三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

いちごの旬っていつ??

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   いちごの旬っていつごろでしょう?

 

   こういう風に聞くと、最近ではクリスマスのイメージからか冬と思われる方も多いかもしれません。実際に11月、12月になると市場にいちごが出回り始めます。旬を自然環境下で栽培して最も収穫量が多い時期とするならば、いちごの旬は春です。  いま、わざわざ自然環境下で、と書いたのはわけがあって、おそらくイチゴ栽培のほとんどは自然環境下ではなく、多かれ少なかれ環境がコントロールされたもとで栽培されています。それで12月に出回るイチゴがでてくるわけです。そうなると一体旬ってなんなの?っていう話になります。  

  まず、自然環境下でイチゴを栽培したときの旬というのはいつなんでしょうか。実はイチゴというのは季節の変化を敏感に感じます。イチゴの苗を植えると9、10月頃、日が短くなって、温度も低くなると、花芽が形成されます。植物というのは、成長していく一番先端部分(成長点)において、そこが花になったり、葉になったり、そのまま茎として大きさが大きくなったり将来の姿が決定します。花芽が形成とは、その部分が将来花になりますよ!ということが決定したということです。

 しかしながら、実際に花を咲かせるまでにはまだもう少しかかります。冬に入り、さらなる低温にさらされると、イチゴは休眠します。低温を一定期間経験すると、ようやく開花・受粉します。さらに3月以降、気温が高くなり、日が長くなると果実が大きくなっていき、いわゆる私達が普段食べるイチゴの形になるのです。

   実は明治期においては、5,6月が一番の収穫のピークだったといわれています。その意味では、その頃のイチゴの旬は5,6月だと言えるでしょう。  しかしながら、その後研究者たちはあの手この手を使ってイチゴをだまして、季節への反応を変化させながら、イチゴの収穫期間の拡大に努めてきました。

   だますというのは簡単な例でいくと、ハウスの設置です。ビニールハウスを設置、暖房などで加温することで、花芽形成したイチゴは冬場であってもハウス内は温かいので休眠を起こさずに開花のステップに入り、収穫時期を前倒しすることができます。  逆に苗のうちに冷蔵して低温にさらしておくことで休眠、その後ハウスに入れることで冬なのに春が来たと勘違いして、開花・受粉します。

   この方法でいけば、最速で11月から収穫が可能になり、クリスマスのニーズに対応できるのです。このようにイチゴの収穫時期は拡大を続け、11月から6月くらいまでイチゴが出回ります。そうなると最初の疑問、イチゴの旬て一体いつなんでしょう?という話になるのです。

  そもそも旬の定義ってなんなんでしょう?魚介類や蔬菜(そさい)・果物などの、最も味のよい出盛りの時期。とgoo辞書には書いてます。ここで一つのグラフを見ていただきます。 

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        こちらは東 京卸売市場におけるイチゴの出荷量です。これをみていると3,4月が一番イチゴが出回っているようです。そういう意味では、イチゴの旬は3,4月といえるでしょう。ところが、私は上の方で、明治期は5,6月が旬だったと書きました。  このように旬っていうのは野菜そのもので決まるのでなく、農家の栽培方法や私達の食習慣によって変わりうるものだということが分かります。