食漫画の代表格「美味しんぼ」
食がテーマの漫画と聞いて、「美味しんぼ」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。
アマゾンでも、「食」ブームを巻き起こした大人気作!!と紹介されています。
かなりの御長寿漫画でもありまして、現在発行巻数111巻にも及びます。
そんな食漫画の代表とも言える「美味しんぼ」ですが、実は今まで読んだこともなかったので、読み始めることにしました。
早速、1巻を読んでみての感想ですが、美味しんぼは、単なるグルメうんちくとは違った物語を引き付ける要素に満ちた、なるほど傑作と称される漫画だと感じました。
しかしながら、100巻超えてくると何か途方もないものを感じますね。
100巻を超える漫画って最近はちょこちょこあるようですね。ONE PIECEもいずれ辿り着くでしょうし。
こち亀が100巻なったときは、お祭り騒ぎだったのを覚えています。
一巻のあらすじは、
東西新聞文化部記者の主人公山岡と新入社員の栗田さんらが、その鋭敏な味覚を買われ、社長肝いりの「究極のメニュー」プロジェクトに指名されます。しかしながら、「究極のメニュー」づくりにあまり関わりたがらない山岡、何か訳がありそうです。
さて、まず早速一巻を読んだ感想ですが、なるほど確かに100巻続く漫画だけあって、面白かったです。最序盤ということもあり、読者を引き込む展開が多かったという印象です。
1巻を読んで物語を引き付ける三つの要素について感想を述べます。
① 「対決」「問題解決」を中心とした話の構成
毎回の食に関する雑学はためになりますが、そのうんちくの語られ方が、特定の人物や設定での「対決」、「問題解決」の中で描かれているので、分かりやすく、読みやすいです。対決というのが実に漫画らしく、漫画でしか出来ない設定であると言えます。
例えば、寿司職人の話では、寿司職人同士で食べ比べし、そして最後には「CTスキャン」で寿司の「握られ具合」を比べます。
漫画として「どちらが優っているか」は物語に引き付ける需要な要素なので、ただただ雑学を述べられるよりも興味が持続されます。
② 権威に対する痛快な批評性
①では対決を中心に構成されているとお伝えしましたが、その対決な相手はグルメ家であったり、デパートのプロデューサーであったり、料理人であったりその道のプロと呼ばれる人たちです。ネームブランドだけで、偉そうにしているその道のプロに対して、
歯に衣着せぬ物言いで、懲らしめていきます。
例えば第2話で語られるフォアグラの話。フォアグラというだけで賛美している批評家に対して、全く逆のアプローチで生産されているアンコウの肝で対抗して、グウの言葉も出ないという爽快感のある話です。
こうした権威に対して、ネームバリューに踊らされることなく食に対する豊富な知識と技術で対抗していく様が庶民視線かたいくかなり痛快です。
③ 1話完結だが全体を通して山場が設けられている。
基本的にこの漫画は1話完結で語られますが、物語全体を通したストーリーもあって、続きが気になる作りになっています。まず、「究極のメニュー」を作るというストーリー上の大目標が設定されています。そのことで、1話完結であっても、目標がぶれることなく話が続けられています。
さらには、山岡の生い立ちと海原雄山の存在です。
克服すべき親の存在の登場で一気にキャラクター性の深堀りと物語の展開が広がったと思います。
特に山岡の出自が明らかになるまでは、小出しに思わせぶりなセリフを偲ばせてあったので、より物語に引き付けるのに効果的でした。
以上、美味しんぼ1巻で感じた魅力をお伝えしました。
これらの要素はある意味、長く続く漫画に必要な要素かもしれません。
1巻はまだまだネタ振りの段階と思うので今後も注目していきたいと思います。