三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

しそジュースの謎

f:id:mqchaso:20201002235724j:image

「昔の人は、どうして、しそをジュースにしようと思ったのだろう?」

 

高校生のとき、友人の家でしそジュースをふるまわれたことがあります。

その時のしそジュースの美味しさは今でも心に残っています。

氷がたっぷり入ったグラスに注がれたしそジュースは赤色が綺麗で、夏の蒸し暑さにだれた私に、清涼感を与えてくれました。

 

ただ、しそは葉っぱです。

どうして、昔の人は、葉っぱをジュースにしようと思ったのか、私には不思議でなりませんでした。

確かに、あの香りの豊かさはジュースにあうのかもしれません。

とはいえ、所詮は葉っぱです。

 

ミカンやイチゴ、ブドウをジュースにする。もともと甘味のある果物をジュースにするという発想なら、わかります。

 

葉っぱを、よもやジュースにしようという発想が、若い自分には到底理解できるものではありませんでした。

 

それから20年の月日が経って、ようやくしそジュースの理由がわかった気がしています。

 

きっかけは菜園でした。

我が家では数年前から、家庭菜園用に貸農園を借りています。

妻の発案で、昨年からはしそも

育てるようになりました。

しそといっても、赤いしそではなく、青しそです。

 

育ててみてはじめて、家庭菜園でハーブや香り野菜を育てるのは理にかなっていることに気が付きました。

自分が使いたい時に、使いたい量だけ収穫できるからです。

 

スーパーでハーブ類を買うと、わりにあわないと感じることが多いです。

大葉を買ったけど、使い道が見つけられずに捨てた経験があるのは、私だけではないはず。

そういうわけで、好きなときに収穫できるのは楽しみでした。

 

でも、その時は知らなかったのです。

しそは、田舎では雑草扱いだってことを。

 

そう、しその生命力は、私の想像をはるかに超えていました。

 

1年目はまだそうでもありませんでした。

しそは、ちょろちょろ生えてくるくらいでした。

 

 

でも、2年目になると種が残っていたのか、一気に成長してきました。

f:id:mqchaso:20201002235900j:image

 

隣でスイカを育てていたのですが、スイカなんてなんのそのでしそは成長します。

 

はじめは、つまものとして、当初の目論見通り、必要な分だけ収穫して持って帰っていました。

 

でも、大葉なんて毎回毎回料理に使う野菜ではありません。

だんだんと成長スピードに、収穫がまったく追いつかなくなってきました。

 

仕方なく、大量に収穫した大葉を、となりの家のおばあさんに分けてあげました。

その大葉は、韓国風のエゴマのヤンニンジャン漬けのような、ご飯に大変あう料理にして返してくれたのです。

 

このときばかりは、本当に菜園をやっていてよかったと思いました。

余った大葉を大量消費できたばかりか、おばあちゃんの手によっておいしい料理に代わったのですから。

 

ただ、おばあさんを頼りにしたのも束の間、まだまだしそはあります。

 

そこで、はじめて私は出会いを果たすことになります。

 

スマートフォンで、「しそ 大量消費」で検索すると、大量に出てきました。

しそジュースのレシピです。

 

「そうか、その手があったか」

心の中で、私はガッテンをしていました。

 

田舎では、しそは雑草扱いと言いました。

でも、雑草とはいえ、しそは香り豊かな植物です。

昔の人は、なんとかこれを活用しようと知恵を絞ったのだと思います。

 

大量にできたしそをどうするか?

清涼感のある香りを活かして、ジュースにして夏の涼をとることを考えたのです。

 

一枚一枚なら思いつかないようなことも、大量のしそを目の前にしてようやく発想できたのです。

 

さっそく、しそを収穫することにしました。

今度は、チマチマと葉っぱを収穫するのでなく、株ごと根本から切り取ります。

普段は、しそは、葉っぱが伸びる先の柔らかい部分を収穫します。

 

ジュースが目的なので、葉っぱの大きさや傷などは気にせずに収穫できます。

しそというのは、揉んだり触れたりするとふわっと香ります。

株ごと収穫している分、香りはいつもより強めに感じました。

 

帰ってから、子供たちと一緒に収穫したしその葉を枝から切り取る作業をします。

 

 

そして、葉っぱを鍋に詰め込んで煮出します。

しそだけでは、甘味にかけるので、砂糖も加えます。

f:id:mqchaso:20201002235805j:image

 

 

最後にクエン酸を加えてほどよい酸味を出します。

これで完成!

 

 

子どもたちも喜んで飲んでいました。

 

一番下のシンジくんは、「しそじゅ~ちゅ」と言っておかわりを求めるほどです。

 

見た目ただの葉っぱにも関わらず、ジュースにしようと思ったのは昔の人たちです。

 

スマホどころかインターネットすら無い時代。

先人の知恵には驚かされます。

 

しそジュースにまつわる長年の謎が解けて、ジュースの後味もさわやかに脳内もスッキリです。