美味しんぼ 第四巻のレポートです。
四巻も基本的には大きな展開はありません。
海原雄山の登場も一巻に1話くらいのペースに落ち着いてきた感があります。
四巻は読み応えのあるエピソードが多かったように思います。
単なる料理うんちくを語るための対決構造を作るのが基本でしたが、もう少し深みのあるテーマも描かれています。
たとえば、寿司屋における女性板前の話。
女性の社会進出という、社会問題を扱っています。それを社会問題然とした、オチがついているのもすごく感心しました。
縁日の裏側の話や極度の偏食家庭の話なども興味深かったです。
食文化というのは、あらゆる切り口があり、また時代性もあることが、美味しんぼが長寿漫画として続いている秘訣かもしれません。
各話の感想です。
直火の威力
中華料理のあの轟々と燃えあがる火には意味があった。チャーハンでいうと、直火の力で余分な脂が飛んでパラっとした粒になる。
女の華
男女の話、単に男尊女卑批判ではない、男女の違いを認識して、勝ち負けでないところに落とし所がある良エピソード。
社員旅行
高級魚よりも、地元で旬の食材の方が実は贅沢だったりする。
酒の効用
本来ワインに劣らないはずの日本酒。
米を使わずに化学調味料で、調理する技術の発達で三倍醸造なるものが出来てしまった。
日本酒ブームの今だからこそ読みたい。
食卓の広がり
極度の偏食家庭の話。
うどんの腰
ヤクザに占領されたうどん店の復興。
板前の条件
海原雄山の話。タバコを吸う人間は味覚、嗅覚が衰えるだけならず、食品に臭いが移ってしまいます。
対立しつつも、お互いの凄さを認め合う関係性が良いと思わせる。
茶の味わい
玉露に関するうんちくがいっぱい。
そもそとお茶を淹れて飲む文化自体が失われているよなぁ。
縁日の賑わい