三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

《農政ウォッチ》TPP交渉のゆくえ

先日こんな記事を見ました。

www.agrinews.co.jp

 

 国民向けの初めての説明会かぁ。ふむふむなるほど。

 政府HPに行ってみると、業界向けの説明会自体はすでに何回か行っている模様。

で、肝心の一般向け説明会の資料をみてみると・・・・。

 

内閣官房 TPP政府対策本部のホームページ

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/dantai.html#setsumeikai-13

 

 確かに先の日本農業新聞の記事にあるように具体的説明に欠ける、というかほとんど無いような状態といえます。いや、内容は書いてあるのかもしれないですけど、到底素人目で理解できる内容では無いような気がします。本当に一般国民向けの資料なのか、理解に苦しむ内容なのです。

 

 一番違和感があったのは主に農産物の関税撤廃の議論で特定5品目の例外をどうするか?という議論が全くでていないことです。

 直近の日経でもこんな風↓に交渉情報が報じられているし、普段のメディアをみる限りではTPP交渉を語るうえで一番の関心事であるような気もするのですが。。。

 

 

www.nikkei.com

 

 

これでは、政府は説明会と言いながら説明する気が無い、と捉えられても仕方が無いとも思います。

 

 しかしながら、一方で報道のあり方自体にも疑問符の部分はあります。

 政府資料をよくみてみると、これはよく報じられていることでもありますが、関税撤廃の議論はTPP交渉の一分野に過ぎない、ということです。

具体的に記すと、、、

物品市場アクセス、知的財産、原産地規則、税関当局及び貿易円滑化、SPS(衛生植物検疫)、TBT(貿易の技術的障害)、越境サービス、電子取引、金融サービス、投資、環境、労働、制度的事項、商用関係の移動etc

20以上の分野に及びます。

関税撤廃というのはこのうち、物品市場アクセスにあたります。

 

 ところが、先にも書いたように、TPPに関する報道は、かなり農業サイドよりに偏っております。団体の声の大きさやTPPが締結されたときのインパクトの大きさなど要因はあるのでしょうが、現状ではTPPで締結の判断基準が十分に国民に知らされていないような気がします。

 

 実際に政府は各業界団体から交渉に関する何回かの時期に分けて意見を受け付けているのですが、その意見を見ているとかなり多様な分野での意見が寄せられています。

はじめての意見聴取の際は約170ほどの項目について意見が寄せられていますが、そのうち物品市場アクセスに関するものは約2割程度です。

 意見ごとに業界団体にとっての重要度は違うにしても、多様な意見が寄せられていることには変わりはありません。意見を寄せている業界団体自体もさまざまな業界があり、農業団体と同じように、その業界団体にとっては死活問題というものもあるでしょう。

 ひとつのとっつきやすい話題に焦点を絞るのでなく、多様な議論について、TPPが真に私たちの生活にどう影響するのか。ひとつひとつすくいあげるような丁寧な報道が求められている気がします。