「もう一回読んでー」
子供に絵本を読み聞かせたときの「おねだり」です。
おねだりは面倒。でも一方、おねだりがあったら読み聞かせに成功したんだと思います。
仕事も育児も趣味も妥協しない。
私はこの言葉を、本ブログのテーマとしてかかげ、これまで3人の子どもを育ててきました。
特に読み聞かせについては、父親としてこだわってやってまいりました。
これまで、3人を相手に100冊以上の絵本を読んできたと思います。
これまで読んできた絵本の中には、一回読んで終わったものもあれば、何回も何回も繰り返し読んできたものもあります。
繰り返し読んできたものは、我が家での名作として定着しています。
子ども3人が読んできた絵本が名作となった理由
我が家の名作のひとつは、こどものとも「こっぷ こっぷ こっぷ」です。
本当に何回も読んできました。
何しろ、長女、次女、長男と3人分です。
子どもたちは3人とも個性があって好みも違いますが、この絵本は3人とも喜んでいたと思います。
絵本自体は、言葉も少なく、非常にシンプルです。
はじめに空のコップのイラストが描かれています。
次のページには、コップにジュースが注がれた状態になります。
そんな調子で、今度は、
おちゃわんにごはんが入ったり、
おわんにおつゆが入ったりします。
最後に、すべてのごはんが揃って、いただきます、といって終わります。
そんな単純な絵本にかかわらず、なぜ我が家で名作になったのでしょう?
ポイントは、読み聞かせにあります。
我が家では、最後のいただきます!の後に、「食べるモノマネ」をします。
これが、子どもたちに大ウケ。
大人の動きにあわせて、こどもたちもごはんを食べたり、おつゆを飲んだり、トマトの食べまねをしたりして遊びます。
それが楽しくて、「もう一回読んでー」とリクエストがあるわけです。
この効果はすごいです。
この絵本自体は、乳幼児むけであるにもかかわらず、4歳になった次女も楽しんでくれます。
食べるモノマネ一言で、「こっぷ こっぷ こっぷ」は名作となったのです。
ここでお聞きしたいのですが、みなさんの家庭ではどんな絵本が名作になっていますか?
名作となる絵本は親の読み聞かせ
実は、どの絵本が名作になるかは、家族によってそれぞれなのではないかと思っています。
もちろん、定番として知られている絵本はたくさんあります。
でも、家庭で繰り返し繰り返し読まれるものについては、家庭差があると思っています。
子どもからしたら、その絵本が面白いかどうかは、親がどんな読み方をするかどうかにかかっているからです。
絵本のなかには、ストーリーを楽しむものもありますが、小さい子ども向けの絵本では、言葉の音の響きやリズムを楽しんだりするものも多いです。
そんな場合、絵本を棒読みするだけでは、子どもを楽しめません。
絵本「こっぷ こっぷ こっぷ」もまさにそうで、それ自体はとてもシンプルで、単調な絵本です。
絵本単体でも、ある程度のクオリティはあるのでしょう。
しかし、3人の子どもたちが、繰り返し繰り返し楽しみたい、4歳の子どもでも楽しみたいと思うレベルを考えると話は変わります。
我が家で実践している、「食べるモノマネ」があってはじめて名作となったのです。
絵本はピースの欠けたパズル
絵本というコンテンツは、ピースの欠けたパズルのようなものです。
それ単体では、コンテンツになりません。
理由は、大人が呼んで聞かせてあげないといけないからです。
絵本は、イラストとことばで構成されています。
絵だけを楽しむことも出来ますが、そこには言葉も書かれています。
ところが、小さい子供というのは、文字を読むことができません。
だから、親が読み聞かせによって、代わりに読んであげる必要があります。
これが絵本が欠けたパズルである理由です。
子どもからすれば、親が読んではじめてコンテンツとなるのです。
親の読み聞かせが最後のピースなのです。
最後のピースのはめ方で、子供が楽しむかが決まります。
「こっぷ こっぷ こっぷ」は食べる演出をしました。
乗り物の絵本であれば、膝の上に乗せている子どもをまるで、車に乗っているようなアクションを読むことで、臨場感が増すのです。
そう、家庭にいながら、映画の4DXみたいなものです。
怖い絵本は、怖い調子で。
楽しい絵本は楽しい調子で。
文字を読むことのできない、子供に雰囲気を伝えるのは、親の役目なのです。
そして、親はその子供の反応をみながら、読み方をまた変えます。
そうやって、子供が一番喜ぶ読み方をさがします。
こうやって、子供と一緒に名作を育てていくのです。
3人の子どもを育てるなかで、もちろん、名作はこの絵本だけではもちろんありません。
これまでたくさんの絵本というコンテンツをこどもの楽しむ様子をみながら、育ててきました。
これからも、どんな絵本を楽しんできたか、お伝えしていきたいと思っています。