三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

ブラック・クランズマン ラストにゾッとする静かな傑作

黒人警官がKKKに潜入捜査。舞台立てだけ聞くと、ダイナミックなクライムサスペンスを想像するかもしれないけど、全編クールで落ち着いた演出がなされています。

激しい差別表現や暴言があるわりに、主人公たちの演技は抑制が効いているし、潜入捜査がバレるバレないのシーンがいくつかあって、特にウソ発見機のシーンとかももっともっとハラハラドキドキの演出も可能なんだろうけど、極力フラットなテンションであるように意図しているように見えました。 正直途中まで淡白なお話運びで睡魔にも襲われましたが。

とはいえ、クライマックス大きな展開には、引きつけられました。最後魔法使いへの電話仕打ちはスカッとする明確なカタルシスもあったりで楽しめました。

そしてあのラスト、本作の延長上に現実のムーブメントがあるという監督のメッセージに、背筋が凍る思いをします。そこに至るまでの、抑制の効いた、現実感のある演出が、ラストにおいてとても効果的になっているといえます。

みな派手な役柄ではないけど、役者陣はみんな良かったです。主人公の感情をあらわにしないけど、強い意志に満ちた表情。敵役のフェリックスも、こいつとは絶対に分かち合えない感じとか見事だったと思います。静かな傑作といった印象です。