三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

カメラを止めるな!は噂に違わぬ大傑作。面白すぎて泣けてくる!上映を止めるな!もう一回行きたい。

 

今回感想をお届けするのは、映画界隈で大変好評の「カメラを止めるな!」です。

実際に見てみれば納得。というかしのごの言わずにとりあえず見てくれ!と周囲の人に声をかけたくなるような大傑作でした。

結論から言うと、映画館で面白すぎて涙を流すことになるなんて。文句なしの今年ベストだと感じました。

 

お話がどう転ぶかわからないサスペンスな感覚。伏線と笑いのセンス。泣ける親子愛。そのすべてがこれ以上ないくらいに巧くお話が構成されています。

そして何より映画づくりへの愛に満ち溢れていて、中高生くらいの時に観てたら、その道に進みたいと思ってたこと必至です。

 

皆さん口を揃えて言うように、出来る限り事前の情報を入れない方が絶対楽しめます。

感想記事なのでここではネタバレ全開でお送りします。

 

 

不安定だけど緊張感あふれるワンカットのゾンビ映画

まず、序盤のワンカットのゾンビ映画シーン。

出来自体はB級感に溢れていながら、それ自体の出来はともかく、現実と仕込みの境界がどこなのか、といった疑問が常に頭を駆け巡るような感覚になるので、最後まで緊張感を持って観ることが出来ました。

普通の映画なら完全におかしな演出も、全体的なサスペンス感とテンポ、ワンカットという特殊な撮影方法も相まって、見れてしまうというところが面白いと感じました。

カメラ目線や、音声さん役の挙動不審、血糊を拭くカメラなど、映画として明らかに失敗の部分のみならず、ぎこちない会話やおかしなゾンビの動きその全てが伏線であったことに後から気づかされ、打ちのめされるわけです。

 

そして、ワンカットのゾンビ映画が終わり一旦エンドロール。ここで劇中劇であったことが明かされます。ここでようやく話の本筋が始まるといっても過言ありません。ワンカット部分のカメラの取り方やお話運びが不安定だったこともあり、この現実パートが始まった時の安心感はなんだか不思議に感じました。緊張感が解放されたと言うか。

 

ネタバラシの後のワクワク感

そして、現実パートになりはじめて、役者さん達の演技に魅了されはじめます。

ほんとプロデューサーとかどこから見つけてきたんだろ。

しがない再現ビデオの監督に甘んじる主人公やその娘、まさにドラマが始まった。

この第2幕が始まってからは、そのすべてがワクワクの要素でしかありません。ネタばらしがあって、それがどのようにラストにつながって行くのか。

 

 

笑えて泣ける感動のフィナーレ

そして第三幕。実際のゾンビ映画の裏側が描かれます。

繰り返しになりますが、一幕目で見せられたその演技や演出の違和感に、これでもかと種明かしを見せていきます。

感心なのは、種明かしが上手い作りで笑えるという以上に、生放送ならではのトラブルとそれに対するドタバタトラブルシューティングにドンドン胸熱な展開になっていきます。

笑いながらもこの映画にかける監督たちスタッフの想いにどうしようもなく心を揺さぶられます。最後のピラミッド撮影に至っては、これ以上にないくらいの笑いと親子の物語として感動が同時に押し寄せ、面白すぎて涙が出るというなかなかない映画体験へと昇華されます。

 

エンドロール後に更なる感動

この映画それだけではありません。

実はは最後のエンドロールにまで仕掛けがあります。この映画はじつは以下の様な多重のレイヤーを持っています。

1.番組「ワンカットオブザデッド」内の劇中劇

2.番組「ワンカットオブザデッド」

3.番組「ワンカットオブザデッド」を撮るというストーリーの映画(カメラを止めるな!本編)

4.カメラを止めるな!を撮るドキュメント(=エンドロール)

本編で感心してたら、さらにメタ映像があったのです。

 

これは心底打ちのめされると同時に、映画人たちの格好良さに痺れるのと、深い余韻が、軽快な主題歌でどこまでもハッピーな気分になれるという。

まさかの本編終了後にもう一度最高体験が待っているとは、本当に恐るべしでした。

 

監督を務めた上田慎一郎さんは、今度はVR映画を計画しているとのこと、今後も大注目です。

 

kametome.net