三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

《農政ウォッチ》八丁味噌の事例から考える地理的保護制度の限界1

八丁味噌の衝撃

味噌かつ味噌煮込みうどん,名古屋めしの中心食材として有名な八丁味噌
この八丁味噌を巡って衝撃の事態が起きています。

 

それは国が,平成26年度より進めている地理的表示保護制度において,「八丁味噌」が認証されたのですが,その製造団体で,江戸時代からの老舗の2店舗が 外されてしまったのです。

mainichi.jp


この件については,地元メディアをはじめ,SNSでも大反響があり,国に対する 批判の目が向けられています。
私はこのことは八丁味噌だけではなく,他の地域産品でも起こりう ることではないか。つまり八丁味噌は氷山の一角だと考えています

実は地理的表示保護制度は、逆説的ですが伝統があればあるほど、知名度があればあるほど、国として認証していくのが難しい制度だと思っています。ここに地理 的表示保護制度の制度上の限界があるように感じています。

 

そもそも地理的表示保護制度とは


そもそも地理的表示保護制度とは何でしょう?
地域には長年培われた特別の生産方法や気候・風土・土壌などの生産地の特性 により,高い品質と評価を獲得するに至った産品が多く存在し,これら産品の名称(地理的表示)を知的財産として保護する制度が「地理的表示保護制度」。

つまり,すこしざっくりというと,地域と品質の結びつきが強くて,地域固有の 名称がついている産品のことを,国がお墨つき与える制度です。
夕張メロン近江牛などがすでに日本では登録されています。
夕張以外の地域で作ったメロン以外は夕張メロンと名乗れない。という制度です。
 
当たり前のような気もしますが,低品質のまがい物が流通するのを防ぐことが 出来るのです。伝統ある付加価値のある地域産品を保護することで,ブランド化を図るという わけです。
 
もうひとつ,日本で地理的表示が始まった背景としては,同様の制度はわりと 国際的には一般的です。
EUなどでは先駆的に取り組まれていて,ゴルゴンゾーラやカマンベールチーズ などが有名でこの表示が保護されています。世界100カ国以上で同様の制度は 採用されていて,相互に認証しあう枠組みがあるようです。

日本は現在食品関係の輸出にとっても力をいれているので,日本としてもこう いった制度に乗っていくことで,日本の真の正規品たる地域産品を輸出すること で,そのブランド価値を高めようという魂胆なのでしょう。

 

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しかしながら、八丁味噌の事例で起こった以上事態一体何が起こっているのか、

次回の投稿で詳しく見ていきたいと思います。