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Whistle Life

食と農の話題を中心に、日々の雑感をつづります。

世界農業遺産

農業
 里山・里海を中心に持続的な農業が取り組まれてきた能登地域,「トキと暮らす郷づくり」として生物多様性保全型の農業が認められた佐渡地域が昨年6月,世界農業遺産に認定され,メディア等でも注目を集めました。

 

 

 ジアス(GIAHS:世界農業遺産)とは、FAO国連食糧農業機関)が提唱している「Globally Important Agricultural Heritage Systems」の略称です。後世に残すべき生物多様性保全している農業上の土地利用方式や景観について、国連食糧農業機関(FAO)が認定するものです。(佐渡市HPより)

 

 

 日本で認定された両地域については,いろいろなところで紹介されていますので,ここでは詳しくは述べません。この世界農業遺産,世界と冠するだけあって,当然日本以外の様々な地域において認定がなされています。

 公式ホームページを見てみるとそれらを確認できるわけですが,認定されている地域数が一番多い国を調べてみると、驚いたことに、中国だったのです。中国で認定されていたのは6地域で,この数字は他国と比べても圧倒的ですし,全体に占める割合も大きいです。

 

 上で,驚いたことに,といったのは,一般に中国の農業というと,残留農薬といった問題にみられるように環境保全とか生物多様性とは縁の無いイメージを持っていたからです。しかし,考えてみれば中国といえば世界第1位の人口と広大な国土面積を持つ超多民族国家です。なので認定数が多いのも当たり前といえば当たり前なのですね。実際に認定されているのを見ると,ハニ族の棚田内モンゴル自治区の乾燥地帯における農業,トン族の養魚・養鴨システムなど,その民族も異なれば気候条件も違うさまざまな地域で認定されています。

 内容としても,さすが中国4000年の歴史といったところで,2000年前あるいは紀元前からの歴史を持つ農業システムとして認定されているというスケール感は,日本のそれとはまったく異なります。

 

 こうしたものを見ていると,中国という大国を語る際に,一面的なイメージでなく,多様な文化を有していることを理解しなければならないと思いました。普段メディアなどを通じて接していると忘れがちですが,改めて思い知らされた次第です。

 

 ちなみに公式ホームページでは,Potential Siteとして,現在認定されていないけど可能性のある地域も紹介されています。それをみると,インドの案件が異常に多く,さすがは農耕の期限としても古く一大穀物生産地であるインドだと思いました。

 

 

 大丈夫だと思いますが,一応言っておきますと,別にそれでもって日本が中国やインドに負けたとかいうわけではありません。そもそも人口も国土も規模が違うわけですので。

 農水省によれば,そもそも世界農業遺産の目的の一つが途上国の支援であり,今回先進国で初めて日本が認定されたとのことです。さらに,認定の理由も,たとえば佐渡では,現代の社会に対応する形で,.農業生産システムに「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」を地域活性化の考え方を導入し、消費者と連携しながら島全体へ拡げている取組それ自体が評価されていることなど考えると,かなり誇れることだと思います。