Netflixオリジナル ドキュメンタリーの感想レポート。
今回は最近配信開始されたオリジナルシリーズ「アグリー デリシャス 極上の食物語」第3話の内容をお届けします。
テーマは家庭料理がもたらすもの。
ここで初めて、シリーズのタイトル「アグリーデリシャス」の意味がわかります。
見た目が悪くても美味しいもの。
デビッド・チャン自身が経営するレストランで現在目指している料理こそがまさにこのアグリーデリシャスな料理とのことです。
そしてこのアグリーデリシャスな料理とは家庭料理でもあります。
美味しさにはふたつあります。
生まれもっての味覚で感じる美味しさと、幼少期に慣れ親しんだ味覚による美味しさ。
家庭料理は、子供の頃食べたときの記憶を呼び覚まします。
興味深かったのは、コペンハーゲンで世界的に有名な飲食店「ノーマ」のシェフもそのような記憶を呼び覚ます料理を目指しているというのです。
彼らは、一見前衛的な料理を作っているように見えながら、食の本質を追求することを忘れません。タコスの回でも地域の伝統料理を研究しつくしていたことを思い出しました。
今回のエピソードをみていると、飲食店での料理と家庭料理は全く違うということが分かります。そして、一流のシェフも家ではほとんど料理をしないということも。
同じくNetflixのオリジナルシリーズの「シェフのテーブル」では、総合芸術としての料理がクローズアップされていたように思います。そこでは美しい料理がクローズアップされているように感じます。本作では対局とまで行きませんが、別の価値観を提示しているように感じます。
本作のアグリーデリシャスな料理にこそ、生活の一部としての食の本質が宿っているのかもしれません。