三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

《映画にみる食と農》オデッセイ

救荒作物。

 飢饉災害戦争に備えて備蓄、利用される代用食物のことです。

代表例としては、ジャガイモなどが挙げられます。ヨーロッパなどの飢饉を救ってきた実績があります。

 

しかしながら、飽食の時代と言われているこの現代において、救荒作物にお世話になる可能性はどこまであるのでしょうか?(もちろんジャガイモは今でも食べてると思いますが、ここではあくまで救荒作物としての作物です。)

 

世界大戦が起こって日本が鎖国状態になったら?あり得るかもしれません。

 

いやでももしかしたらこんなところでお世話になるかもしれません。

「もし火星に一人残されたら?」

 

今回紹介するのは、映画「オデッセイ」

巨匠リドリースコット監督、マットデイモン主演

個人的には、ゼロ・グラヴィティ、インターステラーに続くSF超大作3部作って認識です。

 

宇宙飛行士の火星でのサバイバルムービー。

火星の調査に滞在していた主人公たちチームは、突然の嵐により撤退を余儀なくされますが、マットデイモンのみ嵐に巻き込まれ、そのまま火星に取り残されてしまいます。

 

ここまで聞くと非常に絶望的な展開ですが、その後主人公はめげることなく、わずかな希望を頼りに知恵と科学で様々な障害を乗り越えていきます。

その姿に勇気づけられます。また、地球にいて、彼を救おうと最高に頭の良い奴らが知恵をひねる姿は感動的であります。

 

ゼロ・グラヴィティに比べて、宇宙コワイ!表現だけでなく、それでも前向きに課題を解決するという姿勢に胸を打たれる良作だったと思います。

 

火星でなら食料はジャガイモ

さて、この映画における農業表現ですが、まず主人公が火星にとりのこされて一番の問題はやはり食料です。調査のための滞在ですから、他のチーム員の分も含めてある程度は過ごすことができますが、地球からの助けを期待するには少なすぎるという状況になります。

 

そこで、感謝祭用のジャガイモを発見します。

幸いに主人公は植物学者でした。

ここでの「見ておけよ!火星」というセリフがとても印象的でこの映画の象徴とするところでしょう。何事も前向きで、時にユーモアさえ交える。

 

ところでなぜジャガイモが選ばれるのでしょうか。

それは簡単に栽培できる。収穫期間が短い。大変栄養価が高いなどが挙げられます。

保存も効きますし、救荒作物としてはこれほど優れた作物もないと言えるかもしれません。

 

とはいえ、ジャガイモは火星で育てることができるのでしょうか?

基本的には植物はCO2、日光、水それと肥料があれば育つと言えます。

逆に火星でその環境を作れば、育てることも可能ということですね。CO2については、もともと火星は二酸化炭素豊富で、日光も十分ですし、水は映画の中で装置を作ることで解決していました。

 

肥料についてはなんと、人糞を利用していました。

今でこそ、え!?って思うけど、江戸時代とかはこの人糞こそが肥料として、周辺の農業に活かされ、循環型の農業を形づくっていたと思うと、理にかなっていると言えます。

というわけで、意外にあっさりとジャガイモ栽培に成功するわけです。

 

実際に進む火星環境下での研究

これは映画の中での話ですが、実際にNASAが火星環境下でのジャガイモ栽培について研究しているというニュースが調べるとたくさん出てきます。

ちなみに国際宇宙ステーションでは、レタスなどの栽培も行われています。

 

もはや映画の中だけでの話ではなくなっているのですね。