前回は、国連サミットで採択された持続可能な開発目標における農業の位置づけ についてみてきました。
SDGsは、先進国と開発途上国が共に取り組むべき国際社会全体の 普遍的な目標として採択されており,実は日本においても,それを受けて SDGs達成に向けた実施方針を策定しており、8つの優先課題をたてています。
ここでも農業に関係ある課題についてみてみたいと思います。
詳細はこちらを参考にください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000241486.pdf
成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
この項目では、農山漁村の振興が記載されています。
具体的には,農林水産業の成長産業化として,
一方で農山漁村の振興として,世界農業遺産の認定推進や農山村の自然環境維 持に関わる活動への支援など小規模家族経営農家への支援ともとれる記載もありますが、同時に担い手への農地集積・集約化、法人化の推進も掲げられているので,シンプルに言うと,玉虫色の戦略だといえます。
いずれも,以前から農水省において推進している事業でSDGs達成のため に改めて据え付けられているわけでもなさそうです。しかしながら,成長市場の 創出、地域活性化、科学技術イノベーションの項目の中では農林水産業の振興に 関わる記載はかなり多く,農業を重視しているのはみてとれます。
ただし、これが持続 可能な開発につながるのかというと疑問が残ります。
途上国の食料システム強化としての施策も国外向けの施策として位置 づけられているようなので,こういったところで日本が直接的に開発途上国への 支援を行う部分もあるものの,国連本体のように「小規模農業者への投資」が明 確に位置づけられたものは無さそうです。
社会全体として、まだまだSDGsを意識した取組は増えそう
より、具体的なところでは東京五輪においても、SDGsを前提とした大会運営が目指されています。食材の調達基準として、環境や生態系に配慮した生産活動で作られた農産物があるようです。社会全体として、まだまだSDGsを意識した取組は増えそうです。
「SDGs五輪」めざす東京、食材・木材に調達基準:朝日新聞デジタル
日本の立場としてもう少し明確な方向性で以って示して欲しいところだとは感 じました。
SDGsの推進自体は,よしもと芸人の協力なども得て,力を入れているようで すので,今後とも注視していきたいと思います。