三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

新規就農は農地が最初で最大のハードル2 休耕田が増えている!の実際

  荒廃農地

 前回新規就農するうえで一番のハードルは農地だとお伝えしました。前回のエントリでは、農地確保がハードル!という意見に対して農地って耕作放棄地が増えてて借り手がいなくて余っているんじゃないの?って自分ツッコミを入れながらも、それに応えずに終わってしまったので、今回はそのことを中心に説明したいと思います。

 実は、この自分ツッコミへの回答は、前回農地確保が難しいさ理由としてふたつ挙げた

① 農地貸し借りの仕組みがない。② 休耕田は条件が悪い。のうちの②にあたります。

 

 農地と一口にいっても、条件面でいくと実はピンキリです。住宅等の不動産と同じですね。どれくらいピンキリかというと、農地といいながらほとんど耕作できないような農地もあります。主には山に近い棚田など急斜面に位置する農地です。

それらはいろんな面で条件が悪いです。まず放棄されている期間が長ければ、竹などの根の張る植物が多い茂ってクワをいれることも困難だったり、耕作したとしても雑草や病害虫が発生しやすい状態です。仮にきれいに整備したとしても、水路が管理されてなければ水をひくこともできませんし、山側の農地は大体野生鳥獣による被害にあうことは必至です。さらに規模を拡大しようとも棚田はひとつひとつが狭小なので作業効率が悪く機械化が進みません。

 さらりと挙げただけでも耕作に不適切な理由がこれだけあります。耕作放棄地は、このような耕作に不適切な理由があるからこそ放棄されるわけです。よく日本の耕作放棄地は埼玉県と同じくらいの面積といわれていますが、そのうちの半分は機械をいれないと農地として復旧できない荒廃農地で、復旧できたとしてもそれだけの投資に見合った生産性が土地条件として無いので借り手が見つからないのです。

 

 一方で平地で区画整理された面的に広がりを持った農地もあります。北海道の農地を想像してみると良いかもしれません。こういった条件の良い農地は現状では意外と地域内の農家で回していることも多く、地域外の人少なくとも新規就農の人に回ってくる優先順位は低いでしょう。ただし、このあたりは中長期的には状況ががらりと変わるかもしれません。

 

 まとめますと農地自体は耕作放棄地がふえているけれども、条件が悪く新規就農で農業をスタートする農地には適さない。条件よい農地は地域内で回されており、新規就農にまわりづらい、といったところでしょうか。

 

 これまでは農地そのものの条件について述べましたが、農地探しには当然地域によっても難易度が違うのだろうと思います。不動産でいえば立地ですね。地方においては、耕作放棄の具合が進展しており、まだ農地を見つけやすいかもしれません。特に田舎暮らしを志向している人にとっては好条件でしょう。

一方で都市近郊の農地というのはやはり人気があります。消費地に近い分レストランなどの商談や配達がスムーズに行きます。特に最近の新規就農者は単純な市場出荷以外の経営形態を目指す方が多いので農地確保はし烈といえるかもしれません。

 

 これまで農地確保がいかに難しいものであるかを述べてきましたが、勘違いしてはいけないのは農地が絶対的に足りていないわけではないというところです。私が知る限りにおいても就農が遅れこそすれ、農地が見つからなくて就農を諦めるという人はあまりいません。 スムーズに就農するにはどれだけ農地情報へのアクセスをもっているかということです。その面においても前回もいったような就農を希望する地域に飛び込んでいくことが肝要かと思われます。