三児の父はスキマ時間でカルチャーライフ

仕事も趣味も育児も妥協しない。週末菜園家が、三児の子どもたちを育てながら、家事と仕事のスキマ時間を創って、映画や農業で心豊かな生活を送るブログ

冬は家庭菜園をメンテナンスしよう

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ビギナーズラックだった1年目

私は3年ほど前から家庭菜園で野菜を育てています。
仕事しながら、育児しながらでの栽培なので、実際は週末にしか菜園作業出来ていません。


それでも、自分で種を撒いて育ててきた野菜を収穫するのは楽しい体験です。

時間をかけて育てる分、愛着が湧きますし、新鮮なのもあると思いますが、自分で育てた野菜は美味しく感じます。


私が借りている菜園は、区画ごとに借りることができて、1区画は12平米です。

はじめて野菜を育てるのであれば、大きすぎず小さすぎず、ちょうど良いと感じています。
とはいえ、利用料は月額4,000円。私が借りている菜園は街中なので値段も高いです。


もったいない根性もあって、私は常に野菜を栽培できる状態にしたいと思って、野菜の収穫を終えた後、すぐに次のタネをまくなど、できるかぎり周年で栽培が出来るようにしてきました。

今年の秋冬も、秋に植えたカブやほうれん草を収穫した後、すぐに冬撒きの人参のタネをまいたりもしました。

 

しかし、実はそれがあまりよくないことだということに最近になって気づいてしまったのです。


そもそも予兆は夏野菜を栽培しているときから感じていました。

畑をはじめてはじめての年は自分でもびっくりするくらいに成功しました。


トマトはたくさん収穫できたし、スイカも何個も大きなものを収穫することに成功しました。

それこそ収穫に飽きてしまうくらいでした。

 

しかしながら、次の年はうまく出来ませんでした。植えたキュウリは枯れてしまいますし、トマトも病気のような症状が出てしまいました。

 

子どもたちと楽しみにしていたスイカも今年は中くらいの大きさの玉が一つ収穫できただけでした。

 

そんなことがあったので、私は1年目に成功したのは、ビギナーズラックだと思っていました。しかしそれには理由があったのです。

 

もちろん、天候の問題もあったでしょう。でも、そこには運だけの問題ではなかったのです。


野菜づくりにとって土は資産

 

気づいたのは、最近始めたツイッターでした。

同じく家庭菜園しているひとをフォローしているのですが、多くの人が、この寒い冬の間に春に向けた土づくり作業を行っていたのです。

私のように連続で次々と野菜を植えているような人は少数派だったのです。

 

よく書かれている内容を調べると気付きました。

土というのは、野菜にとっての資産であったことに。

 

動物のようにあちこち動きまわることのできない野菜たちは、自分たちが根差した土地に依存して生活しています。

 

だから、土というものを大事にする必要があるのです。

 

私は土地を有効活用するために、野菜の収穫を終えたら次々と次の野菜を植えていく戦略をとっていました。

 

これがいけなかったのです。

 

実は、野菜づくりをすればするほど、土という資産は目減りしていくのです。野菜は土の栄養分を吸って成長します。野菜を育てれば育てるほど、土は痩せ細っていきます。

 

さらに、目減りするどころか、野菜自身に対する悪影響すら与えることすらあります。
土は野菜を育てていくと虫や病気で汚されていきます。

 

トマトやきゅうりが病気になったのは、1年育てた後の汚れた土を使っていたからです。


必要なのは土のメンテナンス

 

それではどうすればよいのでしょうか?
汚れて痩せ細った土は年に1回メンテナンスをすればよいのです。


車でも何年か一回メンテナンスを実施するように、土もメンテナンスが必要だったのです。

実はこのメンテナンスに最適な時期は決まっています。


それが冬です。


野菜は基本的には暖かいところで育ちます。
寒い冬の間で野菜が育たたない時期にメンテナンスするのが良いと分かりました。

具体的にはどうすればよいのでしょうか?


まずは汚れた土の洗浄です。
土には病原菌が住み着きます。冬の場合は、虫が越冬するために土の中に卵があったりします。春から夏に向けて、病気や虫が発生しないように、冬の間に対策をしておく必要があります。

 

それが天地返しです。土の下の方の部分を掘り起こして、土の表面に上げて外気にさらす作業です。
病原菌や虫が土の中で冬を越すのは、暖かいから、です。


それであれば寒い風の下にさらしてあげたら良い。
土の中にいる虫を土の外に強制的に取り出して物理的に殺してしまうやり方です。寒い冬だからこそできる方法です。

 

もう一つはたい肥づくりです。
堆肥を入れるのは、空になった電池を充電するのに近いといえるかもしれません


1年間野菜を育てていくと、元々土の中にあった有機物が消費されて痩せ細ってしまいます。
そこに堆肥という新たな有機物を入れることで、野菜が育つエネルギーが充電されるというわけです。

 

自然界においても、森で植物が育ち、動物の死骸が森林の土に還っていき、土の中の微生物が分解した栄養でまた植物が育つ、いわば自然の循環と言えます。

 

