三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ フロム京都

三児 レイ アスカ シンジを育てながら、スキマ時間でカルチャー情報を発信。働き方改革時代の心豊かな生活をお届けします。

ミッション インポッシブル フォールアウトはシリーズ最高傑作でした。

5作以上続くシリーズもので、見続けてる映画ってあまりないのだけれど、ミッションインポッシブルだけは新作が出るたび観ている気がする。

 

そして6作目にして、面白くて感動して震えながら鑑賞することになるなんて、思いもしなかったです。

今回最高傑作だと感じたミッションインポッシブルを紹介します。

 

トム・クルーズクリストファー・マッカリーコンビ再び!

ミッションインポッシブルは、昔のテレビ番組「スパイ大作戦」のリブートのような格好で映画化されたシリーズですが、もはやトム・クルーズ主演映画として確固たるブランドを築いていて、スパイ大作戦を知らない年代にとっても、そのリブートであること自体がほとんど作品評価に影響しないものになっていると思います。

 

そんな6作目のミッション・インポッシブルは、シリーズで初めて前作のクリストファー・マッカリー監督が続投しての作品となりました。前作ローグネーションも好きですが、個人的には同監督、トム・クルーズ主演の別シリーズ「アウトロー」がお気に入りです。

アウトロー2」も当初マッカリー監督がメガホンを取る予定だったのが、同監督がミッション インポッシブルの製作に集中するという理由で、別の監督に変わったというようなこともありました。マッカリー版アウトローも大好きなので機会があれば続編もう一度作ってくれないかなとも思ったり。

 

見所は度肝を抜く肉体アクション

なんといっても本作の見所は、その派手すぎるアクションと、トム・クルーズの体当たりの演技でしょう。

予告編である程度クライマックス周りのシーンをみせていて、これがテンションの天井なのかな、なんて思ってましたが、そんなの全く関係ありません。クライマックス周りは見せ場のつるべ打ちで、度肝を抜かれました。

本シリーズ特有の最新ガジェットは息を潜め、バイクチェイスやスカイダイビング、ヘリコプターでのチェイス、設定そのものは古典的なアクション展開がこれでもかと盛られています。

アクションが古典的だからといって、魅力がない訳ではありません。むしろその逆でトム・クルーズの肉体性をいかんなく堪能できる点、そして無茶苦茶している点で他のアクション映画とは一線を画しています。

HALOジャンプ、超高度からのジャンプは100回以上飛んでいるし、凱旋門廻りの逆走は1発ぶつかったら死ぬんじゃないかとすら思える迫力ですし、トム自身2000時間訓練したヘリコプターチェイスにいたっては、そもそも作戦として無茶にもほどがあります。(そのことにツッコミを入れるようなセリフがあるのも面白い)

 

 

 

どのアクションひとつとっても、身体性をまともに感じられるので、CGで派手に作られたシーンとはやはり受ける印象や没入感が全く違います。

それは派手なシーンだけではありません。

序盤のトイレでの戦闘シーンも生々しい肉体戦が、感じられ、非常に泥臭いアクションになってます。

 

逆転劇を楽しめる!

 

アクションだけが魅力かと言われるとそうではありません。ストーリーでも、いわゆるスッキリ!みたいな逆転劇が何箇所かで用意されていてダレるずに楽しめました。とはいえ1発目の逆転劇はコント的で思わず笑ってしまったけど。トム・クルーズのワンマンじゃなくて、各キャラクターのキャラが立っていて、セリフのやりとりを聞いてるだけでも楽しいです。

 

単純なアクション映画に見えて語りどころがめちゃくちゃ多い本作。可能であれば映画館で観たかった!

