三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ フロム京都

三児 レイ アスカ シンジを育てながら、スキマ時間でカルチャー情報を発信。働き方改革時代の心豊かな生活をお届けします。

パラサイト 半地下の家族 イジワルなポン・ジュノ監督の最高傑作

今年入って一番楽しみだった映画「パラサイト 半地下の家族」を観てきました。

 

ポン・ジュノ監督最新作。 

カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。

アカデミー賞作品賞最有力。

 

これだけで十分観に行く理由になっているでしょう。

みなさん! 観に行ってね! 

 

と、それだとブログ記事が終わってしまうので、本作品を鑑賞する上での魅力や鑑賞ポイントをお伝えします!

 

以下は基本はネタバレありませんが、ストーリーには触れていますので、ご注意ください。

 

 

万人におすすめするジャンル横断型のポン・ジュノ最高傑作

 

結論から言うと、冗談抜きでめちゃめちゃ面白い作品でした。

ポン・ジュノ監督最高傑作でしょう。

 

いつものポン・ジュノ監督らしく、ジャンルのごった煮になっています。

ごった煮なんだけど、ちゃんと娯楽作品として誰もが楽しめる作品になっています。

監督の作品は、ちょっと癖があるので、これまでの作品は、誰にでもお勧めするとという感じではなかったんですが、今回は間違いなく誰にでもお勧めできます。

 

それでいて、こんなの見たことない! って感じの作品に仕上がっているから不思議です。

 

麦茶と思って飲んでいると、中身がビールだったってことありませんか?

その感じに似ているかもしれません。

麦茶と思って、ビールだったら普通は割と怒るポイントかなって思います。

お店でそんなことされたら、クレームですよね。それが今回、麦茶もビールも美味しいし、そこが絶妙にバランス取れていて全体としても美味しいということになっているんです。

だから誰も経験したことがない味になっているんですよね。

 

 

パラサイト 半地下の家族のあらすじ

 

パラサイトは、主人公家族のキム一家の家から始まります。

韓国には、半地下の構造のマンションがたくさんあるみたいです。半地下の窓は、ちょうど外の地面と同じ目線の高さになります。外で立小便している人がいれば、家の中に小便が入り込んでしまうことも。面白いのは、トイレの位置。下水管の構造上、トイレが段差の『上』にあります。ですので用を足す時はトイレまで登って足すのですね。

 

半地下だから空気もジメジメしていて、あまり生活環境としては、よくありません。

だから住んでいる人も低所得者が多く、今回のキム一家もまさに貧困家族で誰も定職についておらず、内職でその日暮を行っています。

 

ある日、キム一家に転機が訪れます。長男に家庭教師のアルバイトの話が舞い込んできます。

しかもその相手は、高台の豪邸に住むパク一家のところの娘さんです。

お兄さんは当然貧しくて、学歴もないので、妹に在学証明を偽造してもらい、パク家族に潜入します。潜入し、パク家の家族の信頼を得たお兄さんは、次の計画を思いつきます。

同じように、みんなあの手この手で、妹、父親、母親も潜入していくのです。

 

貧乏家族が、金持ち家族に寄生(パラサイト)していくんですね。

これだけでも十分に面白い設定です。

バレるか、バレないかのハラハラが楽しめる作品になっています。

 

実際に、もしかしてバレてる? からの大丈夫でしたー。

っていう展開が何回か登場します。

 

ポン・ジュノのいじわる演出の数々

でも、それだけじゃない。

ポン・ジュノ監督は、イジワルな演出が多いんです。

母なる証明でも、明らかに観客にミスリーディンングを誘う演出が取られていたりしました。

 

今回もそうです。

 

中盤に、パク家がキャンプに出掛けるシーンがあります。その留守の中、キム家はやりたい放題なわけです。

 

ちょうど絵本で「めちゃくちゃるすばん」ってタイトルの絵本を思い出しました。親が外に出かけるのを良いことに子供がお菓子を食べ散らかしたりするっていうストーリー。それです。

キム家はそこにお酒も入るからタチが悪い。

そして外は大雨。もう、悪い予感しかしないわけです。

 

これまた意地悪な演出だから、キム一家が悠々と過ごす様子が、かなりゆったり描かれています。観てるこちらの方は、いつ帰ってくるんじゃないかとドキドキです。でも、ドキドキしているとさらにびっくりな展開が押し寄せます。

 

お話の展開と、ジャンルの飛び越えみたいなのが絶妙にマッチングしているんですよね。

ハラハラドキドキしていたかと思うと、急に社会的なメッセージをこちらに投げかけてくるような展開になったりと、とにかく色んなところでも言われてますが、先が読めないのです。

 

本作品は紛れもなく、「格差」が描かれています。社会的なメッセージというのはこのことです。

この格差は、作中で「高低差」として描かれています。

ベッドの上と下。階段の上下。ソファの上と階段の下。そして、高台と半地下……。

 

ハラハラドキドキもこの高低差を使ってたくみに描かれていますし、まさに格差を文字通り、高低差を使って表現されています。小さな段差から大きな街の構造、家族同士の上下関係まで、色んなものがこの高低差で描かれているので要注目です。

 

特に、途中高台のパク家から、半地下のキム家へと帰るシーンは、格差社会の現実を見せつけられる名シーンになっています。しかも、はじめに言ったジャンルの展開が一番スリリングになっています。それまでコメディ的にゲラゲラ笑っていたのに、主人公家族が急に陥る絶望と社会の現実を目の当たりにして、観ているこちらも気まずくなるようなそんな展開になっているからですね。

やっぱりポン・ジュノ監督はイジワルですね。

 

 

とにかくはじめから最後まで監督の企みに満ち溢れた今年文句なしの傑作になっています。

コメディで笑いもある。

家族愛に泣かされる。

ホラーでドキドキする。

サスペンスであっと驚かされる。

社会派で考えさせられる。

 

その全てが詰まった極上のエンターテイメントになっていますのでみなさん是非ご覧ください。