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Whistle Life

食と農の話題を中心に、日々の雑感をつづります。

挿し木の科学

 今年から始めたベランダ菜園ではハーブも育ててます。

 

 ミントも挿し木用に摘芯して水につけております。

 

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 この挿し木というのは園芸分野では説明不要の単語なんですが、考えたらすごいことですよね。この挿し木の技術によって、株を増やしたりするだけでなく、効率的な野菜の育種にも役立ってていまの園芸学を支える技術なんです。生物学的にいえば挿し木というか、植物の茎とか葉と根っこを出させるのは、植物にとってのサバイバル術なんだと思われます。風雨や動物によって植物が傷ついたときに、そこから新たな組織を作って繁殖しようとする。植物の体を切ってそこからまた根が生えるなんて生命力の強さを感じざるを得ません。

 

 挿し穂から根っこが出るのは植物ホルモンのオーキシンによるとのことなのですが、注目すべきは、一度茎になった組織から根っこが生えるということ。人間でいえば、細胞というのは成長や分裂の過程で一度心臓の細胞になったら、肝臓や肺など他の細胞になることはありません。これを分化といいます。逆に、この植物の挿し木のように、分化した細胞がもともとの何にでもなれることを脱分化といいます。この説明でピンと来た方も多いでしょう、iPS細胞やST⚪︎P細胞も脱分化を目指したもので哺乳類の細胞でこれに成功したことが活気的といえるのです。

 

 一方で実は植物というのはこの脱分化というのはわりと容易に起こるのです。(ST⚪︎P細胞ももともとは植物細胞ができるのだからという発想だったと思います。)

まだその脱分化の分子レベルでのメカニズムはまだよくわかっていないようなんですが、それが解明されたら、今度ST⚪︎P細胞が成功する日が来るのかもしれないですね。

 

以上、挿し木というのも随分と古い技術だけど、新しい可能性も秘めているんだよというお話でした。