規制改革の的となった公設卸売市場
政府の規制改革会議が卸売市場法に関する様々な規制を撤廃することを提言しました。
現在、大きな卸売市場の開設主体は都道府県や自治体に限られていま
これに対して,農業団体等は市場の規制である「受託拒否の禁止」(市場に出荷された生鮮物は受け取りを拒否できない。農家からしたらとりあえずお金に変えられる。)の撤廃がなされれ
私などは物心ついた頃から,小泉構造改革やハコモノ行政への批判などをずっとメディアを通じて観てきたので,流通
しかしながら,規制改革それ自体が目的化するのは良くないと思うので、規制それ自体には、卸売市場開設当時にはそれなりの理由があった
卸売市場が公設である理由
まずは,卸売市場の基本的な役割を確認する必要があります。
卸売市場の役割は大きく分けて3つあります。
① 集荷・分配 各地から生鮮品を集め,また各販売先へと分配する
② 価格形成機能 公正で公平な価格形成
③ 代金決済 取引は、速やかに決済される。
こういった機能は民間では任せられないのでしょうか?
市場が取り扱っている品目が生 鮮食料品であることにその理由があります。
生鮮食品は,あまり日持ちしないため, 生産者は早く売りさばきたい。
こういった食品の性質から,価格形成において,生産者(売り手) が弱い立場に なりやすいのです。また,生産者は形も食品によってさまざまなので工業製品と違った 一律で大規模 な流通に向いていません。品質も安定しないので、チェック機能が働かなければ、消費者にとって不利益なマーケットが形成される恐れもあります。(同じりんごでも粗悪品を高い値段で売りつけられる。)
こういった意味で、役所が運営することで全国から集められた食品に 対して,公正な取引きを行う上で重要な役割を果たしているといえます。
実際に戦後食品の供給が少ない頃には,闇市などがはびこっていた ことを考慮に いれると一定の役割を果たしているといえます。
また代金決済も,明確なルールの下に決済されるので,とかく立場 が弱くなりが ちな一次生産者にとっても安心な制度となっております。
流通構造の変化が訪れた
しかしながら,市場を取り巻く状況が変わりつつあります。
まずは,消費者側の変化。少子高齢化や共働き世帯の増加により,
また,供給側(生産者)にも変化があります。
市場は確かに公平で適正な価格形成がされるかもしれません。
しかしながらその分,生産者に価格交渉力を持たないのです。自分自
また,規格外の流通。市場では規格がある程度決められてしまいま
またこういった需給の変化に伴って流通自体が多様化し,いまや生
こうなってくると確かに公設で運営されている市場の意義が問われ
市場法が出来た当初から需給や流通構造が変化し,その変化に現代
市場流通の役割の変化に期待
流通構造の変化の背景にあるものは何でしょう?
それは一次生産そのものの役割が,食料の安定供給という役割から食料産
一方で、市場外流通が増えているという話をしましたが,そ
個人的には,市場で出入りする先日の「次郎は鮨の夢を見るか」で
彼らは生鮮品を見抜くプロでありますから,そういった目利き機能
市場を廃止するかどうかではなく。どう役割を変えていくかという