三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

マイファームの目指すところ

         

  自分で作った野菜を売る,というマイファームの新サービスについて、前回は法律との兼ね合いについて記述しましたが,今回はこのサービスにみるマイファームの目指すところについて考察したいと思います。

 

 今回のサービスにおいて,マイファームが,趣味レベルの家庭菜園のおじちゃん・おばちゃんを増やそうとしているのか?業として参入する新規就農者を増やそうとしているのか?明確でない部分があります。加えて同社が掲げる耕作放棄地の再生を目指すアプローチとして正しいのか,すこしあいまいな部分もあります。

 目指す部分にあいまいさがあると,同社が主張する以上にドライなビジネスを展開しているようにも見えます。

 

 はじめに,販路確保したうえでの農地の貸出し,という見出しをみて,なるほど確かに多くの新規就農者がはじめに超えるべきハードルとして販売先の確保というのがあります。これは新規就農者支援として良いサービスだと思いました。

 しかしながら,サービス内容がかかれているHPを拝見すると,週末農家とか,農家体験サービスなど業としての新規就農支援ではなく,むしろ趣味的に園芸をしている人たちに向けた新しいサービスという印象を受けます。こうなるとマイファームの目指すところは,自産自消というキーワードにもあるように,仕事や生活を別に持ちながら農業も行うという半農半Xの精神に近いものがあると感じました。

 

 趣味的な家庭菜園と業としての就農。その中間を埋めるサービスが今回のこのサービスです。この発想自体は今までだれにも思いつかなかった斬新なサービスであるといえます。

 ただし,気になるのは,このサービスの向こうに目指すものが何なのか?このサービスを通じて何を達成するのか?です。

 

 HP上で,マイファームが目指すところは次のように記載されています。

 

 マイファームでは農業人口と耕作放棄地の割合をピラミッドで表しています。 農業人口は「趣味」・「週末」・「就農」の順に減少し、耕作放棄地は「地方」・「里山」・「都市」の順に数が減少しています。 マイファームではこの割合の反比例を解消するため3つのステージに分けています。

 

 最終的には自産自消をつうじて耕作放棄地の解消を目指すとあります。

農業人口と耕作放棄地の割合の反比例の解消というのは分からいでもないですが,そこを都市部からステップアップで解決するという記述に違和感を覚えます。都市部で農業を体験してもらうことと,地方の耕作放棄地を解消することとは大きくアプローチが違うと思うのです。

 

 目指す部分で納得感が得られないと,このサービスがなんらかの社会的解決に向かうとはいいがたく思ってしまうのです。ひいては冒頭に述べたようなドライなビジネスに感じてしまうわけです。

 

 地方の耕作放棄地とか関係なく,もう少しシンプルに「自産自消」を目指すで良いのでは?と思ってしまいます。

 

 やいのやいのうるさい感じになっていますが,訴えたいのは耕作放棄地の解消というのは複雑な問題で,趣味レベルの農家人口の増加だけではなかなか難しいということです。同社が今後にどのような事業展開を狙っているかは不明ですが,耕作放棄地=農家人口の問題と単純化するのが危険だと思い,このような記事を書いたわけです。