Whistle Life

食と農の話題を中心に、日々の雑感をつづります。

科学報道についての雑感

ある科学ニュース取材の裏側を描いた、産経新聞の記事が話題になっています。  はじめは私も、「(記者は)凡人のプロだから専門知識はいらない。わかりやすい記事を書くために凡人こそ記者になればいい」という記者の姿勢に首をかしげました。読者のレベルに合わせること、読者と同じレベルにいることは違うとのだと。  そしてこの記事を書いた記者の元記事が、同じ取材源を基にしたマイナビニュースと比較されています。元記事は科学的説明が不十分という声も。 しかしながら、私はこの元記事ふたつを見比べたときに、あることに気づきました。確かに同じ取材源の両記事を見比べると、圧倒的に若手記者の記事の方がわかりやすい。一方、マイナビニュースの方は、かなり詳しく実際のグラフなども交えながら解説されています。この違いはなんでしょう。若手記者のはわかりやすいが、説明不十分、マイナビニュースはその点真面目ということでしょうか。  いや、じつは両記事が対象にしている読者層が違うということだと思います。同じレベルで比較してはいけない話だと思うのです。産経新聞の読者は科学に普段触れない一般人たちです。その人たちにとっては彼の記事はものすごく分かりやすいでしょう。取材の裏側の記事を読む限り、もともとの報道は専門用語のオンパレードであっただと予想できます。それをあそこまで簡潔に記述できた力はすごいと思う。  一方のマイナビニュースのカテゴリを見たら、開発・SEと記載がある。同ページ内にあるニュースの人気ランキングもやや専門的なものばかり。つまり、読者層を一般向けに作っていないのです。僕なんかが読んでもあまり読む気をそそりません。 こうした読者層を意識した記事づくりがなされていることは素晴らしいと思う。  しかし、それと「凡人のプロだから専門知識はいらない。」という姿勢が悪いという話は別で、やっぱり分かりやすい記事を書くにはある程度の専門知識が必要かと思います。