三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

新規就農シリーズ 誤解される就農のイメージ

牧歌的

新規就農シリーズ第4弾ですが、今回は農地以外の新規就農するところに焦点を当てつつ、新規就農ってなんとなくハードルが低いイメージでみられることの誤解について語りたいと思います。

 

まずは農業するうえで、ハードルとなる部分が前回挙げた農地以外に何があるか、ということなのですが、それは最低限のインフラ設備です。具体的には、住居、農業機械、出荷・作業小屋などです。ある意味農地と同じ特性であるといえるでしょう。

 

住居は、新規就農者にとってもしかしたら一番ハードルが高いかもしれません。住居探し自体には当然そこまでの苦労はされないかと思いますが、実家近くで就農しない限りはその家賃など維持管理コストがかなり高くつきます。特に都市近郊での就農を希望する方も多く、死活問題といえるでしょう。次は、出荷・作業小屋です。これは逆に、既存の物を探すことは大変かもしれません。とはいえ、これがないと、夏は炎天下・冬は寒空の下で作業になり、地獄をみることになります。居住空間で作業するとなれば、その分の家賃代が高くつくことになります。

 

で、実はここのあたりに書いてきたことは、考えようによってはそんなことわざわざ言われなくとも当たり前じゃん!と思われる方も多いと思います。そう、一般に起業するというような場合何が必要になるか計画をたてて取り組むのが普通です。ところが新規就農となった場合には、なぜかクワ一本と農地があれば就農できる、という牧歌的な考えの方が後をたたないという現状があります。

それは一般的にもたれている農業のどこか牧歌的なイメージに原因があるのだと思います。牧歌的なイメージの裏には、農業で生計で立てていない人たちの存在が大きいと思っています。かれらはいわゆる兼業農家で、農業だけでは生計を立てておらず、でも季節に応じた農業をして、それはもうなんていうか古くから伝わる伝統文化としての農業の側面があったりするわけです。そうなると儲かっているか儲かっていないかに関わらず、メディアなどを通じて牧歌的なイメージが伝わっていくのだと思います。

もう一つ牧歌的イメージの原因のひとつは誰にでも家庭菜園レベルで野菜を育てた経験があるということです。小学校でも芋ほりやプランターでトマトを栽培する経験はだれにでもあります。本当は業として行っている農業に必要な栽培レベルと家庭菜園では全く違います。初心者だけでなく長年続けている家庭菜園のプロであっても、業としての農業とは求められるスキルが違います。そこが区別できていないと、私にもできるのではないかという誤解を招くことになると思うのです。

 

農業は起業なのです。ベンチャー企業だって起こっては廃れていくを繰り返しています。新規就農は基本的には新規参入です。車業界に新規参入しようと思ったら素人だって、大変だと分かるでしょう。農業もそれと同じなのです。

一方で、農業が車産業と違うのはは産業として農業はまだ未熟だということです。そこに新規就農としてのチャンスがあるのではないでしょうか。