三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

読書というパズルをKindleの画面読み上げで攻略する

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読書とは、パズルを組み立てる作業と考えることができる。

読書をパズルとするなら、文やパラグラフは、パズルのピースである。

ピースである文と文、ピースのかたまりであるパラグラフとパラグラフの繋がりを理解することで、一冊の本の全体像が見えてくるのだ。

 

ただし、頭の中でパズルを完全に組み上げることは意外と難しい。

パズルのピースひとつひとつは理解できたとしても、全体像が理解できていないことがあるのだ。

 

本を読んでもあまり頭に残っている感じがしない。

1ヶ月も経てば、どんな内容だったか思い出せない。

下手したら、読み終わったその場でも、この本がどんな本だったか説明できない。

そんな経験はないだろうか?

 

それは、パズルが言わば、歯抜けの状態だからだ。

 

本を読んで、全体像は理解できたが、ディテールが思い出せないことがあるだろう。

どんな絵かは理解はできるが、ところどころ歯抜けのピースがあるわけだ。

 

あるいは、この章は理解できたけど、この章は理解できなかった場合もある。

それは、あるエリアのピースの塊がスッポリ抜け落ちたパズルである。

 

どうすれば、歯抜けにならずに読書をすることができるだろうか?

最近、この読書という名のパズルを、効率よく組み立てられる方法を発見した。

それはスマートフォンの読書アプリ「Kindle」の画面読み上げ機能だ。

 

KindleAmazonが出している読書アプリ。

アマゾンで購入した電子書籍スマホタブレットで読むことができる。

そのKindleで表示された本の文面を、スマホの画面読み上げ機能を使って機械に読み上げさせるのだ。

 

元々、この機能を使おうと思ったのは、スキマ時間に読書ができると思ったからだ。

 

コンテンツ戦国時代とも呼ばれる、現代社会においては、読書の時間を確保するのは難しい。

私もそう。読書は好きな方だが、月に一冊か二冊か読めれば良い方だ。

 

普段は仕事に行きながら、ブログも書いている。

さらに、映画やゲームも好き。そうなると読書にまわす時間なんてほとんどない。

 

おまけに我が家には、3人の子どもたちがいる。

映画も、ゲームも、ブログも、子どもたちが寝静まったわずかな時間を狙う。

起きている間は、ほぼ100%妨害にあって、ほとんど集中出来ないからだ。

 

その中で、さらに本も読みたいという、困ったな、の状態だった。

そんな時、勝間和代さんのyoutube動画で「Kindleの画面読み上げ」を知ったのだ。

勝間和代さんのyoutubeライフハック的な情報がコンパクトに紹介されていておすすめである。

 

この画面読み上げの機能を使えば、読書効率をあげることができると期待していた。

 

例えば、通勤時間、電車に乗っている時だけでなく、駅まで歩く間も読書で活用することができる。家で炊事、洗濯をしている時でも、作業をしながら本を聴くこともできる。

 

早速、Kindleストアで「若い読者のためのアメリカ史」を購入し、通勤時間やながら作業時にKindleの画面読み上げにチャレンジした。

 

結論をいえば、この方法は、期待していたようなスキマ時間を埋めるものではなかった。

 

この読書法は、言わば、「本を聴く」ことになる。

このことをオーディオブックとして展開している事業者もある。

ただ、今提案しているkindleアプリの画面読み上げは、厳密にはオーディオブックではない。

オーディオブックでは、実際に本を朗読する人の声が録音されたものを聴くことができるのだ。

Kindleアプリは単にスマホの読み上げ機能を使っているだけだ。

 

したがって読み上げられる言葉は機械音になるし、抑揚もほとんどない。

漢字の音読み、訓読みも誤りが多い。

つまり、聞いている時に、引っかかりが多く、聞いたものを頭で理解するプロセスが必要になるのだ。

 

一方、今回読んだ「若い読者のためのアメリカ史」は、一般書と専門書のあいのこ、のような本。

中身はアメリカの歴史500年を振り返る、いわゆる歴史本である。

でも、「若い読者のための」と書いているだけであって、中身は平易な書き方で読みやすい。

 

