Whistle Life

食と農の話題を中心に、日々の雑感をつづります。

農業技術の伝承

 よくテレビなどをみていると,製造業などの分野において職人の技が特集されていたりするのを見ます。紹介される職人の作業は,長年の経験で培った技術や勘で語られたりします。ここで書いたことは農業の分野でもあてはまります。

 

 農業の分野においては後継者不足に伴って農業技術を若い世代にどう伝えていくか?というのがよく課題にあがります。しかし,現場の近くにいて思うのが,伝えるほどの農業技術を農家が持っているのか,ということです。もちろん他人に真似できない技術を確立していたり,自身のやり方にこだわりをもって農業に取り組んでいる農家さんはいます。一方で,自分が使っている農薬の種類も分からない,農薬は何回もまいた方が良い,農協の提示する栽培暦に従っているだけ,といったような農家さんも多いです。数的なデータで言えば,「 日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社プラスアルファ新書)」の著者である浅川氏も,生産額ベースでいうと,農家の上位7%でほぼ70%の生産をしめていると言っています。

 これも日本が小規模で兼業の農家が多すぎることの表れだと思います。若い担い手確保もそうですが,篤農家の増加も目指す方向性として良いと思います。

 

 また、経験や勘で蓄積されてきた技術というのは、単純に伝承しにくいと思います。親子や師弟など垂直方向でしか伝わっていきません。では、どうすれば良いかという時に、農家さん自身がその経験や栽培データなどからくる分析結果を横のつながりで広げる、というような形での技術伝承を推進していくことが重要だと思います。

 

 農家さんが技術面で競うようになっていけば、自然と技術が伝承され、後継者に伝わっていくのではないか、という軽い妄想でした。