リサイクルされる充電池のように有機物の循環を意識的につくっていく必要があるのです。


その意味で、野菜をずっと同じ場所で作りつづけるのでなく、休ませる期間が必要なのです。

野菜に限らず、どんなものでも1年間休まず稼働することはいずれ支障をきたすことになります。どんなものでもエネルギーを補充する充電期間が必要になります。

 

エネルギーを補給しながら、メンテナンスも行うことで、次の野菜づくりをより良いコンディションで育てることが可能になる。結果的によい野菜づくりにつながるのです。

 

寒い冬は作業がないと思っていました。
ところが、実際には冬には必要なメンテナンスがたくさんありました。


早速、近日中に空き地の掘り返しをしてみたいと思っています。

 

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冬野菜が寒さで紫色になる理由 原因は野菜の日焼けにあった

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今年は、本当に地球は温暖化しているのかというほど寒い年末年始でしたね。

私はといえば、例の感染症で、遊びに行くこともできていなかったので、家庭菜園の作業で過ごしていました。

 


時期はずれの野菜の種まきにも挑戦しました。

ツイッターのタイムラインを見ていると、みんな冬場に堆肥を入れたり、土を掘りかえしたりして、地中の虫を殺す作業をしています。

今思えば、無理に新しい野菜の種まきをしなくても、今度の春に向けて土作りをしておけばよかったと後悔です。

 


さすがの寒さで、我が家の農園も随分とやられてしまいました。

昨年、年越しして収穫することができたキクナたちも今年は寒さにやられています。

一方で今年初めて植えたタアサイは、寒さに強いとの前評判通りあまり寒さにやられていない様子です。

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やっぱり野菜によって、寒さに強い弱いがあるんですね。

そんなことを思いながら、大きくなったかぶを引っこ抜くとあることに気づきます。

 


あれ? 紫になっている。

そう、かぶの表面が紫色に染まっていることに気づきました。

カブは菜園を借り始めて以来、毎年のように作っていますが、こんな紫色になるのは、初めてです。

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どうしたんだろう?

寒さにやられたんだろうか?

 

 

私のこの推測はおそらく当たっていると思います。

野菜で紫になると言えば、キャベツやブロッコリーの事例があるからです。

キャベツやブロッコリーは寒さにあたると、紫色に変色するのを知っていました。

だから、カブだって、寒さにあたると紫色に変色するのには驚きました。

 


それくらい、今年の年末は寒かったということでしょうか。

 

 

それにしても、寒さにあたるとどうして紫色に変色するのだろうか?

きっと寒さに対するストレス反応だから、きっと野菜にとっての霜焼けのような現象なんだろうと思っていました。

今回は、少し疑問に思ったのでしらべてみることにしましたので紹介します。

 


答えは意外なものでした。

 


なんと、あの冬野菜が紫色になるのは、野菜が日焼けをしていたのです。

そう、その答えは私にとっては、直感とは反対のものでした。

何せ寒さにあたると紫色になると思っていたのが、日焼けだというのですから。

ただ、寒さにあたると紫色になるというのも、あながち間違ってはいませんでした。

思ったよりも、紫色への変色は、複雑な現象だったのです。

 


そもそも日焼けって?

 

冬野菜の日焼けを理解するには、そもそも日焼けってなんだろうか?

ということを考える必要があります。

 


日焼けといえば、夏、海で泳いで、思いっきり体を太陽の下に晒した後、肌が真っ赤になって、だんだん肌が黒くなって行いく。あの現象です。

 


そう日焼けというのは、太陽の光の紫外線に対する防御反応です。

実は太陽の光って、我々人間にとって、敵になります。

時に、その強さは殺人的です。

真夏の太陽のもと、帽子を外して少しの間すごすだけで顔は真っ赤になるでしょう。

真っ赤になるだけだったら、良いですが、その後、どんどんヒリヒリとした痛みが広がっていきます。

ひどい時には、お湯がしみて痛くてお風呂やシャワーを浴びることができない状態になってしまいます。

そんな状態で、これ以上紫外線を浴びてしまったら、もう体は持ちません。

そこで、ヒトは肌の表面に黒色の色素(メラニン)を集結させて肌に防衛線をはります。

体の内部まで、紫外線が侵入するのを防ぐためです。

そうして、体が肌黒くなっていくのが「日焼け」です。

 

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日焼けのイメージ

 


そう実は秋冬野菜の体の中でも、同じことが起きているのです。

ただし、野菜の場合は、黒色のメラニンではなく、紫色のアントシアニンです。

ポリフェノールの一種で、メラニン同様、光を防御するために、表面に色素を集結させているのです。

 


野菜が日焼けするのはおかしい?

 

日焼けの話を聞いて、なるほどと思ったでしょうか?

しかし問題はこれからです。

ここまで話を聞いた人は、逆にいろんな疑問が浮かんでくるかもしれません。

 


今話をしているのは、秋冬野菜の話。

日焼けと言えば、真夏の海を思い浮かべます。

そこまで紫外線が強くない冬場は関係ないのではないか?

