問題を解決するものではないと考えます。 一方で、イネの閉鎖系での植物工場の実験というのはさかんです。植物工場自体の役割も高まってくるでしょう。その時、エネルギー自給率4%の日本はどうなるでしょうか?