Whistle Life

食と農の話題を中心に、日々の雑感をつづります。

耕作放棄地=シャッター商店街問題?

 今回は耕作放棄地について考えてみたいと思います。耕作放棄地とは文字通り耕作が放棄された農地のことを言い,現在日本では,山間部の集落を中心に後継者不足・野生鳥獣害を理由に耕作放棄地が増加傾向にあります。  この耕作放棄地問題ですが,結構誤解されている部分があります。というのは耕作放棄地の増加というのが,食料の生産基盤たる農地の耕作率が減少することで,食料自給率の低下を招く,と捉えられていることです。 まず,そもそもこれまでも,自給率の低下は日本人の食生活の変化により起こっているのであり,耕作放棄地は関係ありません。また,耕作放棄地というのは,中山間地で日当たりが悪く,傾斜地,鳥獣害にあるなど,条件不利地であるがために,なるべくしてなっているという側面があります。そのために草刈・抜根行い,解消しても引き受け手が見つからりません。実際,篤農家や新しい若い担い手に耕作放棄地を提案しても断られます。  しかも過去の減反政策により,なかば強制的に放棄地が出来た面もあります。 以上の理由により,個人的には自給率向上のためには,日本人の食生活を昔に戻すか,作物の単位面積あたりの収量を伸ばす方向性が良いのではないかと思っています。  では,耕作放棄地は増加しても問題はないのか?というと,そうでもありません。耕作放棄地が発生している山間部の集落では深刻な問題もあります。たとえば農地が荒れて草がおおい繁りますと病害中の発生源になりますし,イノシシやシカの寝床になったりします。そうなると,その横の畑も耕作不能になり,いずれは耕作放棄地となります。つまり地元の人にとっては農地が荒れるというのは迷惑な状態にあたります。また,山間部の集落というのは高齢者が多く,若い担い手もいません。  というわけで,耕作放棄地の問題というのは,過疎の問題であり,地域おこしの問題になるのです。ここでシャッター商店街を思い出してみてください。商店街でひとたびシャッター商店街ができますと,その隣もシャッターがしまっていきます。こうなると,だれもその商店街で店を開きたいと思わないし,開いてもすぐ挫折してしまうでしょう。  だから耕作放棄地の問題はシャッター商店街になぞらえることが出来るのです。そうなるとシャッター商店街でさらに復興を考えたときに個々の店舗の努力だけではどうにもできないと考えられます。商店街のメンバーみんなで知恵を出し合って問題を解決していくべき問題です。  これは耕作放棄地でも同じです。単にスポット的に解消を目指すのではなく,地域ぐるみで解決する視点が重要であると考えます。