三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

《映画にみる食と農》にがくてあまい ゲイ✖️野菜(?)の異色のラブコメ

 

野菜を前面にフィーチャーした漫画原作の映画「にがくてあまい」について感想レポートします。

 

同性愛者かつ菜食主義者で野菜料理が得意な男子高校生・片山と野菜が嫌いな江田マキ、そんな対照的な二人が次第に仲を深めていくラブ・コメディ(?)ですら、

主演は、川口春奈林遣都です。(林遣都 って何となくゲイの役多い?)

 

何となく惜しい感じの映画でした。

ちょっと最初は、あまりにも少女漫画然としすぎていて、演技も大げさだし、正直これ全編鑑賞するの辛いかもって思っていました。

しかしながら、主演の林遣都さんの演技は良くて、結局最後まで鑑賞。

後半になって、主演二人の仲が深まっていくとハっとさせられるシーンもあったりして、まぁまぁ楽しめました。

 

 

作中の要素が多すぎていて、それぞれのエピソードの深掘りが浅いという印象です。

マキと父の関係。片山の兄のこと。アラタのこと。仕事のこと。馬場薗のこと。そのどれもが中途半端にきか語られないので、感情移入しづらかったです。

推測でしかないですが、原作で語られる様々なエピソードがたくさん詰め込んであって、映画用に短くアレンジされてるのではないかという予想です。

 

特にアラタとか急に現れて、「(片山の)兄貴の代わりは終わり」みたいな、意味深なこと言ってすぐ帰国っていう謎の存在でしたし。

 仕事絡みのエピソードについては、一世一代のCMの仕事の割に、扱いも雑ですし。

原作ではもう少し丁寧になるのかなって思いながら観てました。

 

野菜の良さがあまり伝わっていない

あと、野菜や料理の存在感もあまり無くって残念でした。書籍でレシピ集も出てるくらいなので、ほかのエピソードを削ってでも、美味しい野菜料理の演出に時間をかけてもよかったかな。

あの野菜の盛り籠も現実感が無くて微妙でした。パプリカとか絶対に使われてなさそうな料理のときに、パプリカ映してますし。

 

料理の良さは伝わっても野菜の良さも伝わらない。いや、料理の良さも伝わっているか微妙。

単に片山が料理うまいだけになってます。

良いグルメ漫画というのは、登場する料理を自分で作ってみたい、と思わせることだと思いますんで。

 

苦言を続けましたが、主演二人の関係性はなかなか良かったと思います。

何かこう恋愛として安易に結びつかず、友情から一歩進んだ関係みたいなところに育っているのが良いと思いました。

最後バイクで、マキが追いかけるシーンの演出もエキセントリックで良かったし。

 

繰り返しになりますが、それまでのエピソードがもう少し詳細に描かれていたら、そのバイクシーンがより際立ったかなぁって思いました。

 

そうじると、グルメ映画としてはかなり物足りないけど、キャラクター性の部分で原作がちょっと気になるぐらいには良かったというところでしょうか。

 

 

にがくてあまい

にがくてあまい