 


もう一つは、日焼けはあくまで人間の話。

野菜は植物です。植物といえば、光合成をします。

つまり光をエネルギーに変えて生きている生物です。そんな生物が、太陽の光に負けて日焼けするなんてあり得るのでしょうか?

 

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冬の日焼けの理由は、光合成のプロセスにありました

 


植物は光合成を行なって、栄養分を作ります。

光合成には二つのプロセスがあります。

1.光を受け取ってエネルギーに変える。

2.  そのエネルギーを使って栄養分をつくる。

 


光を受け取るプロセスと、その光から取り出したエネルギーを工場に送って製品化するプロセスがあるのです。

 


冬になると植物は寒くなってほとんど成長しません。

じっと縮こまって寒さに耐えているのです。寒さに耐えるために植物は体の活動を止めているのです。余計なエネルギーを使わずに済ませるためです。

 


そう、寒い冬の間、栄養分を作る工場が止まってしまいます。

そうなると野菜にとっては、過剰に光を受け取ることになるわけです。

 


真夏であれば、植物の活動も活発です。工場フル稼働で栄養を製造することができたでしょう。

冬場は工場が止まってしまい、さばききることができない量の光が体に溜まってしまうわけです。

 


いくら植物とはいえ、光合成に活用できなければ、紫外線は毒になりえます。

ヒトと同じく、防御する必要があるのです。

そこで、アントシアニンで体にバリアをはる訳です。

つまり、日焼けということです。

 

 

 

人間は、寒くても体温を一定に保つ機能があります。

光エネルギーは利用できませんが、年中工場フル活用です。

でも野菜はそうには行きません。光がさばけなければ、人間はどうだってない光だって、毒になりえます。

 


紫色ができる直接の原因は、確かに光です。

でも、その裏には、やはり冬の寒さがありました。寒さにあたると紫色になると言われるゆえんです。

 


秋冬野菜の紫色の原因は、日焼けだというお話をしてきました。

普段何気なく接している野菜の裏にある現象に目を向けると思いもよらないメカニズムが隠されたりしています。

そんなことに思いを馳せながら栽培すれば、より菜園が楽しくなると思います。

ぜひ一緒に調べながら楽しみましょう。

ニンジンの冬まき栽培に挑戦! 年内収穫後のスペース有効活用

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今年も仕事おさまりました。

お仕事・家事・育児頑張ってきたみなさん。お疲れ様です。

 

今年はなんといってもコロナ禍の一年でした。

年末年始は旅行はおろか、帰省や初詣も行けなさそうなので、家庭菜園にいそしみたいたいと思っていました。

普段は仕事で週末しか土いじりすることができないから、今年は特にそう思いました。

 

ところがですね、野菜づくりというのは、年末が一番作業が少ない時期でもあるんですね。

やはり寒い冬は野菜の成長も止まりがちになるので、その分作業も無くなってしまうんです。

秋に植えたレタスやコカブもほとんど収穫してしまって、借りている市民農園にも空きスペースができてしまいました。

 

そこで、冬場からの空きスペースを有効活用するために、今年は冬からのニンジンづくりに挑戦することにしました。

 

せっかくコロナで時間もできた年末年始です。

初めての試みにチャレンジすることにしました!

 

 

そもそも冬からニンジンは栽培できるのでしょうか?

色々調べてみるとニンジンの冬まきは結構むずかしそうなことがわかりました。

ポイントは、ニンジンの発芽にありそうです。

 

ニンジンは発芽したら半分以上成功!

と言われるほど、発芽するかどうかが鍵になると言われています。

 

この鍵を開けられるかどうかは、

冬の寒さと乾燥に勝てるかどうか? 

にかかっていそうです。

 

寒さとの長期戦を覚悟する。

ニンジンの発芽適温について調べてみると適温は15℃ー25℃とあります。

年末年始は最高気温こそ、10℃を超えるのですが、朝の最低気温は3℃前後です。

年末年始には大寒波も控えています。

 

一方で15℃以下だと全く発芽しないかというと、そういうことでもないようです。

例えば、8℃で発芽に約30日間かかるとかいてありました。

かなりの長期戦を強いられそうですね。

しかも、8℃でそれですから、なんらかの対策は必須になりそうです。

 

乾燥大敵

人参の発芽率が悪い理由に、人参は乾燥に弱いことが挙げられそうです。

寒さと乾燥に弱いなんて、まるで女性のような野菜ですよね。

そう言われて見れば、人参は野菜の中でも綺麗な紅色をしています。

 

乾燥に弱いのにはわけがあります。

野菜の種というのは、土の中の水分を吸収して発芽します。

ところが、人参というのはものすごく水分の吸収力が弱いのです。

その力はなんと大根の1/6程度。

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人参の吸水力

 

しかも、冬というのは、雨もあまり降らずに、土が乾燥しやすいです。

人参を育てるにはあまり良い環境といえないかもしれません。

 

