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Whistle Life

食と農の話題を中心に、日々の雑感をつづります。

海にかかる霧

3行de感想

  • 韓国特有の狂気じみたストーリー展開
  • 密航者との緊張感あるやり取りもう少し観たかった。
  • 船全体の危機⇨ドンシクさんの危機

 


『海にかかる霧』予告編 - YouTube

 

 

GW久しぶりに劇場に足を運んで観たのは韓国映画「海にかかる霧」

予告編を観て、ただものでは無い感満載だったのでこれに。

さすがの韓国映画で、かなりのクオリティで引き込まれつつも、中盤以降は不満も実はありました。

 

韓国特有の狂気じみたストーリー展開

まず今作を語る上で、欠かせないのがこの狂気に染まったストーリー展開でしょう。

まず前半でストーリー設定が綴られます。困窮した漁村の状況が、海に近いということが良く分かるような湿度で語られていきます。

そして船乗り人たちが荒々しくも善良な市民として描かれます。このあたりの描写が足場固めとしてしっかりとあるからこそ、あとの狂気に纏わる描写が生きてくるんですね。

そしていやあな予感しかしない雰囲気で密航のミッションが始まります。

そこから先はもう、韓国映画の真骨頂と言えるでしょう。

斧を振り回す主人公御一行ですが、直接的なグロ表現はないものの、その「状況だけで吐ける」という凄まじいシーンがあります。自分ではグロ耐性は割とあるほうだと思ってたけど結構きつくて目を背けてしまいました。。。

その後、あの善良だった漁民がどんどん壊れていくのですが、なるほどあれほどのことの後だったら、と感覚が狂うのにもちゃんと説得力があるといった印象です。

 

密航者との緊張感あるやり取りもう少し観たかった。

この映画実は途中でジャンルが変わるというか視点が少し変わります(後述します。)。

前半は、密航の素人たちがバレないように密航するという密航サバイバルです。

これがまぁ手に汗握るスリリングな展開を予想させるもので、期待していたのですが、あることをきっかけに思いの外、そのパートは早く終わってしまったのです。(それはそれで衝撃と言えるのですが。。。)

とくに注目していたのは密航者と主人公たち船員の関係ですが。はじめは船員たちがわりと密航者に対して「おもてなし」をしていました。でも、密航者の一人が船乗りが振る舞ったカップラーメンを「これは便所だ!(空の容器が後で便所になるの意)」といって投げ捨て、一方で「はじめて」密航する船員たちは「何のこと?」といった反応があるシーンがあり、今後の不穏な展開を予感させます。

 また、他の船が近づいた時、船の魚そうに密航者を隠すというシーンを経ると、密航者の方は反抗心を露わにするし、船員たちは支配を強めようとする。その支配-被支配の関係が緊張感があって良かったのです。

 船員たちを狂気につなげていくには、密航サバイバルを終わらせる必要があったのかもしれないですが、正直この密航サバイバル部分が終わるのが少し惜しい気がしました。(終わり方が凄いだけに。)

 

船全体の危機⇨ドンシクさんの危機

この映画特徴の一つとして密航サバイバルが途中で終わるというのは、上でも述べました。ではその後何が起こるのでしょう。それは船乗り同士の狂気に満ちたサバイバルです。

このパートがちょっと個人的には食いつきづらかった部分があるのです。

いや、中盤のあの事件をきっかけとして、船員が狂気に向かう。というのはストーリーとしてはアリだと思います。ワノおじさんとか、船を守る一心の船長。どちらも極端で異常です。ですが、あの性欲野郎(ギャングだったかな)だけはどうしてもノイズとなってしまうというか。あの事件が無くてもアイツはああする可能性があったわけで、そうなると「殺人」まで起こすレベルで性欲ってどういうことよ!?っていちいちツッコミたくなる。いやむしろコメディ級に性欲が強かったよ、って話までしてしまいそうになります。

その原因として考えられる最大の要因は、やっぱりサバイバルのジャンル変更だったと考えています。密航サバイバルのチャレンジャーはある意味船乗り全員でした。劇中でも出てきましたが、全員が運命共同体としてサバイバルに取り組んでいました。なのでそれまでは観客としては、船長に感情移入している人が多かったのではないでしょうか?

一方で後半の船員同士のサバイバルになってからは「ドンシクがホンメを守る」というのが、主軸テーマとなっております。なので今まで船長目線だったのが、急にドンシク目線になります。感情移入のやり場が、密航ミッションを期待していた身としてはスムーズできなかったのは正直なところです、その上、ホンメ守りミッションとなってしまったがために、ホンメを生かす殺すの前にヤるヤらないが挿入されているのですが、それがどうしても私にはノイズになりました。

 

うん、でも項目の中では述べることができませんでしたが、役者陣の演技については本当に迫力あってよかったし、説得力があったし、本当によかった。

鑑賞中ずっと圧倒されつづけられるのは間違いない一作だと思います。