ささくれだって、ほうっておけば破傷風になることだってある。
深夜食堂第9話の名言だと思います。
子供の頃に起こった出来事や自分がしてしまった行為やふるまいが、魚の小骨のように心の中に引っかかって、折に触れて思い出してしまう。
誰にだってあることだと思います。
今回の主人公、弁護士の中塚さんだってそうです。
再婚した父の連れ子であった弟との苦い思い出。何十年以上も前の話。周りの人からすれば、そんなに気にすることはないよ、なんていってすまされるようなことでも、中塚さんの心には残り続ける後悔の念。
でもおそらくそれが分かっていたのでしょう、めしやのマスターは冒頭の言葉、
ささくれだって、ほうっておけば破傷風になることだってある。とだけ伝えます。
過去に向き合うことをそれとなく促したのです。
弟と再会し、オセロを指すシーンでは、ノスタルジーとは違った胸熱を感じます。
エピローグがやや出来過ぎな感もありますが、過去と向き合った後の晴れ晴れとした心持ちは羨ましさすら感じさせるほどです。
私もたまには過去と向き合い、前を向こう。