しかしながら、そもそも人参を育てようと思ったきっかけは、私が普段試聴している塚原農園さんのYouTube番組で冬場の人参の種まき動画を見たからです。

なかなかプロとは違って上手くいかないと思いますが、何事もチャレンジです。

 

冬を乗り越えた先にあるのは花咲くスイッチ

寒さを乗り越えるだけならなんとかなるかもしれません。

でも、そこで待っているのはとう立ちの恐怖です。

 

とう立ちとは、野菜に花が咲いてしまう現象です。

多くの野菜は冬の寒さに当たったあと、暖かい気候になると「春」を感じて花を咲かせます。

花を咲かせてしまうと美味しくなくなってしまいます。

 

今回植えた人参が発芽して成長して大きくなる頃には、おそらく「春」です。

収穫して美味しく食べられるのが先か、春になって花が咲いてしまうのが先か、勝負です。

そこに冬場の野菜づくりの難しさがあります。

 

こればかりは、基本的には気候との勝負なのでなんともならないことが多いですが、できるだけ、花咲くのが遅い品種を選ぶと良いと言われています。

 

今回私が購入したのは「陽明五寸」冬どりで、冬まきは推奨されていません。

ちょっと品種選びを間違えてしまったかも、と思っています。

 

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失敗したかな?

 

寒さと乾燥どうやって乗り越えるか?

 

ここまで、人参の特性について書いてきました。

なかなか冬場の人参づくりは苦戦しそうです。

そこで我が家の対策について紹介します。

 

  1. 種まき後の鎮圧
  2. 不織布被覆
  3. 水やり 

 を行っています。

 

まずは、種まき。

ここで重要なのは、タネを撒いて、土を被せたあとポンポンと土を抑える作業です。

鎮圧と呼ばれたりします。

 

他の野菜でもこういう作業はしますが、人参では特に重要です。

なぜならそれが乾燥対策になるからです。

タネを撒くために土をほじると、土の粒々がパラパラと柔らかくなります。

土がバラバラの状態だと、水分が蒸発しやすくなるんですね。

そうすると土の表面が乾いてしまいます。

人参の大敵、乾燥です。

そこで、土をポンポンと抑えると、土の締まりがよくなって乾燥防止になるのです。

 

ただし、ここで注意があります。

人参は光を受けて発芽する性質があります。

あまりタネを深く植えすぎると、光が土の中に届かず、発芽できなくなってしまいます。

くれぐれも深植えには気をつけましょう。

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種まき後のポンポンが大事



 

次に、不織布です。

冬場の不織布は、野菜にとっての布団です。

タネをまいたあと、ホームセンターで買った不織布を畝にかけます。

通常だとここで、不織布は一重ですが、今回は二重にかけてみました。

何せ今は厳寒期。年末は大寒波が予想されます。

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布団をかけてあげました



 

さらに、今回はトドメにビニールもベタがけしてみました。

あまりこういうことを書いている本はありませんが、ビニールトンネルにするだけの材料もなかったのでとりあえずの対策です。

二重三重の対策ですね。

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トドメのビニールかけ



最後は、水やりです。

通常秋冬野菜、冬場はほとんど水をやらずでも育てることができますが、相手は乾燥大敵の乙女です。こまめに水やりをするようにしました。二日に1回程度でしょうか。

いつもなら仕事で週末にしか作業できないのですが、今は幸い年末年始。この年末年始の間だけでも、水やりをこまめにしていきたいと思います。

 

それに加えて、品種選びも大切です。

これから挑戦する人は、「晩抽性に優れた」とか書いてあるタネを選びましょう。

私の調べでは、タキイ種苗の向陽二号などが良さそうです。

 

さて、ここまで冬まき人参の栽培法について紹介してきました結果は出るのはまだこれから先ですが、また結果出たら、こちらでご紹介させていただきますね。

 

それではみなさん良い年末を!

 

 

野菜のシャキシャキ感の秘密は? 細胞レベルで読み解く鮮度保持の秘訣

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野菜は鮮度が命だと言います。

せっかく買った野菜や収穫した野菜がしなびてしまっては美味しさも半減です。

特にサラダで食べる場合はシャキシャキ感が命です。

 

それでは、野菜の鮮度を保つためにはどうしたら良いか?

しなびた野菜を復活させるにはどうしたら良いか?

 

その答えを知るためには,野菜のシャキシャキ感の正体に迫る必要があります。

一体何が野菜をシャキシャキ感じさせているのでしょうか?

 

 

シャキシャキ感の秘密は?

 

その秘密は,水分にあります。

 

「そんなこと言われなくてもわかっているよ」

そんな声が聞こえてきそうです。

 

実はこの「水分」という答えは,半分正解半分間違いです。

 

確かに,野菜のシャキシャキ感には,水分が必要です。

でも,シャキシャキ感は厳密にいえば,野菜の細胞の浸透圧が関係しています。

浸透圧とは,つまりは圧力です。水分が細胞内に入ることで,水分が細胞を押し広げます。

水風船を想像するとわかりやすいかもしれません。

 

野菜は,細胞一つ一つの集まりです。

細胞一つ一つが水風船のように膨らむことで,野菜を噛んだ時のシャキっとした感覚を得ることができます。

 

浸透圧と聞いて中学や高校の理科を思い出した方も多いのではないでしょうか?