 

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ワンダー 君は太陽 誰もが人生に悩みを抱えながら生きている

 

 

初週視聴者満足度No.1の話題作

先日レンタル開始されたワンダー君は太陽を視聴しました。

フィルマークスでの6月3周目の初週視聴者満足度No.1ということで、期待して視聴しました。

 

監督はスティーブン・チョボスキー、ウォールフラワーという青春映画が印象に残っています。

主人公は、ルームの子役、ジェイコブ・トレンブレイ。母親にジュリア・ロバーツ、父親はオーウェン・ウィルソンと豪華な役者陣ですし、その演技のレベルはいずれも高く安心してみられます。

 

 

難病もののようでちょっと違う構成

難病ものというのは、感動の押売りのようで、積極的に視聴する方ではないですが、このワンダーに関しては丁寧な人物描写が心地よくて良かったです。特に、章仕立てで病気を持つ主人公の周囲に焦点をあてるという点で、他作にはない魅力を生んでいます。

主人公の病気であるトリーチャーコリンズ症候群それ自体は劇中ではほとんど紹介がないことからも障害そのものを取り上げどうこういうタイプの映画ではないことがわかります。

 

それはタイトルにも表れていて、君は太陽、というサブタイトルもはじめはなんだかありきたりなタイトルだなぁと思ってみていました。

しかしながら、主人公のオギー・プルマン以上に彼を取り巻く人物たちの描写に焦点が当てられ、姉や同級生の視点から、病気を背負う少年への向き合い方が描かれることで、オギーの聡明で思慮深い彼の人となりが、周りの感情を突き動かしていくさまが、まるで太陽とそれを取り巻く惑星群のような関係として描かれるのです。

つまり、君は太陽には、君自体だけでなく太陽が周囲の人物を照らす魅力があることを表しているように思うのです。そのことがサブタイトルにも表れていると知り、はじめの印象からより深い意味を捉えられるようになりました。

 

人物描写の積み重ねが写す多面性

具体的には、姉のvia。弟が、障害を持っているがために、母親の目があまり届かず、孤独を感じます。しかも親友だったはずのミランダがある日を境に急に距離を置きます。viaにとっては不満のある家族も、夫婦が離婚して家族が上手くいっていない彼女にとっては羨望の対象だったのです。

 

このように、オーガストを通じた人間関係の連鎖みたいなものが、多面的な世界を写しています。

 

あとは、同級生のジャックウィルです。

彼とジャックとの関係こそ、外見に左右されない、心の通った関係として一番胸を熱くしながら見ていました。あの最期の野外キャンプでの喧嘩のシーンはどうしたって感動します。

 

こういったオギーとそれを取り巻く人物との交流は感動的なラストシーンにつながります。ちょっと美談に過ぎるという批判も浴びそうなバランスではありましたが、細かい日常描写の積み重ねがひとつの大円団を迎えるというのは、とても映画的で個人的には映画としてメリハリが効いたと思いました。

 

 

健常者にとってはどうしたって主人公と同じ気持ちになることはできません。しかし、障害を持つものの友達や家族としての立場ならもう少し想像力を膨らますことができると思います。

そのあたりの共感を呼ぶ構成が、今までにありそうでなかった傑作を生んだように思います。

 

 

 

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育児日記 ハッピーセットと金ピカのお寺へGO

今日はシンジくんがお母さんとお出かけなので、レイ、アスカと三人でお出かけ。

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お出かけ前の腹ごしらえに、マクドナルドへ。

 

お揃いで自転車に乗るも。姉は三輪車、妹はストライダー(初級)なので、2人の間を取り持ちながらの散歩に四苦八苦。

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ストライダー乗るより持って歩いた方が早い妹アスカ。

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持ってあげようかといっても絶対譲らない。

 

 

 

 

お待ちかねのハッピーセット

ハッピーすぎる子どもらの反応に父も安心。

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午後からはバスで金閣寺まで。

バス停で止まるたびに、ここで降りる!?攻撃にあいながらも到着。

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久しぶりの金閣寺は素晴らしい。

子どもながらに感動してましたが、金閣寺よりも鴨の方が気に入ってた様子でした。

 

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今日のスキマアイテム

マクドナルドのハッピーセットのリカちゃん着せ替え人形。

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マクドナルドのオモチャの中ではクオリティ高いと思う。介助なしで着せ替えなど遊べるので、スキマ時間づくりにわりと有効です。

 

 

 

