三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

家庭菜園の通信簿 プロとアマの違いを楽しむ

こどもの頃、私は通知表が楽しみな方でした。
(今年はコロナの影響で学校が休校となり、通知表が出されているかもわかりませんが。)

自分で言うのもアレですが、勉強はわりとできる方でした。
中学生時代は、ほぼ毎学期5科目とも、オール「5」取れていたのです。
しかし、高校に入るとそうはいきませんでした。地方ではわりと有名な進学校だったのですが、入学してそのレベルの高さに驚きました。
高校に入って初めての期末テスト。数学や英語など得意な科目では「5」取れていましたが、国語となると「3」でした。優秀な人は高校でもオール「5」を取っています。
世界の広さを初めて知った高校生活のスタートは、今でも記憶に残っています。


それから20年ほどが立ちました。
今では会社員をしながら、誰に教えられるでもなく家庭菜園をしています。
家庭菜園の世界では、野菜がたくさん収穫出来たり、良いものが出来たりしていると、「プロ顔負け」なんて言ったりします。実際にプロに負けない野菜が収穫できることもあります。

でも、プロの世界ってそんなに甘くありません。
つい先日も貸農園に行って収穫作業をしているとそんなことを思いました。

貸農園には、毎週のように畑に行っています。3月に入って、だいぶ暖かい日が続いていたので、畑での作業が増えてきたのです。
暖かい光を浴びて、野菜たちがぐんぐんと成長しています。

ソラマメは花が咲いて、背丈もだいぶ伸びてきました。
1歳半になった我が家のシンジ君くらいあるかもしれません。
ブロッコリーも花盛りです。
暖かくなりすぎて、少し取り遅れているかもしれません。
ブロッコリーは、花が咲く前の方がよいのですが、ちょっと花が咲きかけです。

f:id:mqchaso:20200317053918j:plain




野菜たちは季節の変化に敏感です。
われわれはそれに追いつくように作業をします。

春菊も、わさわさと伸びていました。
春菊は12月くらいからすでに、たくさん収穫していました。
1月、2月は寒さに耐えて、じっとしていたのですが、3月になって暖かくなると、復活したかのように一気に大きくなりました。

 


この日の作業は収穫メインでした。
寒い間しばらく収穫は、お休みだったので、たくさん収穫できてうれしかったです。

今週の成果物は、春菊一束、茎ブロッコリー、ほうれんそうの間引き菜を収穫しました。
こうやって、たくさん収穫していると、プロを目指せるんじゃないかと勘違いしてしまいます。

ですが、収穫したものを並べるとプロとの違いに愕然としてしまいます。
その違いはなんなんでしょう?

この春菊をみてください。

f:id:mqchaso:20200317054121j:plain


左から右に行くにしたがって、茎の太さが違いますよね。

春菊は、プロの農家からみたら金の成る木、です。
ちょっとそれは言い過ぎかもしれません。でも、そう思ったのには訳があります。
春菊は一つの株から何回も収穫できるからです。
一本の株(木)から何回も収穫してお金になるから、金の成る木です。

普通葉っぱの野菜、ほうれんそうは収穫したらそれでおしまいです
春菊は収穫しても、脇から新しい茎葉がどんどんと伸びてくるのです。
はじめに収穫するのを親、親の脇から出てくる茎を子、子の脇から出てくる茎葉を孫と言います。

f:id:mqchaso:20200317054203p:plain




言わば、我が家の春菊は、子だくさん状態です。親も子も孫も交じっている状態です。
だから大きさや太さがバラバラなんです。
プロとの違い、一番目はそこにあります。
スーパーで作られている野菜をみてみてください。きちっと束や袋の中で揃えられているのが分かると思います。
きっと、親なら親、子なら子、孫なら孫ときっちり分けて収穫や袋詰めをしているのだと思います。親、子、孫と言いますが、わさわさと育った状態では、我々素人では、なかなかそこを判別することは難しいです。

春菊以外の野菜もそうです。
ほうれんそうは、今回間引き菜でしたが、すでに、ちゃんと育っているものもあれば、虫にやられているものもありました。全部虫食いのない綺麗なものだけで、束にしようと思うと大変です。

 

f:id:mqchaso:20200317053910j:plain


たまたま一個良いものが出来るかもしれない。でも良いものでそろえようと思うと途端に難しくなります。この、揃えられるか、がプロとの違いなのです。
プロは、オール「5」を出すのです。



プロは、オール「5」を出すだけではありません。毎回オール「5」を出します。
今回は春菊をたくさん収穫することが出来ました。来週も同じように収穫できるかはわかりません。しかも、今回茎が太いものがありましたが、来週になると、細いものしかのこっていないかもしれません。
今週収穫できたが、来週は収穫できません。ではプロとして務まりません。

そろいの良いものを毎回出荷し続ける。それこそがプロ農家と家庭菜園の違いなのです。

でもね。
良いものだけを揃えるのが、すべてではありません。
揃ってなくたって、虫食いだって食べられるのは食べられます。
今回だってホウレンソウは、スーパーで売られていない、間引き菜という小さい状態で収穫しましたが、それだって食べられます。
お浸しにして美味しくいただきました。

揃っていた方が、見た目も良いし、市場ではそれが求められるのは確かです。
だからプロとしてやっていくには、やはりその技術は必要です。

でも、市場に載らない野菜が楽しめるのが、家庭菜園の醍醐味だって思います。
うまくいっても、失敗しても楽しんででできるのが家庭菜園なのです。

学校の勉強だって同じです。私は国語で「5」をとれませんでしたが、読書や書くことは好きです。
プロを目指すわけでもないから、等身大で楽しんでいこうと思いました。
それが楽しめるのが家庭菜園だと思っています。