砂糖や塩などの物質を溶かした水と真水を,

「溶けている物質は通さないが水分は通す」膜で区切ると,

濃度が高い方から,低い方へと水分が移動することが知られています。

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溶けている物質は通さないが水分は通す膜(半透膜)の説明

 

濃い液体がだんだんと薄まる方向に水が動くわけです。

 

レタスで実験してみた

 

では,ここで実験です。

先日収穫したレタスを,塩水と真水に浸してみることにしました。

 

レタスのシャキシャキ感の原因が,もし水分だけであれば,塩水にしても,真水にしてもシャキシャキ感は残るはずです。

タッパに入れたレタスを比較してみてください。

左が塩水で,右が真水です。

下の写真は浸してすぐの写真です。当然両者はそんなに変わりません。

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どちらもシャキシャキ



しかし,1時間ほど経過したあと,あらためて確認します。

次はいかがでしょう?

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1時間後塩水(左)のレタスはしなびている



 

左側,つまり塩水につけていた野菜がしなびてしまっていることがわかります。

水分はたっぷりあるにもかかわらず,シャキシャキどころか,完全にしなびてしまいます。

 

シャキシャキ感の秘密を細胞レベルで読みとく

 

ここも,植物細胞の浸透圧で説明がつきます。

高校で生物を勉強した人にとっては,勉強の経験があると思います。

 

上で説明した「溶けている物質は通さないが水分は通す」膜は,植物の細胞の膜と同じです。

植物の細胞に含まれている水分はちょっとだけ塩分が含まれています。

 

そこで、細胞を真水と濃度が高い水に浸してみるとどうなるか?

 

真水に入れた場合、濃度が低い方から高い方へと水分が移動するので、細胞のなかに水分が入ります。すると、水風船みたいに細胞が膨らみます。

ちなみに、動物細胞の場合は、水が細胞の中に入って、破裂してしまいます。

植物細胞は,細胞の周りは細胞壁で囲まれているので,破裂することはありません。

この細胞壁の働きで,野菜の形を保っているとも言えます。

 

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逆に濃度が高い水,たとえば塩水に入れた場合は,反対の反応が起こります。

つまり,細胞の中の水分が,細胞の外に移動します。細胞外の溶液の濃度を薄めるためです。

水風船がしぼんでしまうイメージです。

 

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ここでお話しした細胞レベルの出来事が,野菜全体でも同じことが言えます。

野菜は,全て細胞からできているからです。

 

ここまで野菜のシャキシャキの秘密は細胞の水分による浸透圧にある,とお伝えしてきました。

 

しなびた野菜を復活させるには?

 

この結果を踏まえて,しなびた野菜の鮮度を復活させるにはどうしたら良いでしょうか?

答えは簡単です。

 

野菜を真水に浸せば良いのです。

そもそも野菜の細胞に含まれている水分はちょっと塩分を含んでいます。

これは人間でもそうですよね。汗なんかがしょっぱいことからもわかります。

 

つまり,真水と比べたら濃度が濃いわけです。

野菜を真水につければ,真水に含まれている水分が野菜に移動します。

すると細胞内の水分が多くなります。

細胞内の水分が多くなると,細胞が水風船のように膨らんでハリが出ます。

これが,野菜のシャキシャキ感を生み出すというわけです。

 

野菜は収穫してそのままだと,どんどんしなびてしまいます。

野菜も生き物なので,呼吸をし,水分が失われるからです。

また,乾燥して野菜も体から水分が奪われてしまいます。

 

野菜を長期保存する場合に,新聞紙に包んで冷蔵庫に入れたりするのは,呼吸を抑えるため,そして乾燥を抑えるためです。

 

でも,多少しなびたとしても大丈夫です。

水にしばらく浸すことで,その鮮度を復活させることができると思います。

 

今回は野菜のシャキシャキ感の復活の方法について勉強しました。

細胞レベルでのメカニズムについて理解すると栽培も料理も楽しくなるはずです。

ぜひご参考ください。

〈園芸コラム〉タアサイの美しさにはわけがある 植物の成長戦略が生んだ造形美

 

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ボタニカルアートという分野をご存知でしょうか?