フロリダプロジェクト 辛い貧困をそれでもキラキラした世界の中で描いた傑作

 

 

パッケージデザインからは想像できないストーリー

パッケージデザインからは想像も出来ないほどの、辛い貧困の家族を描いた映画「フロリダプロジェクト」。

驚きの結末が賛否を呼んでいますが、私はいつまでも余韻に残る良い作品だと思います。

 

 

舞台は、アメリカ、ディズニー ワールドが近くにあるフロリダ。ディズニーの近くということで、色んな経済が成り立っていることが画面の端々から伝わってきます。

そこにあるマジックキングダムという名前の安モーテルに住むヘイリーとムーニーの家族の日常が描かれます。

友人が働くレストランから食事を分けてもらったり、香水の押し売りなどでその日暮らしを続けてきましたが、やがて少しずつ日常が厳しくなっていく様子が描かれます。

 

監督はショーン・ベイカー

前編iPhoneで撮影されたと話題になった「タンジェリン」の監督です。

 

 

過度に同情を促さない距離感

同じ貧困にあえぐ家族を描く傑作といえば、ジャンルとして一定程度あるように思いますが、他の作品と一線を画すのは、貧困を描いておきながら過度に同情を促さない作りになっていると思いました。

子どもや親が底抜けに楽観的で厳しい現実があっても、明るく、そして、自分の尊厳を守りながら暮らしていたこと。

母親が、あまりに楽観的過ぎて、むしろ無責任にすら感じさせること。

そして、それを映し出す風景描写がとても明るくビビッドであること。

これら3つの要素から、よくも悪くも距離感を保っていたような気がします。

今から思えば、万引き家族も同時期に公開されたのもありますが、万引き家族も非常に良いバランスだったとかもしれません。

 

 

 

この世界の現実と夢の世界への逃避 

その距離感は、管理人であるボビーに現れていました。

 

ボビーは家族を陰ながら見守りますが、モーテルの管理人として、自分の職務の範囲は絶対に超えてきませんでした。

観客はその優しい眼差しに安心感を得ながら、同時に無力であることも知るのです。

それがでも、この世界の現実です。

 

賛否を呼んだラストは、個人的に賛です。

確かにあれは、物語の決着への究極の「逃げ」とも言えますが、この世界の現実はどうしようもないことへの裏返しを表しているようにも思えます。

「救い」が存在しない世の中で、せめて映画で提示しうるのが、この世界からの「逃げ」なんだと感じました。

 

その後の2人は何がある訳でもありません。

それまで淡々と現実を描いてきたから、物語の飛躍が欲しかったんだと理解してます。

 

子供達の日常演技・演出に脱帽

 

独特のストーリーテリング意外にも、やはり見どころは子どもたちの日常演技でしょう。

その家族にどんな背景があろうと、子どもは子ども。その生き生きとした演技はそれが思わず笑みが溢れてしまいます。

子どもたちが取っている行動、悪態も決して許されないものではありませんが、それが子ども達が生きてきた世界な訳です。

 

それだけに、中盤以降の入浴シーンで、一人で遊ぶムーニーと大音量の音楽の意味に気づいた時の胸の苦しさたるや、です。

そして、ラスト。全てを悟った子どものあの表情と行動に熱くこみ上げるものがあるのは当然です。

 

それだけでも観る価値のある大傑作だと感じました。

 

 

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多幸感に溢れた映画「ブリグズビー•ベア」が最高でした。

誰もが幸せになる魔法がかかった映画

 

カメラを止めるな!を観た時、映画制作への熱意みたいなものに触れ、クリエイティブなものに対する憧れを感じました。

 

映画制作への熱意という意味では、「ブリグズビー•ベア」も愛に満ちた作品であったと思います。

 

この作品では、熱意に胸が震えるのとはまた別の意味での感動がありました。熱意というよりは、愛、映画制作への愛から生まれる「魔法」といった方が良いかもしれません。

誰もがを幸せにするような魔法が、この映画全体にかかっているそんな印象を受けました。

 

