菜園で一番子供が収穫を楽しみにしている野菜があります。
スイカです。
うちの子供たちはみんなスイカが大好きです。
夏の暑い時期に食べるそれは確かに最高です。
一般家庭だと、一玉はかなり大きいと思いますが、我が家ではペロリです。
3人の子供たちがあっという間に、胃袋に収めます。
昨年作ったスイカは、ファーストラッキーだったのか、すごくたくさん実をつけることが出来て、何回か収穫することが出来ました。あまり甘さはありませんでしたが。
野菜の中でも、うまく作るのが難しいのがスイカです。
とはいえ、昨年うまくいったから、調子に乗って今年もスイカの苗を購入しました。
娘も「私が水をあげる」と意気込んでいました。
水やりを積極的にしてくれたのは、はじめの三日くらいでしたが。
緊急事態発生
ところが緊急事態発生です。
同じタイミングで植えたトマトやナスが順調に育っているのに対して、
スイカの苗といえば、葉っぱがクルクルと巻いて、大きさも全然大きくなっていません。
葉っぱも黄色っぽくなっています。これは明らかにおかしいっていう状況でした。
原因はおそらく、三つに絞ることが出来そうです。
虫にやられて?
虫にやられると苗全体が枯れてしまうことがあります。
特に今回葉っぱが巻物のようにくるくると巻いてます。
こういう時はアブラムシが葉っぱの裏についているかもしれない。
葉っぱの裏をめくりましたが、アブラムシの様子はありませんでした。
環境の変化にやられた?
苗の時期というのは、言わば赤ちゃんです。
赤ちゃんは、環境の変化に弱いです。特に気を付けてあげなければいけません。
8月に生まれた我が家のレイちゃんも、12月に生まれた次女のアスカちゃんも、それぞれ暑さと寒さが激しい時期だったこともあり、ほぼ1日中エアコンの効いた部屋で育てていたのを思い出します。
そんな敏感な時期の赤ちゃん苗。
ポットの状態から、畑という大海原に植えられる。
可愛い子には旅をさせよ。
と言いますが、巣立ったスイカの苗はいざ、大人への道を歩み始めます。
変わった環境に身を適合させられるかどうかは、スイカの苗次第です。
もしかしたら、まだ旅立つには早すぎて、赤ちゃんは、いじけてしまったのかもしれません。
5月とはいえ、雨も降って、気温が低いも続きました。
寒さに当たってしまったのかもしれません。
肥料のやりすぎか
実は環境の変化以外にも思い当たる節があります。
それは肥料をやりすぎたかもしれないということです。スイカの肥料は、実際に苗を植える1週間前に元肥として地中に肥料を埋めておきます。
言われてみれば、その肥料をあげる作業は私の娘であるレイちゃんがしていました。
子供の農作業あるあるですが、なんでもたくさんあげてしまうことがあります。
よく水やりとかも、農業体験で子供にやらせてしまうと、ついつい水をやり過ぎてしまうのです。
そう、その時もレイちゃんも嬉しくなって、たくさん肥料をあげていたかもしれません。
でもまぁ、良いやと思ってそのままにしていたのを覚えています。
肥料というのは、野菜にとっての栄養分ですが、多ければ良いというものでもありません。
肥料は水に溶けて初めて、効きます。
今、我が家で使っているのはスタンダードな固形肥料です。
コロコロの種のような肥料は、土の中の水分で溶け出します。
夏場は水やりついでに、肥料を溶かすと良いでしょう。
肥料は水に溶けて、植物に吸収されるのです。
肥料はカルピスみたいなもんです。
あまり肥料が多すぎると、水に溶けた時、カルピスはめちゃくちゃ濃くなります。
それは野菜にとっても嫌なことになります。
人間で想像してみましょう。
同じ砂糖水でも、濃すぎる砂糖水であれば人間には飲めたものでもなくなってしまいます。
つまり、野菜は、場所を移動させることが出来ないので、強制的にこの高濃度のジュースを飲まされるわけです。
想像するだけで、うっとなりますよね。
うっとなるだけならまだしも植物にとってはそれが致命傷になることもあります。
もしかしたら、今回それが原因でスイカの苗がやられてしまった可能性があると思いました。
今まで三つの原因で、スイカの葉っぱが巻いてしまった理由を書いてきました。
でも、正直がどれが原因かはわかりません。
もっというと、どれも原因と考えることもできます。
環境の悪いところにめちゃめちゃ濃いカルピスを飲まされて、いじけてしまったのだともいえます。
元の土で病原菌が蔓延していた可能性もあります。
なまじ昨年スイカで大成功だった分、今回もうまいこといくだろうと、あまり気にせずに進めてしまいました。丁寧さに欠けたんだと思います。
スイカに限らず、苗というのは一番不安定な状態です。
野菜を植えるときは、赤ちゃんを取り扱うような気持ちで、ベッド(土)も、栄養(肥料)もきちんと赤ちゃんを迎えるセッティングをしてあげる必要があったのです。
苗を植えてからの1、2週間が終われば、本当の意味で、我が子は新しい世界に旅立ちます。
その頃にはもう、地中に根を張り、十分たくましくなったのだと言えるのです。
今回、2年目のスイカは失敗したということでお恥ずかしい限りでしたが、
子供たちの大好きなスイカのためにももう一度植え直そうかと悩んでいます。