「若い読者のためのアメリカ史」のコンセプトは、一人一人の人物の物語の積み重ねが、歴史を作り上げていくというものだった。

いわゆる歴史の教科書的なスタイルではなく、物語調にアメリカの歴史が語られていた。

だから、この手の本としては、大変読みやすい部類になっていると思う。

 

とはいえ、扱っているのはアメリカの歴史だ。

アメリカの地名や州名が当然のように書かれている。

歴史上の人物などについても、ある程度の予備知識があった方が、理解が深まるだろう。

 

逆をいえば、読んで調べたりしながらでないと、地理関係や人物像が頭でイメージ出来ないのだ。分からない単語があると、そこで引っかかるのだ。

 

ここがkindleの読み上げ機能の最大の誤算で、聴いていても、用語の面で引っかかりが多くなり、頭に入ってきづらいのだ。

 

このことは、家事をしながら、とか洗濯をしながら、といった場面での、読書には向いてないことを意味する。

というのも、読み上げで聴く音声を理解するのには集中力が必要になるからだ。

なかなか、作業しながらだと、そこのところが頭に入ってこない。

 

一応、Kindleの画面読み上げでも、集中して聞けば、読み上げられている内容は十分理解できる。でも、ながら作業となると話は別だ。

アメリカの歴史といった専門書のたぐいになってくると、なおさらである。

 

考えてみれば、普通に文章を本で読む場合でも、内容を理解するためには、目で文を読み、頭で理解する必要がある。つまりは、読書はもともと集中力が必要な行為なのだ。

Kindleの読み上げでは、目で読むのが、耳で聴くに変わっただけで、頭で内容を理解するプロセスには変わりはなかったのだ。

 

仕方なく、Kindleの読み上げで、音声を一度聞いてから、もう一度Kindleで今度は普通に目で読むことにした。

 

すると、ある発見があった。

 

一度、Kindleの読み上げを聞いておくと、次に実際に普通に読んだ時の理解が格段に増すことが分かったのだ。

ながら作業であまり理解できなかったとしても、キーワードや、何ついて話しているかぐらいはは、ぼんやりと頭に入ってくる。

その分、次に普通に読んだ場合の理解が全然違うのである。

 

読書をパズルに例えるなら、Kindleによる画面読み上げはパズルのピース探しである。

どんなピースがあるか、あらかじめ分かってから組み立てると、ピースをつなげやすいのである。

 

先のアメリカの歴史本でいえば、ある章でフランクリン•ルーズベルトがメインで語られていたとする。Kindle読み上げ機能でキーとなるピースがフランクリン・ルーズベルトだと分かっていれば、その後の読書でより理解を深めることが出来るのである。

もし、フランクリン・ルーズベルトを知らなければ、Wikipediaで概要を調べておけば、次の読書での理解の補助になるのである。

 

はじめに聴いて理解できなかったことが、読書では謎解きのような楽しさにつながるのだ。

 

それに気付いてからは、Kindle読み上げと目で読む読書を併用して読み進めた。

そして、「若い読者のためのアメリカ史」を読了。

同作は、464ページにも及ぶ大作。それを制覇した時の感動はひとしおだった。

 

でも、この併用法のおかげでかなりアメリカの歴史について理解が深められた。

 

Kindleの読み上げで予習するのは、読書時間としては、余計に時間がかかっているとも言える。

でも、Kindleの読み上げは、概要を理解する、読み解くためのピースを集めるため、と割り切って行えば、炊事洗濯をしながらでも十分可能だ。

 

炊事や洗濯といった、もともと読書に活用できていなかった時間を、いわば予習の時間にあてることで、限られた読書の時間を有意義に実践することが出来るのである。

 

コンテンツ戦国時代、月一冊でも時間を確保するのは難しい。

それであれば、このKindleの画面読み上げを使って、月一冊の理解を充実させてみてはどうだろうか?