あのディズニーの大人気キャラクター「くまのプーさん」が実写化。しかもクリストファー・ロビンが大人になってます。
攻めた設定と思ったけど、プーさんを子供の頃楽しんだ世代のほとんどが今や大人なわけで。
マーケティングです。
てなわけで、ディズニー映画でプーさんと言いながら完全に大人に向けた作品となっています。
流石に大人になったクリストファー・ロビンをアニメで表現できないからの実写化でしょうか。
キャスト
監督 マーク・フォースター
ワールド ウォーZ
007 慰めの報酬。
全然ジャンル違いの映画ですが、今回はディズニー映画。ワールド ウォーZは積み上がるゾンビシーンが印象的で好きな映画です。
主演 ユアン マクレガー(クリストファー・ロビン)
トレイン・スポッティングやスターウォーズ プリクエルのオビワン・ケノービ役ですね。
出演 ヘイリー・アトウェル(イヴリン・ロビン)
マーベル映画「キャプテン・アメリカ」のヒロイン ペギー・カーターでした。(調べるまで気づかなかった。)
原作に倣って吹替で視聴
原作アニメを吹替で視聴していたのと、吹替のあのプーさんの声の方が自分にとっては馴染みがあるので、今回も吹替版で視聴。
そういう意味で原作と吹き替え声優が同じなのは嬉しい。
ナレーションのあの声が懐かしすぎます。
クリストファーロビンの堺雅人の声ははじめ違和感。暗い現実パート、もう少し渋めの声のがあってるかな。
プーが出てきたあたりから、あ、これはおとぎの話だったと気づき、ハイトーンボイスもありかも、と途中から慣れました。
現実社会と100エーカーの森
プーさんの実写化といっておりますが、本作の原題は「Christopher Robin」。
そうプーさんではなく、クリストファー・ロビンの物語なんですね。
クリストファー・ロビンは大人になると、プーさんたちと立場が逆転しているように見えたのが、面白かったです。
人間達からしたら可笑しな言動ばかりの100エーカーの森の動物たち。
原作では、はちゃめちゃなことを言うプーさんに対して、クリストファー・ロビンが普通にみえる。
逆に、本作では、プーさんの発言がまともに聞こえる。プーさんからしたらこの現実社会こそがおとぎの世界なのです。
プーさんたちのキャラの魅力やあの原作のナンセンスで可愛い世界観が、ロンドンの暗い厳しい現実との対比でとても身につまされる。
クリストファー・ロビンが100エーカーの森に迷い込んだ時の雰囲気、あの原作世界のテンションになった時にはホッとした気持ちになりました。これこれ、これがプーさんですよ、と。
仕事って何?
何でそんなに大切なの?
身内から言われると腹が立つような言葉も、
プーさんに言われると、諭されてる感がハンパない。
グサグサと痛いと部分を、無意識に刺してくるプーさんは、救いであり、悪魔的でもある。まさに劇薬。
「何もしない」が出来なくなった大人が「何もしない」ことの大切さを思い出す。強烈なノスタルジー映画でした。
プーさんとの別れが見たかった
物語はちょっとご都合主義的にも思えます。ディズニー映画だし、しょうがない気もしますが。
でも原作でもクリストファー・ロビンとプーさんの別れを描いたんだから、本作でも別れを描いて欲しかったなぁ。今回プーさんはクリストファーにとってのドラえもんなのだから、役目を終えたら戻るというところまで描いた方が、物語としては締まります。
それでも起承転結がうまくまとまった良作でした。原作プーさんは見なくても良いけど、見た方が楽しめるかな。やっぱりプーさんに思い入れがあればあるほど楽しめると思います。