あらすじ

主人公のジェームスは、赤ちゃんの頃誘拐され、25年間誘拐犯である偽の両親の元で育てられます。ある日、警察の捜査が入り、本当の両親の元に戻りますが、彼にとっては、元の25年間の生活で暮らしてきた世界が全てでした。ジェームスは監禁中ずっと観てきた子供向け番組「ブリグズビー ベア」を心の拠り所にしていました。しかし、じつはそれはジェームスを育てるために誘拐犯が毎週作って見せてきたことが判明します。ファンだった彼は失意しますが、やがて、その続きを自分で作ることを志し、周囲を巻き込んで行きます。

 

登場人物全員良い人

この映画に溢れる多幸感は突き詰めると登場人物全員良い人っていう。

 

敵対しそうに見えた警察。

はじめは、ジェームスに悪い遊びを教えるんじゃないかと思われたスペンサー。

そして、「普通」の暮らしをさせたい、「ブリグズビー」からそらせたい、実の両親。

その誰もが、最終的に主人公ジェームスの映画づくりを手伝います。

 

個人的にはスペンサーがいい奴だし、かっこよすぎだし、そして偽の親であるマーク ハミル。あのナレーションの声を出すシーンの愛おしさ。

童心にかえったときの登場人物たちの輝きは、誰の心にも響くと思います。誰もがしまっていた思い出という琴線に触れるのです。

 

ご都合主義だが、成長はしっかり描かれる普遍性

 

ともすれば、ご都合主義とも捉えられるこのストーリーですが、監禁相手に教育番組をみせていたという設定自体がある種のファンタジー性を帯びているので、おとぎ話的に楽しむと思えば有りだと思います。

それにご都合主義とはいえ、物語の中ではきっちり主人公ジェームスの成長が描かれています。

 

あの無垢で純粋なジェームスが、ラスト映画の発表会を経た後の大人になった精悍な顔立ちが忘れられません。

ブリグズビーの制作を通じて、ブリグズビーを卒業する。

 

子供らしい番組、子供らしい趣味であってもそれを突き詰めると、立派な人生を送れる。

自分にとっても「ブリグズビー」的なものがなかったか、と思わず過去を思い返したい気持ちになります。

 

人生を豊かにするエッセンスが詰まった、折に触れて見返していきたい映画になりそうです。

 

最高!

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Netflix シェフのテーブル シーズン5-1 過酷な人生を繋ぎとめたのは家族と故郷の味でした

Netflix シェフのテーブルシリーズ。

料理がとても美しくて見入ってしまうオリジナルドキュメンタリーです。。プロデューサーは次郎は鮨の夢を見るのデヴィッド・ゲルブ。

めちやめちゃオシャレなプロジェクトエックス。

 

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シーズン5の第1話は、メキシコの伝統料理 バルバッコア を提供するシェフ クリスティーナ・マルティネス。アメリカのトップ10レストランにも入ったフィラデルフィアのタコス店のシェフです。

 

シェフのテーブルシリーズ史上最も過酷な人生

彼女の人生は、これまで紹介されてきたシリーズの中でも最も過酷であったといえます。

メキシコで生まれた彼女。

DVと貧困、そしてアメリカへの密入国

命からがらアメリカの国境を渡るシーンは、再現シーンではないのだけど、彼女の語りと映し出される国境付近の延々と続く砂漠のシーンから彼女の経験した地獄を追体験させられます。

そんな過酷な環境で育った彼女をつなぎとめたのは、家族と故郷の味でした。

 


彼女の壮絶な人生の背後にはいつも家族があり、そこには伝統の料理があった。その意味で彼女がバルバッコアを作るのは必然です。

 

メキシコの伝統料理バルバッコア

バルバッコアは非常に手間のかかる料理。メキシコの伝統料理。穴の中で調理するんだけど、子羊の肉を頭から胃腸まで足まで全部使います。オレンジをかけ、マゲイの葉を被せて蓋をし、八時間以上、炭火にかけます。

アメリカでバルバッコアが受け入れられたのは、その料理には彼女の魂がこもっているからだと思いました。

 