植物を題材にした美術作品です。

 


植物の造形って人工物にはない、独特の美しさがあります。

「生物は神様が作り上げた産物である。」

「進化では、生物のような複雑な構造は説明できない。」

昔の人がそう思うのももっともだと思います。

 


それくらい植物の造形って素晴らしいものだと思っています。

 


もちろん、私たちが普段食べている野菜たちも美しい造形のものが多いです。

私が育てているもので、特に感心したのは、「タアサイ」でした。

 

 

タアサイの造形美

 


同じ菜園をやっている仲間から譲り受けたもので、今年初めて栽培しました。

中国原産の野菜で、白菜の仲間にあたります。

 


2月になると寒さで暖かみも増すことから、「如月菜」とも呼ばれているそうです。

 


そんなタアサイを、まだ2月にはなっていませんが、そこそこ大きくなったので、先日初めて収穫しました。中国野菜ということで、中華スープにしていただきました。美味しくいただきました。

 


でも、注目していただきたいのは、美味しさではないんです。

その形です。見てください。

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写真だと少しわかりづらいかもしれません。

タアサイは、中心から放射状に葉っぱが伸びているのがわかります。

また規則正しく葉っぱが並んでいることもわかります。

 


他の野菜にはみられない、整然とした規則正しさがあるのがわかります。

 


うちで育てた野菜で分からなければ、Google画像検索でも調べてみてください。

 

ターツァイ/ターサイ/タアサイ/搨菜:旬の野菜百科


より美しいタアサイの造形が楽しめると思います。

 


さて、タアサイはなぜ美しいのでしょうか? 

やはり神様がつくったものなのでしょうか?

実は、タアサイの美しさには意味があります。

 

 

美しさにはわけがある

 


例えば、放射状に広がった葉っぱ。

真ん中の方の葉っぱは小さく、外側の葉っぱは大きいです。

葉っぱ同士が、重なり合わないように広がっている様子がわかります。

 


これは、光を効率的に吸収するためです。

ご存知のように野菜は太陽の光を浴びて育ちます。

葉っぱが重なりあうと、葉っぱ同士で光の取り合いの状態になります。

森の中では、あまり下草が多い茂っているイメージがないと思います。

理由は単純で、暗いからです。

 

 

 

また、タアサイは如月菜とも呼ぶと言いました。

寒い冬を超えるということです。

 


タアサイがあの形を取っているのは、このことも関係しています。

 


タアサイの生え方をよく見てみてください。

できるだけ地面に這うように生えているのがわかります。

実はこれは寒さ対策です。

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野菜は、背が高くなると、その分寒い冬の風にさらされることになります。

風に当たらないように、葉っぱを横へ横へと広げているわけです。

 


また寒い冬においては、空気よりも地面の方が暖かくなります。

植物からしたら、床暖房と言えるかもしれません。

少しでも暖かいところで過ごせるように、地面ギリギリのところで、葉っぱを広げています。

まるで、ベッドにうずくまるかのように、じっと地面にへばりつくようにして、寒さに耐えているのです。

 

 

 

タアサイのあの形は、タアサイが冬を越すための戦略と言えます。

冬を乗り越えることを突き詰めていった結果、美しいものにたどり着く。

素敵な話だと思いませんか?

 

美しさにつながる野菜の戦略

 


面白いのは、タアサイのその後の成長です。

通常ら2月に収穫しますが、そのままおいておくとどうなるか? 

春になって暖かくなると、ニョキニョキニョキと茎が伸びて花が咲きます。

高い温度を感じると、春が来たのを感じ取って、花を咲かせるのです。

 


これは、「とう立ち」と言って、とう立ちすると葉っぱが硬くなるので、農業的にはあまり好まれません。

 


でも、植物にとっては子孫を残すためにとても重要なプロセスです。

寒い冬を乗り越えたタアサイは、地べたを這いつくばらなくてもよくなりました。

そこで、伸び伸びと背を高くして、花を咲かせて、次の世代につなげる準備を始めるのです。

 

 

 

植物の機能美には、感心をさせられてしまいます。

今回、タアサイに限って、話を進めてきました。

タアサイが一番わかりやすく、美しい形をしているからです。

 


実は、この戦略をとっている野菜は多いです。

大根、白菜、キャベツ。

どれもが、冬の間葉っぱは、地べたを這いつくばって、寒さを乗り越えようとしています。

そして、暖かくなると、ニョキニョキと背を高くします。

 


最近このブログでも、レタスのとう立ちについて紹介しました。

 

 

mqchaso.com

 


とう立ちしたレタスをよく見ると、ちゃんと、茎から葉っぱが出ていることがわかります。

地面に生えている時は、地面から直接葉っぱが生えていました。

 


寒い冬の間は、背を低くするために、最大限茎は小ささを保とうとするのですね。

 


野菜の美しさには理由が有ります。

植物含め生き物には、生きていくために必要な機能を備えるために、必要なカタチを取ります。

それが結果として、人間が作る人工の造形物には表現できない形が生まれてきました。

 


そんな野菜の形と意味にも着目して農業をすれば、より面白くなるかもしれませんね。

〈園芸コラム〉冬の追肥は効果がない? 3つの理由

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今回は、冬場の肥料は効かない? という話をします。

先日、11月は異例の夏日で、暖かい日が続いたという話をしました。

暖かい日が続くことは、植物にとって、いいことも悪いこともありました。

 

mqchaso.hatenablog.com

 

特に私の家庭菜園では、今年秋冬野菜の種まきのタイミングを逃してしまったので、

私にとっては、秋の夏日はありがたい限りでした。

植物は暖かい方が成長に良いですから、出遅れた秋冬野菜の挽回になったからです。

 

