三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ フロム京都

三児 レイ アスカ シンジを育てながら、スキマ時間でカルチャー情報を発信。働き方改革時代の心豊かな生活をお届けします。

高畑勲監督追悼 大人になってからみると10倍面白い火垂るの墓

 

火垂るの墓見ました。

子供の頃に見て、重いテーマでもあり、それ以降はなんとなく敬遠していた作品でした。

”戦争が生んだ悲劇の物語”という以上に意味を感じず、むしろドヨーンとテンションが低くなるだけの映画、という認識が一度見たときにコビりついてしまったのかなと思います。

 

しかしながら、大人になってから面白さを再認識!

改めて見ると、かなり傑作と言われていることはだいぶ納得です。

大人の冷静な視点から観ると、ものすごく残酷なリアルに打ちのめされてなんとも言えない気持ちになります。ストーリーは単純だけど、単なるお涙頂戴とは違って深く考えさせられる作品だと思います。

 

特に子どもの頃と感想が変わった部分は、意地悪な大人についてです。

超イヤミな親戚のおばちゃん。食べ物恵んでくれない農家のおっさん。諦めモードで事務的な医者。

いずれも子どもの頃に見たときには、その意地の悪さに腹わたが煮えくり返っていました。こんなに可愛い子ども達が飢えで苦しんでいるというのに、冷酷で残酷な大人たち。

 

でも大人になって改めてみると、どの大人にも「言い分」とそう言わざるを得ない「状況」があることに気がつきます。そしてそれは結構スジが通っている話なのです。

 

親戚のおばちゃんの言ってる意図を理解して、つつましく生きていれば。

農家のおっちゃんのいうとおり親戚のおばちゃんのところに戻っていれば。

 

むしろ、大人の事情に付き合った方が、清太たちにとっては生きる道だったのです。

ところが彼らはそれらをせず、自由を手に入れました。

自由というのはその時の「清太」にとっては楽園でした。制約だらけのこの社会、ましてや戦時中、自由を手にいれることの代償も大きいのです。

「自由」のシーンは本当に楽しそうだったなぁ。だからこそ節子の死は悲しいのですが。

 

とにかく主人公の選択が最良なわけでなく。それがまたリアルで残酷という話なのです。そんなふうに、いろいろと考えてしまうことにこの映画の深みがあるわけですね。

 

というわけで今回は火垂るの墓の全体的な感想をお届けしました。

なかなか語ることの多いこの作品。

次回は火垂るの墓にみる戦時中の食と農について語っていきたいと思います。

 

 

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