日本の食糧自給率は39%(カロリーベース)。
もはやこの業界の人でなくてもこの数字は知っている人も多いのではないでしょうか?そして、自給率をもとに「日本の食が危ない」というようなことが一般的には言われております。
このように食糧自給率ついてはよく話題にあがりますが、当然ながら生活の基盤となっているのは食だけではありません。衣食住という言葉に代表されるように、生活の柱として言われるものは「食」以外にも衣料や住居があります。 それでは、これらの衣食住の「衣」と「住」の自給率はどうなっているのでしょうか?
インターネットで検索してみると衣料自給率はなんと5%以下。
要因としては化学繊維は石油から作られるので、ほとんど産油国からの輸入。絹ですらほとんど輸入にたよっているようです。 住居の自給率は何で換算したら良いかわかりませんが、住宅資材の自給率とみれば木材自給率は30%弱、マンションなどの鉄筋コンクリートも日本には資源が無いのでほぼ輸入に頼っていると考えていいでしょう。 こう見てくると、日本は食料だけでなく、着るものも寝るところも自給できていないことになります。 にもかかわらず、食糧自給率だけが問題となっているのは何でだろうか? (食料自給率を問題とする必要はない、という人も多いかと思いますが、ここでは国が自給率をアップを目指すと言っているのですし、そうします。)
なぜ食糧自給率だけが問題になるのか。個人的に考えたのは、 食糧以外は・・・
1.長期保存可
2.代替物の開発が進んでいる。
3.生産性高い。
からではないでしょうか?
1.食糧以外は長期保存可能
食料は保存がききません。 野菜はもってのほか。米だって古くなってくると、その昔世間を賑わした事故米状態になります。 その点、衣料は結構長持ちしますし、古着などリユースがしやすいです。
住居も50年程度はもちますし、なにしろ少子高齢化で住宅需要が減っている状況とあいまって、住宅の供給というものに緊迫感はありません。
2.食糧以外は代替物の開発が進んでいる。
これは衣料なら化学繊維、建築資材やったら鉄筋鉄骨があるわけです。代替品ができると供給源が多様になり、 3の[生産性が高い]にも通じますが、素材さえあれば大量生産しやすくなったりするわけです。
3.食糧以外は生産性が高い。
食糧の生産というのはどうしても、土地や季節に制限されてしまいます。 一方で代替物が開発されている住居などは、工場生産可能ですから、労働生産性が比較にならないわけです。
以上見てきたとおり、「食」というのは、生命の基礎である分、制約も大きいのかな。と思いました。 でも、裏を返すと今後技術の革新で上記の1-3がクリアできたら、、、、、食糧自給率の問題は一気に解決できる。 かもしれない。