 

 

寒くなって成長が止まった野菜たち

 

しかしながら、今週に入ると、朝晩はしっかりと冷え込むようになりました。

野菜というのは、寒いと成長が止まってしまいます。

人間だって、寒いと朝布団から出られずに体を縮こませて、じっと動けなくなりますよね。

 

野菜もじっと寒さに耐えるように、成長を止めて踏ん張るわけです。

だから冬の間は植物の成長がものすごく鈍くなります。

 

寒いのは寒いので良いこともあります。大根やネギ、ほうれん草などは、寒さにあたることでグッと甘みを増すことが知られています。

でも、それはあくまで野菜が収穫前まで成長した後の話です。

 

我が家の家庭菜園では、スタート出遅れた野菜たちがたくさん成長の準備をしているところです。

夏日効果で挽回したといっても、まだまだ小さいです。

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まだまだ小さいだいこん

 

それでは、ここで肥料を与えてみることを考えます。

 

肥料は水に溶けてはじめて効果がある

 

実は、肥料というのは冬場はあまり成長には効果がありません。

 

肥料は水に溶けてはじめて効果があるからです。

植物の根っこのことを考えましょう。

植物は動物のように、固形の食べ物を食べて、消化して栄養に変えられるわけではありません。

根っこから水分や養分を吸い上げているのです。

この時、植物は液体の形でしか養分を吸うことはできません。

 

化学肥料はどんなものでしょうか。

ホームセンターにある粒々の肥料です。つまりは固形です。

 

私たちが、畑で肥料を撒くとき、これらを一握りパラパラと土に撒きます。

この状態では、植物に吸収されることはありません。

 

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固形の化学肥料

 

これらの肥料は、土に含まれる水分で溶けてはじめて野菜に吸収されるのです。

だから肥料をやった後、水をあげたり、土で混ぜ返したりして、なるべく水に溶かすようにします。

土の表面に肥料があるだけでは、植物が食べられる形にはならないのです。

 

今は化学肥料で説明しましたが、有機肥料だって同じです。

有機物はそのままでは、植物は利用できません。

土の中の微生物の手によって分解され、最後まで分解されたら、水に溶ける養分の形になって、ようやく植物が吸収できるようになるわけです。

 

肥料が植物に吸収される仕組みを覚えておくといろんなところで役立つかもしれません。

 

さて、

「水に溶けてはじめて肥料が効く」

実は、このことが冬場は肥料が効きづらいことと関係しています。

以下の3つの理由からです。

 

  1. 冬場は寒いと水に溶けにくい
  2. そもそも冬場は雨が少ない
  3. 冬場は野菜は肥料吸収しない

 

 

一つ一つ見て行きましょう。

 

1 冬場は寒いと水に溶けにくい

 

これは砂糖水を想像すればわかりやすいです。

水というのは、暖かい水だとたくさんの砂糖が溶かせます。

逆に冷たいとあまり水に溶けず、結晶化されたりします。

中学の理科で習うことです。

 

冬場は寒いので、当然土の中に含まれる水も冷たいです。

水が冷たければ、あまり肥料も溶けません。

そうなると、植物が利用できる水分も少なくなるということです。

 

2.そもそも冬場は雨が少ない

 

冬って空気が乾燥していてあまり雨も降らないですよね。

つまりは、土の中の水分が乾燥気味なのが、冬場です。

当然、天然の水分が少ない状態なので、その状態でなんぼ水に溶けて効く肥料を与えても植物の成長には影響がありません。

そもそも雨の降らない冬は、肥料の効きが良くないのです。

 

3.冬場は野菜は肥料吸収しない

 

冬は、野菜はじっと寒さに耐えて動かなくなると言いました.

そこでは、生命活動そのものが、小さくなっています。

生き物の体の中では、絶えずなんらかの化学反応が起こっています。

化学反応は、ある程度の温度を必要とします。

人間だったら、平温と言われている35℃や36℃くらいでしょうか?

化学反応にはエネルギーを必要とします。

 

ところが、寒い環境下だと反応が鈍くなります。

成長が止まる原因はそこにあります。

だから、あまり野菜は冬場は、栄養を吸収しません。

栄養を吸収しても活用するだけの温度が足りないからです。

ただひたすらに寒さに耐えるけなげさがあるのです。

 

以上の3点から、冬場は肥料が効きにくいということを説明しました。

夏場と違って、成長が悪くても肥料をやれば、劇的に回復ということはあり得ません。

私たちは天候に勝つことはできません。

ビニールハウスや保温効果のある部屋で栽培しない限りは、野菜の成長は基本的には天候任せになってしまうわけです。

 

冬を堪えてじっと春を待つ。

生かすも殺すもお天道さま次第なのが、農業の世界なのです。

史上初11月の連続夏日、野菜づくりには良いことも悪いことも

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「野菜がたくさん育っているよー」

仕事で職場にいると、妻からのラインが届きました。

11月中旬の話です。

 


