三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

トロフィーハンティングについて

狩猟用の飼育ライオンが1週間逃亡中、南ア

 記事内で狩猟用のライオンが脱走と書いてあったので、ライオンに狩りをさせるのかな、と思ったら、逆でライオンが(ヒトによる)狩りの対象となるんだそうです。

 これはトロフィーハンティングといって、ライオンやゾウ、チーター、サイなどが狩りの対象となり、狩猟者はその獲った獲物の角や皮などを記念品(トロフィー)として持ち帰ることができるそうです。よく山小屋とかで、シカの頭や角が家に飾ってあったりしますよね、あれです。

取れたトロフィーの大きさなどが競争のネタになったりする完全に趣味の世界で、狩猟者の多くは社会的にエリートと呼ばれる人が多いこともあり、金持ちの道楽として批判されたりしますが、なんでも現存の生存個体数から科学的に狩猟可能な数を測定し、狩猟数が制限されるため、ちゃんと合法的な狩猟です(ちゃんとといったら変ですが)。

そして以外なことに、アメリカのサファリクラブ(トロフィーハンティングを楽しむ人たちのクラブ)によると、ハンターたちが現地で狩りをする際に支払われる許可料(狩猟権)が現地の野生生物の生息域の保全に使われているというのです。

 

いろいろ疑問に思うところもあるのですが、まず気になったのが、狩猟用にライオンが飼育されているのが、動物愛護的にどうなのか?といったところです。ニュースの記事内ではこのライオンのブリーダーは「殺されるのがウシやヒツジやブタだろうが、ライオンだろうが全く同じことだ」と主張されていますが、家畜としてのブタやウシとは違うのではないかなぁ、と思います。と畜するのと単に趣味の範囲で殺すのは意味合いの部分が異なる気がします。

また、日本で狩猟されるイノシシやシカと比べても、日本では獲られたシカやイノシシは、捕まえた以上はなるべく廃棄を減らすため、皮からお肉までほとんどの部位を利用するそうです。こうした命をいただくという姿勢とトロフィーハンティングの道楽的な部分が違和感の根源かと思われます。

 

さらに、狩ることが生息域の保全につながるというのも気になりますね。科学的に狩猟可能な数を算出するといっても、ライオンなどは国によっては絶滅している動物です。日本の猪やシカのように、生息数が拡大し、人間の市民生活や農業など生産活動に悪影響を及ぼしている動物とは全く動物たちの置かれている立場が違うと思うのです。

 

とにかく、いまだにこうした倫理的にすこし考えさせられるような活動が、密猟などのアンダーグラウンドなところではなく、行われていることに今回は驚きました。