Netflixオリジナル ドキュメンタリーの感想レポート。
今回は最近配信開始されたオリジナルシリーズ「アグリー デリシャス 極上の食物語」の内容をお届けします。
シンプルなようで奥深いタコスの世界
第2話となる今回のテーマは「タコス」です。
日本人には馴染みがあるようで、実はよく分かっていない。一方で、実際のところタコスには無限の可能性があって、一様には語れない。
その意味で、誰にもタコスとは何なのかを明確に表現できないのではないか、そんな気にさせられたエピソードでした。
ただ、そんなことどうでも良くなるくらいに無性にタコスを食べたくなるのは間違いありません。
番組自体はシェフでレストラン経営者のデビッド・チャンがフードライターの仲間らとともに、タコス屋さんを巡るパートと、世界的に有名なレストラン「ノーマ」がメキシコに出店するまでのパートを中心に描かれています。
メキシコは重要な食文化都市?
メキシコといえば、本ブログでも紹介したNetflixオリジナルシリーズの「腹ペコフィルのグルメ旅」でも取り上げられていました。
食の文化的に重要な国なのかもしれません。
他国の文化を取り入れながら発展
腹ペコフィルでは、メキシコは独自に文化を発展させたと感じたと書いていますが、
本作を観てその印象は少し変わりました。
たとえば、タコスに入れる回転肉は、レバノンのケバブのように違う国の文化を取り入れたからこそ。そして、韓国料理との融合したフードトラックのタコス屋が紹介されるなど、現在進行形でタコスは進化しているのだと感じました。他国の文化を取り入れていったからこそ現在までに豊富な食文化を築いていったのかもしれません。
トルティーヤでサルサソースをかけてお肉と野菜を巻いて食べるもの。その巻いて食べるという行為が、さまざまな文化を取り入れるある種の包容力を有しているようにも感じます。
セントラルデアバストスという世界規模の市場の存在も見逃せません。
温故知新のノーマの取組
ノーマの取組も興味深く観ました。
出演者からは、タコスは屋台で食べてなんぼ。高級料理として位置付ける必要があるのか?という問題提起がされます。
ノーマならば、無条件に礼賛されそうなものですが、このあたりきっちり主張はするというスタンスが、本シリーズの見応えの一つになっています。決して一面だけを見せない。
それは、今回もファーストフードの「タコベル」を批評しているところでも見てとれます。
ノーマのその土地を研究し尽くして、メニューを考えるその姿勢にも脱帽しました。
ヤシュナという村で伝統的な料理を学びます。伝統の上に新しい料理が創造しうる。そんなことを考えさせられました。