最近仕事が忙してくて、なかなか畑に顔を出すことが出来ていませんでした。

その間に野菜たちがすくすくと育っていたようです。

実はその知らせは私にとってはちょっと意外でした。

 


今年は、秋冬野菜は、ちょっと失敗したかなって思っていたからです。

秋冬野菜はまきどきが肝心です。

9月中くらいに蒔いておくべき、大根やかぶ、ほうれんそう、などそれも忙しさにかまけて、

撒くことが出来なかったのです。

 


結局、種まきができたのは、10月入ってしばらくしてから。

 


でも、暑さ寒さも彼岸まで。

お彼岸を過ぎれば、気温は一気に下がっていきます。

気温が下がってしまいますと、野菜の成長は遅くなってしまいます。

 


だから、我が家で育てている野菜は芽は出たものの、野菜の体は小さく、止まったままで、なかなか大きくなってくれませんでした。

 


今年はもう、春先くらいまで収穫できないのかな、そんな気すらしてきました。

おかげで夏野菜が終わったあとは、収穫できない日が続いていました。

 


ところがです。

今年は11月に入ってから、異例の暖かさでした。

先日は、統計依頼初めて「夏日」を観測されるほどでした。

野菜というのは、秋冬野菜であっても、基本的には、暖かい方が好きです

 


種を撒くのが遅くなった私にとっては都合が良かったです。

ずっと10月以降、寒さで縮こまったまま、全く動かなかった野菜たちが、一気に成長を始めたのです。

 


妻からの知らせを聞いた私は、畑に向かいました。

それまでは、地面の土の色が目立っていたのが、今は青々とした葉っぱが地面を覆って、

太陽に照らされた濃い緑が目に優しく映り込んでいます。

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異常気象というと農業には、あまり良い意味では使いませんが、今私の畑にある野菜たちは、サプライズのボーナスのような日光を浴びて、遅れを取り戻していたのです。

 


急激に大きくなったので、間引けていなかった大根も急いで間引きます。

葉っぱが立派に育っています。

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春菊やネギたちもこの暖かさで元気を取り戻していました。

 

 

 

しかし、暖かいのは良いことばかりではありませんでした。

意気揚々と野菜が元気に育っているのを観察していると、何か様子がおかしいことに気がつきます。

あれ?何か変だぞ。

おかしいと思ったのは、サニーレタスの様子でした。

今日もは、レタスも何枚か収穫しようと思っていました。

 


レタスは害虫防除のために、防虫ネットをかけていました。

でも、今日見ると、レタスが防虫ネットを突き抜けるような勢いで、ネットの天井まで届きそうな勢いだったのです。

 

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やられた。

とう立ちです。

 


サニーレタスは、葉っぱを収穫する野菜です。

そのため、高さは一定の高さに達したら、それ以上は成長しません。

ところが、レタスも植物です。

植物は、ある程度成長したら、花を作って子孫を次の世代に残そうとします。

 


レタスもある条件になると、ニョキニョキニョキと茎が伸びて花を作る準備をするのです。

今まで全くなかった茎が登るので不思議な感覚です。

 


この野菜が花を作る準備をするのが、「とう立ち」です。

 


実はとう立ちは、野菜作りにとっては、天敵です。

とう立ちしてしまうと、葉っぱが硬くなって、美味しくなくなるからです。

 


とう立ちするのは、レタスだけではありません。

キャベツや白菜、大根、いろんな秋冬野菜で見られる現象です。

 


なるべく、農家さんはとう立ちさせないように種を撒く時期を見計らって育てたりしています。

 


でも、とう立ちするかどうかは、まさにお天道様次第。

日中の気温や日光の時間で決まります。

 


レタスの場合は、高温が引き金になります。

そう、この11月の異常な高温がレタスのとう立ちを引き起こしたわけです。

レタスは、暖かいのが苦手です。だから高温、つまりレタスにとっては身の危険を感じると花を作って子孫を残そうとするのです。

それであれば、ある程度収穫しておけばよかったと後悔しましたが、誰がこんな天気を予想したでしょう?

 


本来であれば、気温が下がる一方の11月です。

とう立ちの心配はしていなかったのですが、夏日が続いて状況が変わったわけです。

 


時すでに遅しの部分は、ありますが、慌ててとうが立ったレタスを収穫します。

収穫してみると葉っぱを収穫している時には見られなかった、太くて硬そうな茎が出ています。

 

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てっぺんには、これから花になるであろう、花芽というのができているのがわかります。

 

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生育の遅れをとった大根やほうれん草にとっては、よかったこの夏日。

でも、レタスにとっては、子孫を残さなければ、となるほどの暖かさだったのです。

 

 

 

野菜作りは、天気次第で良いようにも悪いようにも転びます。

それが野菜にとって、良いこともあれば、悪く作用することもあるということに今回気がつきました。

 


野菜作りは奥深く、また難しい、だから面白いとも言えます。

さて、今度こそいよいよ寒さとの戦いがはじまります。

週間天気を見ながら、次の作戦を練るのでした。