三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

連休中は不安の種に水をやろう

f:id:mqchaso:20200919210339j:image

「このままではマズいですよ。」

連休前、金曜日の夜、管理部門の社員が言った言葉は、連休の間、ずっと私の頭に残っていました。まるでそれは頭の中のシコリのようでした。

 


私が進めている事業の進捗が思わしくなく、スケジュールの遅れが決定的になっていたのです。

事業が遅れているのは分かっていました。

でも、他にもたくさんの案件を抱えていて余裕がなく、半ば見て見ぬふりをしてしまっていました。

 


ずっと魚の小骨が喉につかえているかのような不快感、不安の種が頭に埋め込まれたような感覚を感じながら、日々を送っていました。

 


心の中で、無かったことにできないか。

このまま時間が解決してくれないか。

淡い期待を抱いていました。

完全に甘い見込みでした。

 


そして連休前。

スケジュールの遅れが管理部門の部署に知られてしまったのです。

 


不安の種は、ついに芽を出してしまったのです。

それも連休前の金曜日の22時頃でした。 

明日からは連休。

家族との旅行を計画していました。

 


どんなに頑張っても、リカバリーできないことはわかっていました。

事業を進めるのに、手続き上どうしても必要な期間があることがわかっていたのです。

事業の遅れを取り戻すことはできない。

 


問題は、それを社内的にどのように説明するか? にシフトしていました。

そのイケメン担当社員は

「やばいですよ、どう説明するんですか?」

「○○を理由に説明するしかないか」

と矢継ぎ早に口にします。

 


年下のイケメンに煽られたり、詰められたり、かと思えば、助け船を出されたりして、

私は半ばパニックになっていました。

 


パニックになっていたのを見たのか、イケメンは「週明け私が説明しておきます。」

 


「なんだ、最終的にはいいやつじゃん」

私は心の中で思いました。

イケメンに揺さぶられた心は、イケメンによって落ち着きを取り戻したのです。

 


しかしながら、この週末、芽が出た不安とともに過ごさなければならないのは苦痛でした。

せっかくの家族旅行。

楽しみにしていた家族旅行。

子どもがまだまだ小さいのに、コロナ禍もあいまって、約1年ぶりの家族旅行でした。

 


にもかかわらず、僕の頭の中では、イケメンに言われた言葉がぐるぐると回っていました。

 


あーやばい、どうしよう。

でも、説明してくれると言ってくれたから大丈夫。

でも説明がつかなかったら、やっぱりやばい、どうしよう。

 


折角の旅行も、チラチラと、連休前金曜日の夜の出来事がフラッシュバックされ、集中できません。

 


ため息も出ていたかもしれません。

ボーッとしている時も多く、家族にも気付かれたかもしれません。

 


今は、温泉旅行中、仕事のことは忘れよう。

そう思って、何度も何度も頭の中から仕事のことを忘れようとしますが、うまくいきません。

 


不安の種は芽だけでなく、しっかりと頭に根っこもおろしてしまったようです。

 


初日旅館について、温泉に入ります。

旅行の工程も、もはや3分の1を過ぎようとしています。

 


うん、どうしたものか。温泉の湯に浸かりながら考えました。

その時、ちょっとした閃きがありました。

 


頭の中をぐるぐると巡って消えないのなら、いっそ徹底的に向き合ってやればいいのではないか。

 


私はお風呂を出ると、持ち歩いていたiPadで、「事業進捗の遅れについての理由書」とタイトルをつけてテキストファイルを開きました。

 


もし、こう言われたらどうしよう?

こう返されたら、どうしよう?

 


いろんなQを想定して、ファイルの中に書き込んでいきます。

もちろん、旅先のことなので、バックデータを確認できないところもありました。

そういう部分は、週明けに確認すべきことリストとして、メモをしておきました。

 


休日で仕事できないからと、放っておくことで頭を悩ませるなら、休日でも出来ることをできる範囲で向き合うことにしたのです。

こうやって向き合うことで、休日中にできること、週明けに行うことが明確になりました。

 


そうすると、ふっと肩の荷が降りたような、不安が解消されたような感覚になったのです。

 

 

 

 


それからは、随分と気が楽になりました。

約一年ぶりの旅館の料理は格別の味でした。そして何より家族のみんなと笑って過ごすことができること自体が幸せでした。

お酒の入ったこともあり、その日はぐっすりと眠りました。

 


そして連休明け。

イケメンに旅館で作った資料を渡しました。

「ありがとうございます。これで説明してみますね。」

 


社内的にはこれで合意を得ることができました。一件落着したのです。

 


旅館で仕事したことは、正解でした。

普通、休日返上で仕事することは、わりと古い時代の美徳だと思ってました。

でも、私の中で今回のこの件は、仕事に向き合うことで、不安の種に水をやり、肥料を与えるようなものでした。

仕事というよりは、休日を充実させるために必要な心のマネジメントだったのです。

 


不安の種をそのまま放っておいても、それは不安のまま変わりません。

でも、芽が出た不安のお世話をすれば、それはいずれ花が咲き、実になります。

どんな不安からでも、ちゃんと成果を得ることができるのです。

 


連休を、仕事で不安な状態で過ごす皆さん、あるいは週が明けるのが不安な皆さん。

ぜひ、不安をないものとするのでなく、むしろ向き合って、「今」出来ることをすることで、少しだけでも気が楽になります。

 


是非実践いただきたいと思います。