美味しんぼ11巻レポートです。
11巻の美味しんぼは、海原雄山との対決や他者新聞社との対決など、対決を軸としたグルメうんちくが展開され、充実した内容でした。
また後半では人情系のエピソードも入っており、バランスのとれた1冊だったと思います。
特に、海原雄山との「魚の醍醐味」や「香港味勝負」はお話運びがエンターテイメントととして優れていて、ただのうんちくに止まらない、ひねりの効いた展開に心地良いカタルシスを感じました。
どんな権力者にも歯に衣着せぬ物言いでやり込めていく様は、まさに美味しんぼの醍醐味と言えると思います。
真夏の氷
かき氷からウイスキーのロックや水割りに使う水に至るまで幅広く水の重要性を問う内容で面白い。
魚の醍醐味
フグの白子の代わりとなる本物を探す食材の海原雄山とのバトル。一度鱈の白子で、雄山に敗北してからの逆転。両者を立てながら、僅かの差で山岡に軍配を上げるスマートさがあるエピソードでした。
香港味勝負
中華料理のうんちくが詰まった良エピソード。オオサンショウウオが入っていない仏跳醬に対して接待で健康をテーマにしているから今日は漢方が入っている。入れる材料で性格が変わるというのは目から鱗。
デザートに入れられた雪蛤というカエルの脇腹の脂肪。
和食やフランス料理に加えると中華のデザートは淋しいが体に良いものという点では中華が勝る。まさに医食同源。
お菓子と夢
人情系。高級志向のケーキから子供に本当に楽しんでもらえる価格設定で美味しいものを。
トンカツ慕情
豚の脂身を、沸騰した水に加えてできたラード。
ラードで揚げると表面がからりと仕上がる。
人情系。食べ物相談室の開設で無限にエピソードを重ねられるように。
フォン・ド・ボー
フランス料理はソースが命。フォンはいろんな種類が、牛肉には牛の骨で、魚には魚でフォンを取る。
鰹節と昆布だしは出しとして成分が出るように手間暇かけられているが、フォンは生の牛の骨を使うので調理に手間暇がかかります。
日本の出しと同じく、一番フォンや二番フォンがあるとのこと。