三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

冬野菜が寒さで紫色になる理由 原因は野菜の日焼けにあった

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今年は、本当に地球は温暖化しているのかというほど寒い年末年始でしたね。

私はといえば、例の感染症で、遊びに行くこともできていなかったので、家庭菜園の作業で過ごしていました。

 


時期はずれの野菜の種まきにも挑戦しました。

ツイッターのタイムラインを見ていると、みんな冬場に堆肥を入れたり、土を掘りかえしたりして、地中の虫を殺す作業をしています。

今思えば、無理に新しい野菜の種まきをしなくても、今度の春に向けて土作りをしておけばよかったと後悔です。

 


さすがの寒さで、我が家の農園も随分とやられてしまいました。

昨年、年越しして収穫することができたキクナたちも今年は寒さにやられています。

一方で今年初めて植えたタアサイは、寒さに強いとの前評判通りあまり寒さにやられていない様子です。

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やっぱり野菜によって、寒さに強い弱いがあるんですね。

そんなことを思いながら、大きくなったかぶを引っこ抜くとあることに気づきます。

 


あれ? 紫になっている。

そう、かぶの表面が紫色に染まっていることに気づきました。

カブは菜園を借り始めて以来、毎年のように作っていますが、こんな紫色になるのは、初めてです。

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どうしたんだろう?

寒さにやられたんだろうか?

 

 

私のこの推測はおそらく当たっていると思います。

野菜で紫になると言えば、キャベツやブロッコリーの事例があるからです。

キャベツやブロッコリーは寒さにあたると、紫色に変色するのを知っていました。

だから、カブだって、寒さにあたると紫色に変色するのには驚きました。

 


それくらい、今年の年末は寒かったということでしょうか。

 

 

それにしても、寒さにあたるとどうして紫色に変色するのだろうか?

きっと寒さに対するストレス反応だから、きっと野菜にとっての霜焼けのような現象なんだろうと思っていました。

今回は、少し疑問に思ったのでしらべてみることにしましたので紹介します。

 


答えは意外なものでした。

 


なんと、あの冬野菜が紫色になるのは、野菜が日焼けをしていたのです。

そう、その答えは私にとっては、直感とは反対のものでした。

何せ寒さにあたると紫色になると思っていたのが、日焼けだというのですから。

ただ、寒さにあたると紫色になるというのも、あながち間違ってはいませんでした。

思ったよりも、紫色への変色は、複雑な現象だったのです。

 


そもそも日焼けって?

 

冬野菜の日焼けを理解するには、そもそも日焼けってなんだろうか?

ということを考える必要があります。

 


日焼けといえば、夏、海で泳いで、思いっきり体を太陽の下に晒した後、肌が真っ赤になって、だんだん肌が黒くなって行いく。あの現象です。

 


そう日焼けというのは、太陽の光の紫外線に対する防御反応です。

実は太陽の光って、我々人間にとって、敵になります。

時に、その強さは殺人的です。

真夏の太陽のもと、帽子を外して少しの間すごすだけで顔は真っ赤になるでしょう。

真っ赤になるだけだったら、良いですが、その後、どんどんヒリヒリとした痛みが広がっていきます。

ひどい時には、お湯がしみて痛くてお風呂やシャワーを浴びることができない状態になってしまいます。

そんな状態で、これ以上紫外線を浴びてしまったら、もう体は持ちません。

そこで、ヒトは肌の表面に黒色の色素(メラニン)を集結させて肌に防衛線をはります。

体の内部まで、紫外線が侵入するのを防ぐためです。

そうして、体が肌黒くなっていくのが「日焼け」です。

 

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日焼けのイメージ

 


そう実は秋冬野菜の体の中でも、同じことが起きているのです。

ただし、野菜の場合は、黒色のメラニンではなく、紫色のアントシアニンです。

ポリフェノールの一種で、メラニン同様、光を防御するために、表面に色素を集結させているのです。

 


野菜が日焼けするのはおかしい?

 

日焼けの話を聞いて、なるほどと思ったでしょうか?

しかし問題はこれからです。

ここまで話を聞いた人は、逆にいろんな疑問が浮かんでくるかもしれません。

 


今話をしているのは、秋冬野菜の話。

日焼けと言えば、真夏の海を思い浮かべます。

そこまで紫外線が強くない冬場は関係ないのではないか?

 


もう一つは、日焼けはあくまで人間の話。

野菜は植物です。植物といえば、光合成をします。

つまり光をエネルギーに変えて生きている生物です。そんな生物が、太陽の光に負けて日焼けするなんてあり得るのでしょうか?

 

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冬の日焼けの理由は、光合成のプロセスにありました

 


植物は光合成を行なって、栄養分を作ります。

光合成には二つのプロセスがあります。

1.光を受け取ってエネルギーに変える。

2.  そのエネルギーを使って栄養分をつくる。

 


光を受け取るプロセスと、その光から取り出したエネルギーを工場に送って製品化するプロセスがあるのです。

 


冬になると植物は寒くなってほとんど成長しません。

じっと縮こまって寒さに耐えているのです。寒さに耐えるために植物は体の活動を止めているのです。余計なエネルギーを使わずに済ませるためです。

 


そう、寒い冬の間、栄養分を作る工場が止まってしまいます。

そうなると野菜にとっては、過剰に光を受け取ることになるわけです。

 


真夏であれば、植物の活動も活発です。工場フル稼働で栄養を製造することができたでしょう。

冬場は工場が止まってしまい、さばききることができない量の光が体に溜まってしまうわけです。

 


いくら植物とはいえ、光合成に活用できなければ、紫外線は毒になりえます。

ヒトと同じく、防御する必要があるのです。

そこで、アントシアニンで体にバリアをはる訳です。

つまり、日焼けということです。

 

 

 

人間は、寒くても体温を一定に保つ機能があります。

光エネルギーは利用できませんが、年中工場フル活用です。

でも野菜はそうには行きません。光がさばけなければ、人間はどうだってない光だって、毒になりえます。

 


紫色ができる直接の原因は、確かに光です。

でも、その裏には、やはり冬の寒さがありました。寒さにあたると紫色になると言われるゆえんです。

 


秋冬野菜の紫色の原因は、日焼けだというお話をしてきました。

普段何気なく接している野菜の裏にある現象に目を向けると思いもよらないメカニズムが隠されたりしています。

そんなことに思いを馳せながら栽培すれば、より菜園が楽しくなると思います。

ぜひ一緒に調べながら楽しみましょう。