美味しんぼ16巻の感想レポートです。
今回は至高のメニューと究極のメニューの対決第2弾など、全体的に見所の多い巻となっています。
いつものうんちくだけでなく、洋食とフレンチの比較や海原雄山との対決から見える食や料理の本質がとても良く表現されていたと思います。
材料自慢、技自慢の結果、真にもてなすことが出来なかった海原雄山自身の失敗の経験が山岡への叱責に繋がっている。鯛料理対決の最後、京極さんが山岡に諭すように語るセリフは、しんみりとした読後感をもたらす稀有なエピソードのように感じました。
50年目の味覚
現在のウインナー批判にとどまらず、実際に本物のウインナーづくりに取り組むところが面白い。
洋食屋の苦悩
庶民的な洋食と高級料理店のフランス料理。どちらが上というわけでもなく、人が楽しむために美味しく調理するという点でお互いに尊重し合うことの重要性。
鯛勝負
海原雄山対決。
かんと煮(だき)の二つ由来がストーリーにうまく組み込まれている。関東と広東。
料理とは人をいかに喜ばせるかを第一に考えるもの。技巧だけに走ってはいけない。という雄山の指摘はもっとも。
生きている米
パソコン通信の話など当時のトレンドが紹介されていて、時代を振り返るきっかけとなった。
対決!野菜編
究極VS至高の2回目対決。毎回、海原雄山が見えない温情を見せるのが定番になりそう。たまにするのがにくい演出だとも思うけど。
ここでも、素材を活かした料理を提供するのが、料理の本質という雄山の持論が正しく響く。一方でカブの場合は、そのまま炊くだけでは、土臭さが残るので相性の良い他の食材と組み合わせるのが良いというヒネリが効いているのが面白い。
飯の友
コメの輸入自由化に対するお米の友対決で日本人に染み付いたお米への愛を表現。