料理人としての成功移民者としての活動


そして料理店での成功が、社会への問題提起へと繋がっていきます。彼女は移民として、立場や権利の獲得に活動するのです。映画のような話だけど、それがドキュメンタリーだからすごい。シーズン5のこのタイミングで、このエピソードが入るのは、今の時代を反映しているとも感じました。

 

 

 

 

完璧に作り込まれた世界と犬が可愛い、犬ヶ島感想

映画を観るときの鑑賞ポイントは人によりまちまちだと思います。

ストーリー、役者の演技、アクションなどなど。

私はその中でも脚本の面白さを重視します。結構脚本家の名前で観る映画を決めたりもするぐらいです。

 

完璧に作り込まれた絵づくり

 

ストーリー面では「犬ヶ島」は少しばかり退屈と言えるかもしれません。

しかしながら、「犬ヶ島」にはそれ以上に映像の美しさで魅せる映画です。

完璧に作り込まれた世界観と言っても良いかもしれません。

監督は「ウェス・アンダーソン」。シンメトリーな画作りなどその映像のアート性に高い評価を得ている監督です。

前作「グランド・ブタペストホテル」でもその才能がいかんなく発揮されていました。

実写でありながらどこかアニメであるかのような役者たちの動き。ホテルの外観、内装など凝りに凝られた美術や色使いなど、様々な要素が非日常な日常を演出します。

 

犬ヶ島は、前作よりさらに進化しています。実写からストップモーションアニメになったことは大きいです。ワンシーンワンシーンすべて監督の思いを載っけられるからです。実写のような揺らぎがありません。

実際、本作の映像の作り込みは狂気すら感じます。ストーリー自体のテンポが良いため、一回の鑑賞ですべてを味わい尽くすことは出来ないです。

 

研究所のシーンとか、犬たちの喧嘩などボコスカのシーン細かいところに目を凝らせばそれだけの発見があります。ストーリーの大筋はシンプルなので、映像をみているだけでも楽しめる作品です。

 

日本と犬独特の世界観

世界観そのものも非常に独特で味わい深いものになっています。

まずは舞台が日本になっていること。

舞台が日本になっていながら、それは見慣れた世界ではありません。「ウェス アンダーソンによって解釈された日本」です。

年代は昭和の雰囲気もありますが、テクノロジーは発展してるし、一方で市役所の建物は神社風であったり、構成要素そのものは日本でありながら、そこで作られている世界はやっぱり独特のものなのです。

 

そのディテールは素晴らしく、相撲のシーンとか寿司のシーンとか、日本の美しさが表現されています。それは時に過剰ですらあると言えます。

 

しかしながら、日本の精神性も皮肉にも再現されています。やや誇張された表現ですが、実質一党独裁にあり、多様な言論が許されないような空気が描かれているように思います。

 

そしてもう一点本作を特徴づけるのが、やはり「犬」でしょう。

まず、「犬自体」の作り込みがすごい。毛並みひとつひとつが立っていて、生きているよう、動く姿は本当にキュートです。

 

そんな可愛い犬たちが織り成す会話も面白いですね。妙に大人びた感じがギャップがあって、いつまでも会話を聞いてられます。

このあたりは声優さんたちの力もあるように感じます。

特にナツメグとチーフのシーンは、非常にムーディーで「大人な映画」を観ている感覚です。実生活でもこんなやりとりしてみたいという、「憧れ」の対象にすらなるという。まさか「犬」映画のワンシーンに憧れるとは思いませんでした。

ナツメグの声がエロいと思ったら、ハリウッド女優のスカヨハでした。

 

また声優でいくと、少年アタリの声も特徴的でした。

ランキン・こうゆうさんというハーフの方が声優をしているようです。朴訥ながら、底に感じる熱い思いが心を揺さぶります。ストーリー展開が淡白なのに、要所要所のセリフで人の心を動かすもいうのはなかなか出来ることではありません。

 

映像づくりという意味では本当に唯一無二の存在もいえるウェス・アンダーソン。存分に楽しませていただきました。

あ、音楽も良かったなぁ。