三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

《ムービーウォッチメン予習》ブラックパンサー 映像デザインとお話設定で新時代ヒーローものの幕開け

毎週TBSラジオ ウィークエンドシャッフルのムービーウォッチメンのコーナーで宇多丸さんの時評を聴く前に、予習で映画を鑑賞。その感想レポートをお届けしています。

 

今回は、マーベル映画の最新作「ブラックパンサー」です。

本作は世界中で大ヒットを飛ばしており、社会現象にもなっています。

監督はマイケル・クーグラーで、物語の舞台となるワカンダ王国の国王にしてブラックパンサーである主人公ティ•チャラをチャドウィック・ボーズマンが主演。

 

ワカンダ王国は、アフリカの小国で貴重な地下資源ヴィヴラニウムを有し、独自の発展を遂げた国という設定です。五つの部族からなるワカンダ王国で、王が死に、主人公であるティチャラがその後を継ぐのですが、その王位継承や部族間の対立などの国王の葛藤が描かれます。

 

お話設定と映像デザインが魅力の一作

あらすじだけ聞くと、社会派ドラマのような印象を受けるかもしれません。

しかし、これはマーベル映画ですのでアクションシーンも多い、というと変な説明するになるかもしれません。むしろお話の設定とそれを具体化する映像デザイン、アクションシーン、音楽にこそ本作の魅力があると言っても過言ではありません。

 

アクション、スパイもの、合戦ものなどアクションシーンひとつとっても様ざまなパターンがありますし、人間ドラマも重厚です。

これらの複雑な要素が色々盛り込んである力作だと感じました。 

 アフリカと、SF、ヒーロー、ドラマ、音楽、デザイン、アクション、その融合が、とても新鮮な観心地なのです。

 

まず、設定が面白かったと思います。

アフリカといえば、途上国のイメージがありますが、この設定では資源ヴィヴラニウムにより、独自の発展を遂げた仮想の国が舞台となっています。

 

面白いと思ったのは、仮想の国はその技術を自分たちだけの秘密としており、鎖国して独立国家を築いているのです。

ですから、先進国からすれば、他のアフリカの国々と同じく途上国という扱いになっています。

 

現代とワカンダ国との文明のギャップが、クールな映像を生み出す

例えば、冒頭のシーン。国王が自身の弟を訪れるシーンでは、衛兵とブラックパンサーの存在、そしてブラックパンサーが乗る偵察機のような飛行隊。その全てが謎に満ちていて、観るものを引きつけます。

さらに、鳥肌ものだったのが、韓国・釜山でのカーチェイスシーン。

車の遠隔操作への入り方や、チェイス時の音楽がクールでしたし、親衛隊オコエの槍を使った立ち振る舞いが、釜山の街中で際立っていてカッコよかったです。

オコエの振る舞いは基本的にカッコ良いですが、ワカンダ国内でのアクションシーンよりも国外でのシーンの方がスリリングだと感じました。

現代におけるアフリカの秘められた先端技術と言うのが、現代の都市風景の中で良い意味で絶妙な異質感を生み出しているのです。

 

本作では脇を固めるキャラが魅力的だったとも思います。

オコエはもちろん、一押しはやはり妹役のシュリ。発明家で快活な性格が、観ていて心地よかったです。終盤の戦闘シーンもカッコよかったです。主人公自体が割と地味目なので、余計と際立ったのかもしれません。

あのアメリカのCIA役も傍観者の役周りとして地味にいい味出していました。

 

一方で、中盤から終盤にかけては、少し退屈

肝心のブラックパンサーとキルモンガーの一体一の対決が、少し間延びしがちでしたし、後半に向けてお話運び全体もやや感傷的でテンポが落ちたかなという印象です。

終盤の盛り上がりがもう少し爆発的だったらとか想像してしまいます。

キルモンガーという最大の敵役が登場するまで、特にキルモンガーと冒頭のシーンが繋がったときは、それこそ鳥肌だっただけに残念な部分です。

 

 

とはいえ、話題作であり、映像作りとお話設定という点で、新時代ヒーローものとして見応え十分な作品だと感じました。

ついにワカンダの技術が世界に向けて明らかになった後の世界が非常に気になるところなので、続編に多いに期待したいです。

 

 

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