Whistle Life

食と農の話題を中心に、日々の雑感をつづります。

生産者の技が見える農業‐小さくて強い農業をつくるを読んで‐

 

小さくて強い農業をつくる (就職しないで生きるには21)

小さくて強い農業をつくる (就職しないで生きるには21)

 

 前作のキレイごとぬきの農業論の時も感銘を受けましたが、今回も新刊が出たと聞き早速読みました。

 

キレイゴトぬきの農業論 - Whistle Life

 

 本の内容は詳細には書きませんが、前作とも少し通じる部分があります。

やはり著者の農業に対するこだわりや工夫の部分などのエピソードを読んでいると、「野菜」というのはやはりものづくり、農産物を作るのにもストーリーがあるな、と感じたのです。そして、こういうストーリーを聞くとやっぱりどうしても食べてみたくなってしまうんです。

 

 それで思い出したのが、「生産者の顔が見える」というキーワードです。

最近では当たり前のように野菜売り場やレストランなどでも「○○農園の野菜を使っています。」というPOPが農家の顔が写真とともに並べられているのもめずらしくありません。結構何年か前から「生産者の顔が見える」農業をということで、一気にひろがったスタイルだと思います。

 でもこれって冷静に考えると、どこまで消費者が購買する動機になるのかってイマイチ不透明なところがあると個人的には思います。「生産者の顔が見える」=安心・安全の担保であって、購買意欲の刺激ではないのではないかという主張です。

 このキーワード自体は、多分、食品偽装とか残留農薬とかが問題となった時期に、食の安全・安心への関心の高まりとともに、盛り上がったものだと思われます。

顔写真が掲載されることで、顔を出している以上、生産者にとっては何か問題があったときの責任が発生するという点で、安心・安全を担保している。といえます。

 安全・安心な野菜を求めている人に対しては、それで良いかもしれません。

でもおいしい野菜を買いたい!って思っている人にとっては、顔だけでは雰囲気は出ても、リピーターになるとか少なくとも次回への購入意欲の刺激には足りないのではにないかと思ってしまいます。

そこでは、野菜を生産するストーリーが聞きたいんじゃないかと思うのです。

ほら、車だって新製品がでたらやたらめたらアピールポイントやイメージをブランディングしてるでしょ。

 

というわけで提唱したいのは「生産者の技が見える農業」っていうキーワードです。

生産者の技というと今まで減農薬とか有機農業とか限られた、しかも誤解を招くキーワードでしか語られてきませんでした。なんかもっとストーリー性をもった生産過程にフィーチャーした売り出し方っていうのはもっともっと盛り上がっていい。

そういう意味では、ブログやFacebookっていうのはそういうのに最適なツールなんだと思います。生産者それぞれのこだわりや技が見える農業っていうのがどんどんひろがったらよいなって思います。