三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

体感する映画 ゼログラビティ

 
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子どもが生まれてからはなかなか映画館で映画を観る機会がなかったけど、年末時間が空いたので予告編が気になっていた「ゼロ グラビティ」を観てきました。っていうか超絶凄い映画でした。映画を観た、というよりは映画(宇宙)を体感した、と言えるほどの体験でした。

 

 遅ればせながら、今年は私にとっての3D映画元年だったといえます。これまで(いまでもか)3D映画というと分かりやすいハリウッドアクション大作が3D化されていることが多くて、私の好みの範疇ではなかったこともあり、あまり3D映画を見てきませんでした。しかしながら、今年春くらいに公開されていたライフオブパイが、私にとっては3D映画大傑作で広大な自然を表現するのになんと3Dの効果的なことか、と思ったほどです。ライフオブパイはストーリー的にもかなりの傑作なのでそれはそれで是非観ていただくとして、今回はゼログラビティですよ。

 時間的に2D字幕と3D吹替この二つしか選択肢がなく、かなり悩みましたが、どうしても前評判もあったので3Dで鑑賞しましたが、これが大正解。吹替は慣れれば問題にならなかったです。

 むしろジョージクルーニーの饒舌っぷりは字幕で追うより、耳で聞いていたほうが映像に没頭できたかも。あと音の強弱というか、遠くの方で聞こえる音と近くで聞こえる音の大小が字幕で追うよりも文字情報の無い吹替の方がより体感できたのではと思いました。

 

 そしてなんといってもこの映画の醍醐味は、その3D映像。これはだれもが認めることでしょう。この映画における3Dというのは、単に立体感があるというわけではない、まるで自分がそこにいるかのような体感性を付与する効果があります。それはFPSゲームのような主観視点になることもその効果を増幅させています。というか、作品中に入り込んでしまっている間は、その映画が3Dであるということすら忘れてしまうほどでした。それって3D映画の究極系じゃないかな、って思うほどです。

 

 これだけでもう、今年最高の映画となったわけですが、どうしてもあともう一点この映画について語りたいことがあります。それはストーリーです。核心に触れるので観ていない人はここで退室を、、、、。

 

 人によってはこの映画、映像は凄いけど、物語は皆無だよね、と思われるかもしれません。でも私自身はこの映画みてボロボロ泣きました。予告だけを見る限り、この映画でこんなに泣くとは思わなかった!確かに、この映画ストーリーはいたってシンプル。超シンプルです。宇宙からはじまり、漂流して助かって地球に帰ってくる。それだけです。ただ、シンプルでありながら、いやシンプルだからこそ、本当に感動を生んだのだと感じています。この映画は、(宇宙空間という物理的にも、家族との別離という精神的にも)寄る辺なく宇宙を漂流する主人公が、自立する話です(地に足を付けるという意味においても、自分の力で帰還するという意味においても)。ですから実はこの映画において映像表現とそのストーリーはかなり結びついています。

 自分が泣いたのは、少なくとも地球に無事帰れて良かった感動!ではなく、ライアンがジョージクルーニーのように冗談かましながら、地球に帰還するシーンです。自分の力ではどうすることもできず宇宙を寄る辺なくただ漂い、行き着いた先で死を覚悟した後、こんどは自分の力だけで必死で生きようとする姿に感動を覚えたのです。事実主人公は、ISSから中国の宇宙船を目指すまで、すべてジョージクルーニーの助けでサバイバルできたわけで、自らはひたすら受身の中でなんとか一命をとりとめてきました。

その主人公が、今度は自らの判断で宇宙船を動かし、余裕も見せる。最後に地上に降り立った後、自分の足で立つ瞬間には、かなり主人公が頼もしく見えたのではないでしょうか。私はそのあとすぐタイトルバックが流れ、背筋がゾクっとするような興奮を覚えました。

 

 シンプルなつくりながら、いろいろな感情がわきたてられる感動、映画館で感じられて本当に良かったです。