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Whistle Life

食と農の話題を中心に、日々の雑感をつづります。

有機農業と遺伝子組み換え食品-明日の食卓-

有機農業と遺伝子組換え食品、という本を読んだので、感じたことをまとめておきます。
有機農業と遺伝子組換え食品 明日の食卓有機農業と遺伝子組換え食品 明日の食卓 (2011/06/28) 不明 商品詳細を見る
 この本は、有機農業と遺伝子組換え食品、という一般的に対立すると考えられるこれら二つの農業技術のよいところを利用して、食糧問題や環境問題に対応していきましょうというお話。例えば、遺伝子組換えで、ある害虫に対する抵抗性をつけたGM農作物を栽培すれば、農薬の使用量を減らすことができる、といったところでしょうか。  作者は夫婦での共著なのですが、有機農家である夫と、遺伝子組換え技術を研究する妻が、それぞれ有機農業と遺伝子組換え技術についての道具立て等をテーマごとに説明しています。  遺伝子組換え技術にかんする記載が多いですが、課題などをエピソードなどから説明されるので、非常に読みやすいです。あと、謎にレシピなどの記載も多いです。  有機農業と遺伝子組換え技術の組み合わせというのは、食糧問題と環境問題という二つのグローバルな課題に対応するために必須な技術であると思いました。有機農業とGMが相反するもの、つまりGM=慣行農業の延長(大規模化等)と思われているのは、GMが公益性を追求するものであるという認識が消費者等に伝わっていないからだと考えられます。  本の中で、アメリカのある州で遺伝子組み換え作物の開発が法律で禁止されたのを憂いて筆者は、「法律は個人的好みにまででしゃばるのか」と記述しています。多収や環境への負荷よりも、おいしさや食品としての安全性を求めるのはあくまで個人的好みの範囲で、選択の問題だと考えます。(安全性というのも個人的には問題ないのではないかと考えています。)これもGMの公益的可能性が認識されていないから、起こりうるのではないかと思いました。  もうひとつ、大きな課題はGMの規制コストにあると感じました。GMを開発するには、安全性の試験等や行政上の手続き等で、非常にお金も手間もかかり、一部の大企業しか開発できない状況があるようです。この状況が、公益的なGM開発にストップをかけ、一利益団体が食を支配する、いうようなイメージを同時に根付かせてしまっているのだと思います。本にもあるように、ある程度GM技術をオープンソース化することが必要なのではないかと思いました。