三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

悪の教典

 
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さわやかで清潔感のあるあの伊藤英明が、高校生を殺しまくるサイコパスを演じたことで話題となった本作。私もはじめて予告を観た時はかなり興奮したのを覚えています。

 しかし実際には、結論からいうと予告以上の衝撃は無かったかな、というのが印象です。予告編では短く切り取られている分、ハスミンの普段は超イイ先生!っぷりとサイコパスっぷりのギャップが端的に現れていて、なるほど確かに伊藤英明氏のさわやかイメージを活かした見事な演出だ!と思いました。一方、本編ではわりとはじめから、ハスミンの裏の怪しさが描かれすぎていて、すこしギャップに物足りなさを感じました。もう少し、生徒たちに「あのハスミンがそんなことするわけねーよ」って思わせるくらいの絶対的なイイ先生モードのハスミンをもっと前半は丁寧に見せてもよかったのかな。

 

 とはいえ、伊藤英明の配役としてはやっぱり最高でしたね。サイコパスというともう少し大げさな演技も予想されますが、いたって冷静で淡々と生徒を殺すさまはなかなか良いバランスだったと思います。トューダイ?にもウケましたし。

ただそれは、伊藤英明の演技力だけでなくストーリー上の要請でそうなっている部分も大きいかと思います。この映画においてハスミンは単なる快楽殺人者とは描かれていません(セリフでも出てきますが)。自分に都合の悪い人間だけを殺そうとする、ある意味では弱い人間です。明確な目的があって殺すので、精神病質者だからといって特段に大げさで殺す必要はなかったということなのです。

 

それにしても、あの避難経路のくだりとかは分かりやすかったし、あっけなかったです。最後も少しとってつけた感があってあまりよろしくないですし、配役と演技が良かっただけに少し惜しい映画なのかな、と思いました。